2016年 社長年頭挨拶

2016年1月4日

本日9:00より、東京本社1Fロビーにて、新年祝賀式が開催され、約2,000人の社員が参加しました。社長挨拶に引き続き、コーポレートメッセージである「ひとりの商人、無数の使命」の石碑の除幕式、当社執行役員と社外のテノール歌手・ピアノ演奏者によるオペラの共演、最後は恒例となった元応援団員が有志で結成した伊藤忠グループ応援団によるエールの披露など、盛りだくさんの内容で今年一年の門出を祝しました。当社社長 岡藤正広による「2016年年頭挨拶」を下記の通りお知らせします。

明けましておめでとうございます。
ご家族・ご友人と年末年始を過ごされ、充分に英気を養い、新たな気持ちで本日を迎えられたことと思います。年頭にあたり、日本および世界の伊藤忠グループの皆さんに、一言ご挨拶を申し上げます。

昨年を振り返りますと、日本にとりまして、そして伊藤忠にとりましても、節目となる1年でした。日経平均株価は一時2万円超を記録し15年ぶりの水準へ、そして為替も5月に124円台と12年ぶりの水準、失業率も18年振りの水準、有効求人倍率も23年ぶりの水準を回復し、3年間のアベノミクス効果によってようやく日本経済が長いトンネルから抜け出た1年となりました。次に、世界に目を転じれば、米国をはじめとする先進国は引き続き緩やかな改善が予想されるものの、中国は「新常態」への移行により経済成長が足踏み状態にあり、又、資源安等により新興国の経済は減速度合を強めています。中でも、ブラジル、トルコ、アルゼンチン、インドネシア、ロシア、南アフリカといった新興国のリスクが今後重くのしかかってくることが懸念されます。そのような状況下、伊藤忠は2年近く掛け、昨年末にブラジルの鉄鉱石事業であるナミザに目途をつけ、今後の懸念を大きく軽減させることに成功しました。

さて、私は昨年、年初の挨拶で皆さんに「3位は単なる通過点に過ぎず、あくまでも業界トップという常に高い目標に向かってチャレンジし続けていかなければならない」と言いました。その時、私は商社2強を「目標」、商社No.1は「夢」として思い描いていました。しかしながら皆さんの頑張りにより、期初見込み通りの業績の進捗を見せ、暫定とはいえ、夢にまで見た商社No.1の座が図らずも見えてきた、伊藤忠にとって歴史的な1年となりました。

今年は「飛躍」の年です。中期経営計画「Brand-new Deal 2017」の中間に当たる年であり、この中計の成否を決めると言っても過言ではない重要な年となります。今年の干支(えと)にあたる申(さる)は中国では出世・昇進を象徴する動物で、「申(さる)」は雷が伸びていく姿を描いた漢字であり、「伸びる」という意味と、「果実が成熟して実が固まっていく状態」という意味を持ちます。また、「申(さる)の方角」とは西南西の方角を表します。我々から見て西南西とは中国、アジアです。まさしく今年こそがCITIC/CPとの戦略提携による「果実を形に」し、収益の「伸長」を実現させ、伊藤忠の歴史に残る中計の趨勢を決定づける年だということになります。

我々が進むべき道ははっきりしています。まずは最初の3か月間でしっかりと連結純利益商社No.1という夢を成就させなければなりません。しかしながら、我々の目標は瞬間的に商社No.1になることではなく、常にトップを争う力をつけるということです。上位財閥商社グループに割って入り、2強のポジションを定着化させることを目標にしなければなりません。

今一度「かけふ(稼ぐ、削る、防ぐ)」の原点に戻り、基本動作を徹底すると共に、現場力に磨きをかけ「一気呵成に」攻め続ける1年に致しましょう。伊藤忠が日本の飛躍的発展を先頭を切ってリードしていくんだという強い気持ちで是非取り組んでもらいたいと思います。油断大敵、正月ボケになっている時間などありません。グループ一丸となって、光り輝く新しい伊藤忠グループを作っていこうではありませんか。

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  • 社長挨拶に続き、コーポレートメッセージである「ひとりの商人、無数の使命」の記念碑の除幕式が行われました。

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  • 当社執行役員の茅野みつるとテノール歌手の渡辺大さん、そして茅野と親交の深い駒井ゆり子さん・加藤牧菜さんによるピアノの共演でヴェルディ:歌劇『椿姫』第一幕より「乾杯の歌」が披露されました。最後は恒例の伊藤忠グループ応援団によるエールの発声です。