オマーン最大のバルカ海水淡水化プラントの商業運転開始について

2018年10月31日

伊藤忠商事株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長COO:鈴木善久、以下「伊藤忠商事」)が筆頭株主として参画するバルカ・デサリネーション・カンパニー(Barka Desalination Company:以下「プロジェクトカンパニー」)は、オマーンで新規に建設したバルカ海水淡水化プラントの商業運転を開始致しました。

本件は、オマーン政府傘下のオマーン電力・水公社(Oman Power and Water Procurement Company)が同国北部のBarkaエリアにて推進する官民連携型のBOO事業(Build・Own・Operate;建設から運営までを一括して請負う事業形態)で、造水能力は日量281,000 m3のオマーン最大の海水淡水化事業であり、造水された水は、2016年3月2日に締結された売水契約に基づき、今後20年にわたりオマーン電力・水公社経由でマスカット首都圏の生活用水として供給致します。

同プラントは逆浸透膜(RO膜)方式の海水淡水化設備であり、特徴として凝集加圧浮上処理(DAF: Dissolved Air Flotation)などの前処理を完備することで、気候変動等による赤潮といった海水の質の悪化にも順応し、安定した水の供給が可能です。プロジェクトを推進するプロジェクトカンパニーには、伊藤忠商事を筆頭に、仏/SUEZ、仏/ENGIE(旧GDF Suez)、オマーン/W.J. Towell & Co.が参画しております。

オマーンを含む中東湾岸諸国では近年、人口増加や都市化により水需要が成長する一方、飲用水不足が課題となっております。オマーンでは今後水需要が年間約6%成長すると予測されており、当プロジェクトは同国への水の安定供給において重要な役割を果たします。

伊藤忠商事は、世界的な人口増加、経済成長、地球温暖化等に起因する水需要の増加を背景に水ビジネスを重点分野として位置付け、海水淡水化や上下水事業の事業を拡大してまいりました。今後も中東地域及び世界各地域において、水資源の有効活用に寄与する事業を一層推進すると共に、ESG投資を積極的に推進して参ります。

バルカ海水淡水化プラント