伊藤忠商事株式会社

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グループ会社トップインタビュー

2009年2月号

伊藤忠繊維原料(亜洲)有限公司
ITOCHU Textile Materials (Asia) Ltd.
代表取締役社長 池添 洋一

伊藤忠繊維原料(亜洲)有限公司(以下ITM)は1998年に合繊糸、綿糸を扱う三国貿易を中心とした会社として設立されました。日本からの輸出が伸びなやむ中、マーケットの変化にいち早く対応。ニッチな素材に特化した川下戦略にシフトし、順調な業績を上げていることを評価され2008年度伊藤忠事業会社表彰にて経営努力賞を受賞されました。また、環境に配慮したプレオーガニックコットン、オーガニックコットンの取り組みもますます拡大している ITM池添洋一社長にお話を伺いました。

[写真]

2008年度経営努力賞を受賞されましたが評価された点はどこだとお考えでしょうか

商社の本能ともいえる市場の変化にすばやく対応したからだと思います。われわれの本業がますますグローバルに展開できるという狙いを込め香港に拠点を移しました。中国という世界一の原料の生産国・市場を背景にアジア・欧米とのゲートウェイに位置する地理的優位さもあり、グローバルオペレーションを一層加速しました。
また、数年前より販売戦略を変更し、高級素材に特化したビジネスを推進していったことだと思います。

取扱商品をご紹介ください

弊社の商品を大きく大別すると合繊糸・綿糸の2種類になります。合繊糸の中でもストッキングは、ストッキングの糸だけではなく最終製品まで仕上げ「糸と製品をパッケージにしてリテーラーに売り込む」という他社では類を見ない方法でプレゼンを行い、マークス アンド スペンサーに採用されました。
カーテン用の特殊な素材も、糸から最終製品までパッケージで提案し採用されています。カーテンについてはますます伸びている中国国内市場向けに、小売りの大手と組み国内市場にも展開を始めました。

綿糸に関しての取り組みをご紹介ください

時代に合った綿糸の販売方法として、地球にやさしいエコの商品を中心にした綿糸の販売を基本戦略に据え、3年前から取り組んでいるのがオーガニックコットン・プレオーガニックコットンです。

オーガニックコットンとは何ですか

無化学肥料の土地で栽培された綿花のことです。従来の綿花の栽培に使用されている農薬は全世界で使われている農薬の10%、殺虫剤においては25%を占めるといわれています。大量の農薬を使うことは、土壌汚染や周辺地域の水質汚染につながりますし、農民の体内に農薬が入り内臓疾患を引き起こす原因になるなど多くの問題があります。
この問題を根本から変えたい、という発想で始めたのがkurkku※と共同運営しているプレオーガニックコットン®プログラムです。

土壌汚染・水質汚染を防ぐため、綿花農家の健康疾患を守るため、そして後世に少しでもきれいな地球を残すための取り組み

「プレオーガニック®コットンプログラム」とは何ですか

インドの農家がオーガニックコットンへ移行していくことを支援するプログラムです。オーガニックコットンは無農薬で作らなくてはならず、認証されるまで3年かかります。この転換期には30%生産量が落ちるので、農家は積極的に手をあげることはありません。そこで、我々が転換期にできるプレオーガニックコットンをこの30%分をカバ-する価格で購入し、農家を経済面でもサポートします。このプログラムを実行することにより、移行する農家が増えれば土壌汚染、水質汚染も減っていきます。
インド最大のオーガニック農業支援団体RAJ ECO FARMと提携し、オーガニックコットンを生産する指導を農家に行い、われわれは買い付けをする綿花畑を決め買い付けをします。この取り組みはトレーサビリティが確保されるため、畑から糸の製造・物流まで消費者に見える形で管理・運営をし、最終消費者にすべて開示することができます。 また、原綿を糸にする紡績工場であるパットスピンではエネルギーの一部を風力発電でまかなっています。綿花から紡績まで一貫して環境への配慮をしています。

日本のアパレル小売り向けにTシャツの販売やアパレルの企画などを行っていますが、具体的にはどのように取り組まれていますか

インド・トルコ・中国で買い付けしたプレオーガニックコットン・オーガニックコットンを発信力のあるアーティストとコラボレーションし、意義を発信するプロジェクトを企画。製品を消費者にダイレクトに売る商売形態を確立しています。農場でとれたオーガニックコットンを使ったTシャツを昨年開催されたMr.Childrenのコンサートで販売し、全部で25万枚売りました。影響力のあるアーティストと組むことで、一般の皆さんにもオーガニックコットンの背景や意義を身近に感じてほしいです。今後もアーティストのイベントの販売に関する引き合いが沢山きています。

今後の成長戦略をお聞かせください

今まで欧米・日本などの商売を中心に行ってきましたが、今後は中国の小売メーカーと組んで、中国国内での販売に力を入れていきたいです。

社長の夢をお聞かせください

昨年、伊藤忠商事創業150周年の年に経営努力賞をいただきました。時代変化に対応し、ニッチな素材、高級素材に特化した商売に切り替え順調に伸びていますが、次の150年もITMという企業として存続し続け、オーガニックコットン界のアップル社になりたいです。

[写真] 綿花
[写真] 綿花畑
[写真] 紡績工場
(綿花を紡いでいる様子。使用されているエネルギーの25%は風力発電でまかなっている)
[写真] パットスピンの風車
[写真] 綿操り農場の風景
[写真] 綿花摘みとり風景
[写真] kurkku と一緒に作ったTシャツ

伊藤忠繊維原料(亜洲)有限公司 概要

設立
1998年
資本金
HK$15,5 MIL
代表取締役社長
池添洋一
従業員数
20名
本社所在地
2304-6 THE GATEWAY, TOWER2, 25-27 CANTON RD.,T.S.T., KWL, HONG KONG

※ 本記事は社内報「im ITOCHU MONTHLY 2009年2月号」より転載しました。

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