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環境への取り組み

伊藤忠商事は、事業活動が地球環境に与え得る影響を認識し環境リスクの未然防止を図るべく、取扱う商品とともに、特に新規投資について事前に影響を評価する仕組みを構築しています。
一方、総合商社としての幅広い機能、ネットワークを活用した環境保全型ビジネスにも積極的に取り組みむとともに、地球温暖化等、深刻さを増す地球環境問題に対し、伊藤忠商事単体のみならずグループ全体としての取り組みを進めています。
環境マネジメントシステム
伊藤忠商事は1997年に商社で初めてISO14001に基づく環境マネジメントシステム(EMS)を導入し、EMSの継続的改善に努めています。このシステムは、環境関連法規制の遵守並びに環境汚染の未然防止を目指しています。具体的には、毎年環境リスクの未然防止に資する目標を策定し、進捗状況の評価・分析を行い、確実に目標達成していくPDCAサイクルを回すことにより、目標を運用・管理する制度です。
伊藤忠商事環境管理体制
伊藤忠商事の環境管理体制の最上位責任者は社長です。その社長より任命された人事・総務・法務担当役員は、環境マネジメントの中核となる環境方針並びに環境管理マニュアルを決める権限を持っています。
具体的な運営については、CSR委員会を設置し、環境方針の見直しや毎年の全社活動のレビューを実施しています。総務部地球環境室は事務局を務めます。また、環境監査対象部署ごとに環境責任者を配置し(2009年度合計75人)、その活動を補佐するエコリーダー(2010年3月31日時点、合計215名)とともに、各部署における環境保全活動の責任者として活動を推進しています。
環境リスクの未然防止
伊藤忠商事の取扱商品における環境リスク評価のみならず、グループ全体の事業活動が地球環境に与え得る影響を認識するため、グループ会社も対象に環境リスクの未然防止に向けた活動に努めています。
取扱商品における環境リスク評価
伊藤忠商事は多種多様な商品を世界規模で取引しているため、各商品の地球環境との関わりを評価することが肝要と考え、当社独自の環境影響評価を実施しています。当該商品に関わる原材料の調達から製造過程、使用並びに廃棄に至るまで、LCA※的分析手法を用いています。評価の結果、地球環境への影響が特定の点数以上となった場合、当該商品を管理対象とし各種規程・手順書を策定しています。
- ※ LCA(Life Cycle Assessment): ひとつの製品が、製造、輸送、使用、廃棄あるいは再使用されるまでのライフサイクルの全段階において、環境への影響を評価する手法
グループ会社実態調査
米国「自動車部品配送センター」で、規制対象物質を含む部品の管理状態を監査する様子
中国「ビール製造工場」からの排出物を、有価物と廃棄物に分別する状況を監査する様子
グループ会社への実態調査は、2001年にグループ数社で発生した近隣住民の環境汚染クレームに端を発しています。グループ会社約700社のうち、地球環境に与える影響・負荷が相対的に高い200社程度を分析、年間約20社へ実態調査を実施しています。経営層との質疑応答から、工場や倉庫等の施設並びに河川への排水状況調査、環境法規制の遵守状況等を評価しています。
講習会の開催
伊藤忠グループ社員への環境関連法令の要求事項の周知徹底及びその遵守並びに環境意識啓発のため、講習会を積極的に開催しています。
社内講習会(2009年度実績)
| 法令セミナー | 開催数 | 参加者合計 |
|---|---|---|
| 廃棄物処理法講習会 | 6回 | 661 |
| 土壌汚染対策法 | 2回 | 294 |
| 省エネ法(荷主について) | 4回 | 166 |
これらの講習会や実態調査の実施をきっかけに、環境問題未然防止の観点から、地球環境室への相談案件が増加しています。
環境関連相談件数
| 環境関連相談件数 | 2008年度 | 2009年度 |
|---|---|---|
| 社内照会案件 | 29 | 44 |
| 土壌汚染対策法関連 | 6 | 24 |
伊藤忠グループ 環境情報コミュニケーション
2009年度に予定していた国内グループ会社における環境経営推進者の設置及び推進者対象の地球環境問題連絡会の定期開催については、既存制度に配慮したうえで、コンプライアンス・モニターレビューを手段とする仕組みに軌道修正しました。これにより、グループ会社との環境情報面でのコミュニケーションもより一層実質的に促進していきます。
まずは対象法令として廃棄物処理法、土壌汚染対策法及び省エネ法の主要環境法令に特定し、コンプライアンス・モニターレビューを通じてグループ会社の基礎情報を収集しました。必要に応じて地球環境室がグループ会社実態調査を実施する等、今後も、グループ会社の状況に応じたメリハリのある濃淡管理をより一層推進していきます。
伊藤忠グループ CO2排出量概算把握プラン
2009年度は、日本国内での省エネルギー関連法令等の強化・改正が重なりました。伊藤忠商事も改正省エネ法及び改正温対法への対応のため、東京本社ビル等約40の事業所を対象に、改正省エネ法対応ソフト「エコフォルテ」を導入し、省エネルギー関連コンサルタントとの適宜対応を行っています。
伊藤忠グループのCO2排出量概算把握については、2009年度はまず当社の上記法改正への対応を的確に実行し、そのうえでコンプライアンス・モニターレビューによる国内グループの概略把握に向けスタートを切りました。
社外からの問い合わせ案件の対応
伊藤忠グループへ寄せられる各種苦情やアンケート、環境保護団体等による面談等は、地球環境室が窓口となり対応しています。環境保全の観点より、法令遵守はもちろんのこと、管理の仕組みも適宜見直しています。環境保護団体、産業界、官公庁、格付・調査会社、各種メディア等からコミュニケーションを求められます。
環境教育・啓発活動の推進
社員が環境保全活動を行うにあたり、さまざまな教育プログラムを展開するとともに、グループ社員も対象にした環境法令セミナー、地球環境問題の啓発セミナー等を開催し、伊藤忠グループ全体の環境意識の向上に努めています。
社内環境監査人養成研修
社内環境監査人養成状況
| 年度 | 人数 |
|---|---|
| 合計 | 360 |
| 2006年度迄 | 74 |
| 2007年度 | 95 |
| 2008年度 | 93 |
| 2009年度 | 98 |
ISO14001を基にした2009年度の社内環境監査対象部署数は75部署に及びます。約半年かけて実施する社内環境監査の結果が、環境リスクの未然防止等につながっています。
社内監査に参画するための監査人の資格取得と環境意識の向上を目的として、2007年度から「社内環境監査人養成研修」を年5回開催しています。本研修の特徴は、(1)講師は当社の地球環境室員
(CEAR環境主任審査員の資格保有)であること、(2)本研修を社員教育の一環と捉え、環境問題を歴史的に俯瞰することによって自覚を促すものであることです
地球環境経営推進セミナー
講演する小宮山宏氏
2010年3月、東京本社にて地球環境経営推進セミナーを開催。東京大学総長顧問/三菱総合研究所理事長 小宮山宏氏を講師としてお招きし、「21世紀における日本のあるべき姿~新産業を創出する環境への取り組み~」と題し、ご講演をいただきました。
「地球環境問題への対応に向けた社会の変化は、企業にとっても新ビジネス創出のチャンスとなる。日本は強みである“ものづくり”の技術を活かし、環境配慮製品等の創造型需要を生み出すことで、巨大な市場を創出することができる。とりわけ商社は、ものづくりの現場のコーディネーターとして重要な役割を果たし得る。」との強いメッセージをいただきました。今後、伊藤忠グループが環境保全型ビジネスを戦略的に推進していくうえで、大変参考になる示唆に富んだ内容となりました。
地球環境経営推進セミナー参加者
| 参加者合計 | |
|---|---|
| 地球環境経営推進セミナー | 377 |
地域との共生
夏休み環境教室
1992年より東京都港区の小学生を主な対象として毎年「夏休み環境教室」を開催しています。2009年度も気象予報士による地球温暖化の体験学習や、自然観察指導員による本社周辺自然観察会等のプログラムに社員等のボランティアとともに、2日間で82名の小学生が参加し、活発な授業となりました。
東京大学気候システム研究センターへの支援
1991年より東京大学気候システム 研究センター(2010年度より東京大学大気海洋研究所気候システム系へ組織変更)の基礎研究を支援し、その研究成果の発表の場として「伊藤忠シンポジウム」を毎年開催しています。2009年度は同センターの副センター長(当時)木本教授、(独)海洋研究開発機構の河宮主任研究員を講師としてお招きし、地球温暖化に関してご講演いただき、東京・大阪両本社あわせて約270名が聴講しました。
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