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トップコミットメント
被災地、日本経済の復興に全力で取組みます
まず、3月11日に発生した東日本大震災によって被災された皆様に、心よりお見舞い申し上げます。伊藤忠商事としてもグループをあげて復興に向けた最大限の支援を行っていきます。このような未曾有の危機に対して、我々のような民間企業の役割は、国ではできないようなきめ細かな支援を長期的に行うことです。私自身、現場で地元の方のお話を伺い、実に多様なニーズに対応していく必要性を実感しました。復興のステージは震災直後の緊急時対応から地域の再生、経済の復興へ軸を移しつつあります。今後は変化していく現地のニーズを的確に捉え、多様な機能を持つ総合商社の本業を通じて、息の長い支援を継続していきたいと考えています。また、国際的に日本の存在感の低下が懸念される中、総合商社の役割の大きさを自覚し、我々が日本経済を牽引するぐらいの気概を持って、事業に取組んでいきます。
経営は「攻め」へ、CSRも「現場主義」の徹底を
2011年4月から新しい中期経営計画「Brand-new Deal 2012」をスタートしました。これはまっさらなという意味のBrand-newと新しい施策という意味のNew Dealをあわせた言葉です。新しい伊藤忠商事の旗印を掲げ、「現場力強化」、「攻めの徹底」、「規模の拡大」を基本方針として、思い切った「攻め」の経営にシフトしていきます。また組織も7カンパニーから5カンパニーに、総本社職能部を16部から11部とする11年ぶりの大きな改編を行い、経営のスピードアップと効率化を図っています。
CSRについては「CSR推進基本方針」も改訂し、「ステークホルダーとのコミュニケーション」に「現場主義を通じた」という文言を加え、更に「社会的課題の解決に資するビジネスの推進」、「地域・国際社会への参画と発展への貢献」を新たに追加しました。「現場主義を通じたコミュニケーション」の基本は、驕らず、謙虚な気持ちで相手に接することです。私の経験でも、常に「業界の課題は何か」を念頭に置いて自ら現場に出向き、お客様の目線に立ってコミュニケーションすることが、結果的に息の長いビジネスにつながりました。現場に行ってその場の空気を感じながら聞いた情報と、電話だけで用件をすませたときとでは、得られる情報の質が全く異なります。お客様の何気ない表情から、伊藤忠への期待や懸念材料が分かるといったこともよくありました。
総合商社の業容は国や業界が多岐にわたります。各国、各業界、といったそれぞれの現場でのコミュニケーションを通じて当社に対する期待や懸念を把握し、それらを本業に反映させていくことが求められていると認識しています。社会と共生していくためにも、まずは、ステークホルダーが私たちに何を期待し、一方でどんな懸念を持っているかを把握すること、すなわち各現場でのコミュニケーションが重要です。これらを踏まえ、各現場において多様なステークホルダーとのコミュニケーションを一層強化していきます。
社会的課題の解決は、総合商社が積極的に担うべきテーマ
伊藤忠商事は「豊かさを担う責任」という企業理念に基づき、世界規模で社会的課題の解決に取組んでいます。人は物質的 にだけでなく精神的にも満たされた、豊かで潤いのある生活を追求していきます。人々の「豊かな生活を持続させよう、更に良くしよう」という思いを、持続可能な社会の構築につなげていくことが、究極のCSRなのではないでしょうか。それが創業者である近江商人の伊藤忠兵衛が唱えた「三方よし」の実践にもつながります。
このためにも、我々は気候変動や人権問題といった社会的課題の解決に向けて、本業を通じて社会のためにできることをやっていかなければなりません。企業経営においては、長期的視点で市場の成長を見込み、布石を打つことで、社会的課題の解決にあたるという考えも必要です。このような発展途上にある事業こそ総合商社が取組むべきと考え、今回の中期経営計画で再生可能エネルギーや二次電池などを重点分野に盛り込んでいます。川上から川下までのバリューチェーンを構築する総合商社が積極的に関わることで、市場を顕在化し、技術の進歩を促し、効率性を高め、事業として育成することによって、社会的課題の解決を目指します。発展途上の事業に取組むためにも、一定の企業規模・体力が必要です。そこに企業が成長を目指す理由があります。当社は「収益の拡大」と「社会的課題の解決」を両立させていきます。
また、世界各地で事業を行ううえで、地域及び国際社会の一員として、自らそのコミュニティへ積極的に参画し、本業以外においても、その地域の発展に貢献していくことも重要と捉えています。引続き、世界各地における社会貢献活動にも精力的に取組んでいきます。
現場に根ざしたCSRを推進する人材の育成
文化や法律が異なる多様な国々で事業を進めるには、現地に根ざし、高い倫理観を持った社会から信頼を得ているパートナーの存在が不可欠と考えています。我々はパートナーの選定にあたっても、その企業の価値観や倫理観を非常に大切にしています。また、パートナーと合弁事業などを上手く進めていくためには、タイムリーかつ率直なコミュニケーションを重ねていくことができる人材の育成が不可欠です。昨年には、より一層現地に根ざした各市場のスペシャリストの育成を目指し、新たに「若手短期中国語・特殊語学派遣制度」を導入し、重点市場と位置付ける中国などの特殊語学圏への派遣もスタートしました。総合商社は人が財産といわれますが、当社にとって「人材こそが命」です。一人あたりの研修費は日本企業においてトップクラスであり、これからも人材育成に対して大きな投資を行い、社会的課題の解決に資するビジネスを世界規模で展開できる人材を育てていきます。
社会とともに新しい企業価値の創造に挑戦
企業と社会との関わりは、今大きく変わろうとしています。そのような中で、我々は自らの事業活動が社会に対して与える影響をよく自覚し、知らない間に人権侵害や環境汚染に間接的に加担していたなどということが起こらないようにしなければなりません。当社は人権・労働基準・環境・腐敗防止に関する普遍的原則である国連グローバル・コンパクトに2009年から参加し、社内やサプライヤーなどへの周知徹底に努めています。
社会と共通の価値を創造し、本業を通じて真摯に取組むことが我々の競争力を高め、成長につながると考えます。一人ひとりの社員が、各業界のプロとして活躍できる「現場力強化」を推し進めることで、新しい企業価値の創造に挑戦していきます。
代表取締役社長 岡藤 正広
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