伊藤忠商事株式会社

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事業等のリスク

当社グループは、その広範にわたる事業の性質上、市場リスク・信用リスク・投資リスクをはじめ様々なリスクにさらされております。これらのリスクは、予測不可能な不確実性を含んでおり、将来の当社グループの財政状態及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
当社グループはこれらのリスクに対処するため、必要なリスク管理体制及び管理手法を整備し、リスクの監視及び管理にあたっておりますが、これらのすべてのリスクを完全に回避するものではありません。
将来事項に関する記述につきましては、2011年3月31日現在において入手可能な情報に基づき、当社が合理的であると判断したものであります。

(1) マクロ経済環境の影響による財政状態及び業績変動のリスク

当社グループは、国内における商品売買・輸出入・海外拠点間における貿易取引に加え、金属資源やエネルギーの開発等、多様な商取引形態を有し、各事業領域において原料調達から製造・販売に至るまで幅広く事業を推進しております。
主な事業領域ごとの特性について概観しますと、プラント・自動車・建設機械等の機械関連取引や、金属資源・エネルギー・化学品等のトレード並びに開発投資については世界経済の動向に大きく影響を受ける一方、繊維・食料等の生活消費関連分野は相対的に国内景気の影響を受けやすいと言えます。但し、経済のグローバル化の進展に伴い、生活消費関連分野についても世界経済の動向による影響が大きくなっております。
当社グループは、世界各地で取引及び事業展開をしているため、世界経済全般のみならず、海外の特定地域に固有の経済動向も、当社グループに重要な影響を及ぼす可能性があります。

(2)市場リスク

当社グループは、為替相場、金利、商品市況及び株価の変動等による市場リスクにさらされております。当社グループはバランス枠設定等による管理体制を構築するとともに、様々なデリバティブ商品を利用することにより、為替相場及び金利の変動等によるリスクを最小限に抑える方針であります。

為替リスク

当社グループは、輸出入取引が主要事業の一つであり、外貨建の取引について為替変動リスクにさらされていることから、先物為替予約等のデリバティブを活用したヘッジ取引により、この為替変動リスクの軽減に努めております。しかしながら、ヘッジ取引によりこの為替変動リスクを完全に回避できる保証はありません。
また、当社の海外事業に対する投資については、為替の変動により、為替換算調整額を通じて株主資本が増減するリスク、期間損益の円貨換算額が増減するリスクが存在します。これらの為替変動リスクは、将来の当社グループの財政状態や業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

金利リスク

当社グループは、融資活動、投資活動及び営業取引に伴う資金の調達や運用において金利変動リスクにさらされております。投資有価証券や固定資産等の金利不感応資産のうち、変動金利にて調達している部分を金利変動リスクにさらされている金利ミスマッチ額として捉え、金利が変動することによる損益額の振れを適切にコントロールするために金利変動リスクの定量化に取組んでおります。
具体的には「Earnings at Risk (EaR)」という管理手法を用い、支払利息の最高許容額としての一定の損失限度額を設定するとともに、主に金利スワップ契約によるヘッジ取引を行うことで金利変動リスクの軽減に努めております。
しかしながら、これらの管理手法を用いたとしても、金利変動リスクを完全に回避できる保証はありません。

商品価格リスク

当社グループは、総合商社として多種多様な商品を取扱っており、相場変動等による商品価格リスクにさらされております。各ディビジョンカンパニーごとに設けたリスク管理方針に基づき、当社グループでは買付契約、棚卸在庫、売付契約等を把握し、個別商品ごとに商品バランス枠及び損失限度の設定、管理を行うとともに、定期的なレビューを実施しております。
当社グループでは、相場変動等による商品価格リスクに対するヘッジ手段として、商品先物契約または商品先渡契約等のデリバティブ取引の利用による商品価格リスクの軽減に努めておりますが、この商品価格リスクを完全に回避できる保証はありません。
また、当社グループは、金属・エネルギー分野における資源開発事業やその他の製造事業に参画しておりますが、当該事業における生産物・製品に関しても上記と同様に商品価格リスクにさらされており、事業価値が減少する可能性があります。このような場合には、将来の当社グループの財政状態や業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

株価リスク

当社グループは、株価変動リスクのある様々な売却可能有価証券を有しております。株価の変動に伴い、当社の連結財務諸表には株主資本が増減するリスクが存在し、売却可能有価証券の公正価額が減少することで、有価証券評価損の計上等により将来の当社グループの財政状態や業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

(3)信用リスク

当社グループは、国内外の取引先と多様な商取引を展開しており、取引先の信用状況の悪化や経営破綻等により、当社グループが保有する売上債権や融資・保証債権の回収が不能となる、あるいは、商取引が継続できないことにより、取引当事者としての義務を果たせず、契約履行責任を負担することとなる等の信用リスクを有しております。
当社では、営業部署より独立した審査部署が、信用リスクを定量・定性の両面から管理しており、個別案件については、営業部署の申請内容について審査部署で十分なスクリーニングを行ったうえで、適切な信用限度額を設定しております。また、信用限度には一定の有効期限を設定し、限度と債権の状況を定期的にモニタリングするとともに、回収状況及び滞留債権の状況を定期的にレビューし、必要な引当金の検討・計上を行っております。
しかしながら、こうした対策を行っているにもかかわらず、信用リスクの顕在化を完全に回避できるものではなく、その場合には、将来の当社グループの財政状態や業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

(4)カントリーリスク

当社グループは、外国の商品の取扱や、外国の取引先に対する投資等、外国の取引先と多くの取引を行っております。従って、当社グループには、外国政府による規制、政治的な不安定さ及び資金移動の制約等に起因したカントリーリスクが存在します。このカントリーリスクに対しては、案件ごとにその回避策を講じるとともに、エクスポージャーの集中を防止することを目的として、総枠・国別枠の設定、国別与信方針の策定等により、リスク管理に努めております。
しかしながら、このカントリーリスク顕在化の可能性が相対的に高い国・地域の取引先に対して保有している債権や、当該国・地域において投融資や債務保証の形態を通じて展開している事業活動が、当該国・地域の政治・経済・社会の不安定さより派生する事象に直面した場合、債権の回収や事業活動の継続に甚大な支障が生じる可能性も完全には否定できません。その場合には、将来の当社グループの財政状態や業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

(5)投資リスク

当社グループの主要な事業活動の一つに様々な事業に対する投資活動があります。リスクに見合った収益を生み出す事業に対する新規投資の実行、及びリスクに見合った収益を生まない投資からの撤退に対する意思決定は、当社グループの投資ポートフォリオを戦略的に運用するうえで、重要な判断を伴います。当社では、新規投資の実行については投資基準を設けて意思決定するとともに、既存投資のモニタリングを定期的に行い、投資効率が低い等保有意義の乏しい投資に対しては、Exit基準を適用することにより資産の入替えに努める等、リスクの軽減を図るべく意思決定を実施しております。
しかしながら、当社グループの行う投資活動においては、投資先の事業が経営環境の変化やパートナーの業績、財政状態の悪化等を要因として当初に計画したとおりの経営成績を収められない可能性や、パートナーとの経営方針の相違、投資の流動性の低さ等を要因として当社グループが望む時期や方法で事業からの撤退や事業再編が行えない可能性があります。また、投資先の業績の停滞等に伴い投資の回収可能性が低下する場合や株価が一定水準を下回る状態が相当期間にわたり見込まれる可能性があります。このような場合は、投資の全部または一部が損失となる、あるいは、追加資金拠出が必要となる等、将来の当社グループの財政状態や業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

(6)固定資産に係る減損リスク

当社グループが保有する不動産や航空機・船舶等の固定資産は、減損リスクにさらされております。
現時点において必要な減損等の処理はなされているものと考えておりますが、今後各種市況の悪化、需要の減退等に伴い保有固定資産の経済価値が低下した場合には必要な減損処理を実施することになります。このような場合、将来の当社グループの財政状態や業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

(7)資金調達に係るリスク

当社グループは、国内外の金融機関等からの借入金、及びコマーシャルペーパー・社債の発行により、事業に必要な資金を調達し十分な流動性を確保するためのALM(Asset Liability Management)に努めております。しかしながら、当社に対する格付の大幅な引下げ等により金融市場での信用力が低下した場合、あるいは、主要金融市場における金融システムの混乱が発生した場合等には、金融機関・投資家から当社グループが必要な時期に希望する条件で資金調達ができなくなる可能性や資金調達コストが増大する可能性があります。その結果、将来の当社グループの財政状態や業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

(8)退職給付費用及び退職給付債務に係るリスク

当社グループの退職給付費用及び退職給付債務は、退職給付債務の割引率や年金資産の期待運用収益率等数理計算上の前提に基づき算出されております。しかしながら、数理計算上の前提条件を変更する必要性が生じた場合、あるいは、証券市場の低迷により年金資産が毀損した場合等には、退職給付費用・退職給付債務の増加や年金資産の追加的支出が必要となる可能性があります。このような場合、将来の当社グループの財政状態や業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

(9)繰延税金資産に係るリスク

当社の連結貸借対照表において、資産側に計上される繰延税金資産は金額上重要性があり、繰延税金資産の評価に関する会計上の判断は、当社の連結財務諸表に重要な影響を及ぼします。
当社グループは、繰延税金資産に対する評価性引当金の計上を検討する際、将来の課税所得と実行可能なタックス・プランニングを考慮し、実現可能な繰延税金資産を計上しております。
当社グループは、繰延税金資産の実現可能性の評価は合理的なものと考えておりますが、タックス・プランニング期間における課税所得の見積りの変動及びタックス・プランニングの変更、あるいは税率変動等を含む税制の変更等があった場合には、繰延税金資産の増減が生じる可能性があり、その場合には将来の当社グループの財政状態や業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

(10)競合リスク

当社グループは、あらゆる業界において多種多様な商品及びサービスを取扱っているため、他の総合商社をはじめ内外の様々な企業と競合する可能性があります。当社グループよりも優れた経験、技術、資金調達力を有し、顧客のニーズに合った商品やサービスを提供できる企業が存在することも否定はできません。また、経済のグローバル化に伴い、欧米等先進国の企業だけでなく中国等新興成長国の企業との競争も激化しつつあります。更に将来、規制緩和や異業種参入等のビジネス環境の変化や技術革新等によっても当社グループの競争力を維持できなくなる可能性があります。こうしたリスクの顕在化により、当社グループの相対的な競争力が低下し業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

(11)重要な訴訟等に関するリスク

当社グループの財政状態や業績に重要な影響を及ぼすおそれのある訴訟、仲裁その他の法的手続は現在ありません。
しかしながら、当社グループの国内及び海外における営業活動等が今後かかる重要な訴訟等の対象となり、将来の当社グループの財政状態や業績に悪影響を及ぼす可能性が無いことを保証するものではありません。

(12)コンプライアンス等に関するリスク

法令・規制関連等

当社グループは、国内外で様々な商品及びサービスを取扱う関係上、関連する法令・規制は多岐にわたります。具体的には、会社法、金融商品取引法、税法、各種業界法、外為法を含む貿易関連諸法、独禁法、知的財産法、海外事業に係る当該国の各種法令・規制に従う必要があり、当社グループでは法令遵守を極めて重要な企業の責務と認識しており、コンプライアンス体制を強化し法令遵守の徹底を図っております。しかしながら、こうした対策を行っても、役員及び従業員による個人的な不正行為等を含めコンプライアンスに関するリスクもしくは社会的に信用が毀損されるリスクを排除できない可能性もあります。
また、国内外の行政・司法・規制当局等による予期せぬ法令の制定・改廃が行われる可能性や、社会・経済環境の著しい変化等に伴う各種規制の大幅な変更の可能性も否定できません。こうした場合、将来の当社グループの財政状態や業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

環境関連

当社グループは、地球環境問題を経営方針の最重要事項の一つとして位置付け、環境方針を策定し環境問題に積極的に取組んでおり、天然資源開発、不動産開発事業等投資並びに商品取扱、サービス提供における、法令抵触リスクを含む環境リスクを未然に防止する環境マネジメントシステムを構築しております。しかしながら、当社グループの行う事業活動が地球環境に影響を与える可能性や、環境保護団体等の要請によって事業進行が妨げられる可能性等が完全に排除されているという保証はありません。このようなリスクが顕在化した場合、将来の当社グループの財政状態や業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

(13)情報システム及び情報セキュリティに関するリスク

当社グループは、すべての役員及び従業員に対し、情報の取扱に関する行動規範を定め、高い情報セキュリティレベルを確保することを会社の重要事項と認識しております。当社グループは情報共有や業務の効率化のため、情報システムを構築しており、情報システム運営上の安全性確保のため、セキュリティガイドラインの設定、危機管理対応の徹底に取組んでおります。
しかしながら、外部からの予期せぬ不正アクセス、コンピューターウィルス侵入等による企業機密情報、個人情報の漏洩、更には、自然災害、事故等による情報システム設備の損壊や通信回線のトラブル等により情報システムが不稼動となる可能性を完全に排除することはできません。このような場合、業務効率の低下を招く他、被害の規模によっては将来の当社グループの財政状態や業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

(14)自然災害等リスク

地震等の自然災害及び新型インフルエンザ等の感染症は、当社グループの営業活動に影響を与える可能性があります。
当社は、大規模災害時における業務継続計画(BCP)の策定、新型インフルエンザ発生時における業務継続計画(BCP)の策定、安否確認システムの導入、災害対策マニュアルの作成、耐震対策、防災訓練等の対策を講じており、グループ会社においても個々に各種対策を講じておりますが、当社グループの営業活動は広範な地域にわたって行われており、自然災害及び新型インフルエンザ等の感染症による被害を完全に回避できるものではなく、自然災害及び新型インフルエンザ等の感染症の被害発生時には、当社グループの財政状態及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

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