伊藤忠商事株式会社

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ニュースリリース 2004年

オンサイト型水素製造装置の事業展開
- 水素エネルギー社会への布石 -

2004年11月2日

伊藤忠商事は、コンパクトで高性能なオンサイト型水素製造装置の開発を手掛ける米国企業「H2Gen Innovations Inc.(バージニア州)」に出資すると共に、日本国内における独占販売代理店契約を同社と締結しました。日本市場向け準商用機の第一号機が東京ガスに納入され、来年度より実証運転が開始されます。東京ガスグループの協力を得て、日本の都市ガス特性における性能確認や安全面での関連規制適合状況などを確認した上で、来年後半ないしは2006年前半より工業用水素市場向けを皮切りに販売開始の予定です。

H2Gen(エイチ・ツー・ジェン)社は、フォードモーターと燃料電池自動車用の車上搭載型ガソリン改質装置を開発していた技術者が中心となり、2001年に設立されました。現在、天然ガスを原料とした水蒸気改質方式による、一時間あたりの水素製造量が53 Nm3(標準立方メートル)のモデルHGM-2000の準商用機を製作しており、実証運転用として欧米の大手工業ガスメーカーに順次納入中です。また、H2Genは米国エネルギー省より補助金540万ドル交付の承認を受けています。

オンサイト型水素製造装置は、高純度の水素を必要とする工程において、半導体製造、油脂製造、ステンレスなど非鉄金属の表面加工、しょうどん焼鈍(やきなまし工程)などの分野で既に利用されています。また、将来、燃料電池自動車へ水素を供給するステーション用の装置としても、都市ガス、ガソリン、LPGなどの既存の燃料インフラを有効活用できるとして、大きな期待が寄せられています。化石燃料からの改質の際、CO2を排出しますが、燃料電池自動車は総合効率が高いため、ガソリン車と比べるとCO2排出量が1/3程度になると言われており、環境にも大変優しいシステムです。

H2Gen社の装置は、大きさ、性能、価格面で優れており、競争力は非常に高いと見ています。天然ガス(あるいは都市ガス)を原料としてこの装置から製造される水素の純度は99.999%で、サイズも縦・横・高さが2~3mと非常にコンパクトに設計されています。同社技術陣の車上搭載型改質装置開発で培われた経験により、改質反応器(リアクター)、水素精製装置(PSA)、改質触媒といった個々の主要コンポーネントの性能向上や全体プロセスの最適設計が図られ、発生した高純度水素の一時貯蔵タンクまでワン・パッケージの装置全体としての低コスト・コンパクト化に結び付いています。国内販売価格は未定ですが、水素製造原価ベースでコスト・パフォーマンスの最も優れたシステムを提供する予定です。H2Gen社では、天然ガス/都市ガス以外 (LPGやメタノール等)の原料を基にした装置や、将来水素ステーション用途への本格展開を睨んだ大容量モデル(モデルHGM-10,000; 容量265Nm3/h)も今後順次開発する計画です。

伊藤忠商事は、燃料電池を基軸とした将来の水素エネルギー社会の実現に向けた様々な事業展開の布石を打っていますが、H2Gen社への投資と日本での独占販売代理店契約の締結もまさにその一つです。都市部でのバスや業務用車両を中心とした燃料電池自動車の普及が始まる2010年頃には、工業用水素ガス供給と燃料電池自動車向け水素ステーション用を合わせて、オンサイト水素製造装置の年間売上目標を50億円と目論んでいます。その他にも、グループ企業での展開も含め、分散電源事業用の定置型燃料電池システムの開発、自然エネルギーを活用した水電解装置と燃料電池システムの組合せによる実証試験、DMEなどの新燃料の開発、既存の燃料販売ネットワークを活用した水素ステーション実証試験への参画などに取り組んでいます。

以上

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