食料カンパニー

-サステナビリティマネジメント-

カンパニーの中長期成長戦略

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食料カンパニー プレジデント
久保 洋三

当カンパニーを取り巻く環境は、国内においては家計所得の伸び悩み等から個人消費は依然として低迷、更には国際情勢が不安定化する中、為替・株式相場も先が見通しづらくなっていることを受け、消費マインドが悪化する等、一段と厳しさを増しています。一方海外では、アジアを中心とした新興国において人口増加、所得増加による市場の拡大が進み、ビジネスチャンスが拡がっています。そのような環境下において、「財務体質強化」の全社方針に基づき、資産入替による資産の質・効率性の更なる向上を実践し、Dole事業並びにCITIC/CPグループと共同での事業展開を中心に、これまで推進してきた日本、中国、アジアをはじめ全世界における付加価値の高いバリューチェーン構築を引続き進めていきます。
同時に、全人類規模での課題である食糧問題への取組みという観点から、食糧資源の安定供給源の確保にも注力します。また、食の安心・安全の確保は当カンパニーにおける最重要課題であり、海外サプライヤーの管理体制、商品特性、加工工程における衛生上のリスク等の個別事情に応じて、訪問監査の対象先や頻度を設定するなど、食料取引における安全確保のための広範な施策を行っています。今後も投資先、パートナーを含めた管理体制の更なる強化を進めていきます。

収益機会 挑戦すべき課題
  • 食の安心・安全に対する消費者意識の一層の高まり
  • サステナブル原料の供給体制の強化
  • 食糧資源の安定供給源の確保
  • 気候変動リスクへの対応
  • サプライチェーンマネジメント(人権・労働慣行・環境)への対応

サステナビリティアクションプラン

2017年度行動計画の要点

食糧資源安定供給/環境保全/社会・生活インフラとしてのコンビニエンスストアの機能強化/より健康的な食品の開発/食の安全確保のための検査体制整備など、さまざまな社会要請にあわせた取組を継続的に推進していきます。

主要取組事例

気候変動に対応した持続可能な農園の運営に向けて

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バナナ畑

当社は2013年4月に、米国のドール・フード・カンパニーからアジアの青果物事業と、缶詰や飲料等を世界的に展開する加工食品事業を買収しました。

買収以降、主要商品の最大生産拠点であるフィリピンで、台風、旱魃、病虫害等が発生し、バナナの生産数量は2016年度44万トンと、買収前と比べ4割減少しました。生産量の回復・拡大を行うべく、バナナにおいては灌漑設備の導入、農地の集約・拡張、病虫害対策等を実施し、パイナップルにおいても、農園への設備投資と栽培方法見直しにより、生産性の改善を行いました。更に、天候不順等のリスクに備え、産地の多角化も推進しております。また事業・商品の選択・集中、不採算事業の整理等、経営改善を実行しました。

2016年度は販売価格好調や各種コスト削減も奏功し収益が改善。今後2020年度までにフィリピンでバナナ80万トン、パイナップル100万トンへの増産体制を整え、アジア最大の農産物インテグレーターを目指します。

また企業存続・発展のために人・環境・社会が重要資源と考え、2016年も引き続きフィリピン、タイ、スリランカ、日本、韓国、中国、北米等の国々において、DOLEは約2.7百万ドルを費やし、各地の学校への教科書・机・椅子・パソコン等の寄付、校舎のメンテナンス、奨学金の給付、障害を持つ子供達への教育機会の提供、自然災害による被災地域への生活必需品・医療援助、献血、衛生教育、食料援助などの健康維持・増進に向けた取り組みなど現地の社会貢献活動にも力を入れています。

安心・安全で美味しい豚肉生産事業

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豚肉加工過程

カナダ・マニトバ州で豚肉生産事業を行っているHyLife Group Holdings.(HyLife)の株式を、伊藤忠商事は49.9%保有しています。養豚農場、配合飼料工場、豚肉加工までの一貫生産を行っているため、自社でサプライチェーンの管理・コーディネーションが可能です。この生産体制を活用し、トレーサビリティが確立された、安心・安全で高品質な製品の安定供給を実現させました。加えて、この一貫生産によりお客様の個々のニーズを養豚現場までフィードバックすることが可能となり、日本向けにカスタマイズをしたスペシャルティ・プログラムを確立、市場でも高評価を受けて、現在は対日向け冷蔵ポーク輸出量でカナダNo.1となりました。対日スペシャルティ・プログラムの生産は、自社の栄養士と獣医師の指導のもと、選ばれた品種の交配による三元豚、高品質産地として有名なマニトバ州で生産された麦類を中心とした飼料の給仕を行っており、伊藤忠商事の駐在員も加わり日々の管理・監督を徹底しております。

海外サプライヤー定期監査を通じた食の安全確保

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食品監査の様子

食生活の多様化、食品流通のグローバル化、健康意識の高まりなどを背景に、食の安心・安全に対する消費者の関心は、一層高まっています。一方でBSE問題、農薬等の残留基準違反、安全性未審査の添加物を使用した食品の流通といった、食の安心・安全をおびやかす事件や問題が発生しています。伊藤忠商事では2002年度に食料カンパニー内に食品安全管理室を設立し、食料取引における安全確保のための広範な施策を行っています。その一環として輸入食品については、2011年度より海外サプライヤーの食品加工工場の定期的な訪問監査を実施しています。
相手国の管理体制、商品特性、加工工程の衛生上のリスク等の個別事情に応じて、対象先や監査頻度を設定。社員または現地スタッフ、グループ会社社員が実際に現場を訪問し、独自の「工場監査チェックシート」に基づく監査を実施し、必要に応じて改善提案を行っています。2016年度は153社の訪問監査を実施しました。上記に加え、特に中国から輸入する食品の安全管理強化のため、2015年1月北京に「中国食品安全チーム」を新設。工場監査の実務経験豊富な日本人(IRCA※ISO22000主任審査員)を専任のトレーナーとして中国に派遣し、日本国内で求められるレベルと遜色ない管理体制の構築を図って参りました。複数の中国人責任者による定期監査に加え、フォローアップ監査等を通じて相互確認の機会を増やし、継続的な改善を行っています。2016年度は53社(延べ100社)の定期監査、フォローアップ監査を実施致しました。

  • International Register of Certificated Auditors(国際審査員登録機構)