伊藤忠商事株式会社

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トップメッセージ

全てのステークホルダーの皆様へ

2011年3月期を振り返りますと、大きく二つのことを実行しました。一つは、2010年4月の就任時に立てた目標に沿って、懸案事項の年度内処理を断行したことです。600億円超のリストラ損を計上しましたが、資源・エネルギー価格などが予想以上の水準で推移したこと、非資源ビジネスも堅調に推移したことにより、当社株主帰属当期純利益は2010年3月期比約328億円増益且つ期初計画を上回る1,610億円となりました。

二つ目に、「現場力の強化」をテーマに、「攻め」に転じる足場固めのため、様々な「社内改革」を行いました。当社が総合商社として多岐に亘る分野に事業領域を拡大してきた原動力は、常にお客様と密接なコミュニケーションを取り、ニーズを先取りしてきたことだと私は考えています。この本来の姿を取り戻すために、すなわち「営業」がより自由闊達に営業活動を行う環境を整備するために、過去10年以上に亘って財務体質強化のために続けてきた経営管理を見直しました。具体的には、社内会議の回数や会議資料の削減、投資基準の見直し、リスクアセットの算定方法の見直し、人事・給与制度や事業会社社長の評価・登用制度の改定といった施策を通じ、営業活動の強化、現場の社員のモチベーション向上を図りました。更に、「攻め」に向けた土台作りの一環として、11年ぶりとなる大規模な組織改編を行いました。営業組織については、7つのディビジョンカンパニーを5つに再編、総本社の管理部については機能別に16部から11部へと括り直すと共に、総本社に集約していた営業経理や与信管理などの機能を各カンパニーへ移管することで管理部門が営業と一体となって現場目線で「生きた管理」を行う体制としました。

これらの取組により、「攻め」に全力を投じる体制が整い、2011-2012年度を対象に新たな中期経営計画「Brand-new Deal 2012」を策定しました。これからの「攻める」ステージに相応しい「新しい伊藤忠商事を創っていきたい」「成長を加速したい」という想いを込めて命名したものです。「現場力強化」「攻めの徹底」「規模の拡大」を基本方針に、グループの全役職員が文字通りまっさらな新しい気持ちで計画の達成に向かって邁進していきます。

2012年3月期の定量計画では、2011年3月期実績に対して49%増の2,400億円を計画する当社株主帰属当期純利益をはじめ、主要な段階利益で過去最高益としています。また、分野別重点施策として掲げた「中国ビジネス積極拡大」「機械関連分野資産増強」「資源関連分野拡充」を中心に当社のビジネスポートフォリオの増強を図ります。新規投資額は2年間累計でグロス8,000億円を計画しています。

一方、「規模の拡大」を進めるにあたっては「規律」にも十分に配慮していきます。連結株主資本の更なる積上げと有利子負債のコントロールにより、連結NET DERは1.6倍程度の健全な水準を維持するとともに、リスクアセットをリスクバッファーと概ね均衡させていく方針です。計画は「達成すべきもの」というのが私の考えです。達成してなお上積みができるのが理想です。「稼ぐ! 削る! 防ぐ!」の三原則を徹底し、この計画を最低限の数字としてその必達を目指します。

当中期経営計画期間中の株主還元方針として、配当性向を明示しました。当社株主帰属当期純利益が2,000億円までに対して配当性向20%、同じく2,000億円を超える部分に対して配当性向30%を目処に実施することとしました。この方針に基づき、2012年3月期の当社株主帰属当期純利益計画2,400億円を達成した場合には、1株当たり33円の配当となります。収益拡大を通じて、株主の皆様のご期待に明確にお応えしていきたいと考えています。

時代によって変わりはしますが、商社には常に求められる機能・役割があります。それぞれの産業分野のなかで常に自社が持つ機能や付加価値を提供することにより、お客様から「求められる企業」で有り続けること、そしてマーケットでイニシアチブを獲得し続けることが、持続的に競争力を維持するための条件だと考えています。

また、より広い視点では、「社会」から必要とされる存在であり続けることが不可欠です。今回の東日本大震災でも明らかなように、企業にできることはたくさんあります。義援金といった直接的な支援だけではなく、企業にはそれぞれの事業活動を通じて支援を行う義務と能力があるのです。そして、継続性と実効性ある支援のためには、企業としての一定の規模・体力が必要です。「収益を拡大すること」と「社会に貢献すること」は、決して相反するものではなく、「求められる企業になる」という点で、一致するものだと考えています。私たち、伊藤忠商事が日本経済の復興、成長を牽引するぐらいの気概で、経営にあたりたいと考えています。

近江商人の流れを汲む独立系商社の伊藤忠商事は「非財閥系商社の雄」であるということに、私は常に誇りを持っています。現在「生活消費関連分野」において強みを有することからもご理解いただけるとおり、当社は繊維ビジネスという消費者に近いところで祖業を興し、それを出発点として重厚長大型ビジネスや資源関連分野へと事業領域を拡げてきたという特徴的な歴史を持っています。このような歴史の原動力となったのは、社員一人ひとりの力であり、ビジネスの種を見出し育ててきた「現場」の力だといえるでしょう。従って、私は本来の伊藤忠商事の強さを取り戻すため、「現場力強化」にこだわり続けます。

今、当社は変革の時を迎えています。自ら打って出て、将来を切り拓くことが必要なのです。「現場力強化」を一層推し進めていき、新たな伊藤忠商事の成長ステージを描いていくことを、皆様にお約束します。

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代表取締役社長 岡藤 正広
2011年5月

<詳しくは、アニュアルレポート2011「株主・投資家ならびに全てのステークホルダーの皆様へ[PDF] (2,061KB)」をご参照ください。>

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