マーケティングカンパニーを支える「ものづくり」戦略とCSR

人権の尊重・配慮に関するHighlight
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伊藤忠商事繊維カンパニーは顧客視点に立脚したマーケティングカンパニーとして、サプライチェーン上の社会・環境に配慮した付加価値の追求と新たなビジネスモデルの創出を目指します。

繊維カンパニーのものづくり戦略

「ものづくり」を原点とする繊維カンパニーでは、紳士服、婦人服をはじめスポーツウェア、インナーウェア、ユニフォーム、バッグ、シューズなど、幅広い商品に対応しており、素材の提案力や豊富な生産拠点のネットワークを背景に付加価値の高い商品を提供することが、成長の大きな強みとなっています。更に、昨今のアパレル業界においては、商品の品質や価格競争力だけでなく、労働環境や社会的貢献における真摯な姿勢が、顧客や消費者に向けた大きな付加価値に繋がっています。
2012年7月に買収したBramhope Group Holdings Ltd.(以下Bramhope社)は、2000年に設立された英国に本社を置くアパレル製造・卸企業で、傘下のQuantum Clothing Group(以下Quantumグループ)は、インド、スリランカ、カンボジアの自社工場やアセアン諸国の提携工場など、その豊富な生産背景を大きな強みとしています。
Quantum Groupは、世界有数の英国小売企業であるMarks & Spencer社(以下M&S)を主力販売先とし、同社のアパレル仕入れにおいて高いシェアを有しています。パンティストッキングやランジェリー等の婦人用下着や肌着、メンズシャツ等を取扱い、英国での洗練された商品企画力に加え、主力客先であるM&Sの持続可能性を追求する先進的プログラム「Plan A」に則り、各生産工場において労働環境や社会貢献、環境保全等の厳しい管理基準を満たし、品質に対する高い技術力や価格競争力のみならず社会・環境面において高い付加価値を創造しています。
Bramhope社の持つエシカルな消費に対応した商品供給のノウハウと、伊藤忠グループのアジア各地に拡がる生産ネットワークが融合した強固な生産基盤を背景に、マーケティングカンパニーとして、北米、欧州、中国や新興国などのグローバル市場へと新たなビジネスモデルを追求していきます。

QuantumグループのCSR

2010年、Quantumの経営層が一堂に会し、持続可能なビジネスを確固たるものにするために、後のQuantum Business Excellence Model」となる計画をまとめました。人、環境、持続可能な原材料から成るこのプログラムはQuantumグループの中長期の成長戦略を見据え、策定されたもので世界中のQuantumグループで実践しています。

Quantum Cambodiaの取組み

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繊維製品の生産地として現在脚光を浴びているカンボジアには、Quantumグループの主力生産工場である、Quantum Clothing及びQuantum Apparelの2つの生産拠点を擁し、従業員数は両社合わせて5,000名を超える一大拠点です。Quantum ClothingはISO9001 及びISO14001を取得、またQuantum Apparelは認証取得に向けた準備を開始するなど、両社ともに、高い品質基準と環境への配慮の実現に取組んでいます。

従業員の労働安全への取組み

パッキングライン

Quantumでは人材を最も重要な資産と認識し、従業員が安全に意欲を持って働くことができる職場環境の実現を目指しています。多くの従業員が働く工場の生産現場においては、従業員の労働時間の電子管理をいち早く導入しているほか、生産ラインの適切な間隔保持等を通じて細かなチェック項目を設けて事故の未然防止に取り組んでいます。また、休憩スペースや従業員向けの食堂、医務室を設置するなど、働きやすい労働環境を実現しています。従業員の満足度を定期的に調査し、誇りと意欲を持って働ける職場の実現に繋げています。

従業員満足度調査

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従業員への啓発機会の提供

英語研修

QuantumのCSRは従業員一人ひとりが正しくCSRを理解し各現場で実践することが重要と位置付け、多様なプログラムを実施し、啓発の機会を設けています。工場内では研修ルームが設置され、縫製技術指導や英語やITスキルの教育を行うほか、賃金の計算方法に関する講習を行うなど、従業員の能力開発や啓発活動も積極的に展開しています。また、優秀社員表彰制度も設けており、従業員のやる気とモチベーションの向上に繋げています。これらの取組みは、従業員が安心して働くことのできる労働環境を備えた工場として現地政府から表彰されるなど、社会的貢献の観点からも高く評価されています。

環境保全への取組み

2004年にはISO14001の認証を取得し、PDCAのサイクルに則って、継続的な改善に繋げています。電気使用量、排水、廃棄物に関しては2007年を基準値とする削減目標を掲げ、継続したモニタリングを実施しています。具体的には、工場の生産フロアの照明に省エネルギー型のT5蛍光灯を設置するほか、すべてのミシンの手元照明をLEDにするなど、あらゆる場面できめ細かな省エネルギー化に取組んでいます。また、さまざまな啓発活動を実施し、現場の従業員の意識の向上と徹底に努めています。

環境目標

Quantum Clothingは、2007年をベースとして、以下の様な環境目標を設定し、実現に向けた取組みを行っています。

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Krishan Hundal
Marks & Spencer
Director of GM Technology

お客様の声

M&Sは、世界で最も持続可能な小売業を目指して、2007年に「Plan A」の取組みをスタートさせました。これは、2020年のゴールに向け、気候変動、廃棄物、天然資源等の持続可能性に関わる7つの分野での180の具体的なコミットメントから成っています。私たちは、Plan Aを推進する上で、消費者やビジネスパートナーにこのプランの趣旨を理解いただき、同じ価値観を共有することが何より重要と捉えています。その推進のため、Plan Aの理念を十分に理解し、人々の生活の質の向上と環境維持に貢献したサプライヤーを表彰しています。2013年度にはQuantum社を、Supplier of the Yearとして表彰しました。アパレル業界の持続可能性に関わる課題は、サプライチェーンの労働者福祉、原材料の問題、化学物質の使用などが挙げられますが、Quantum社はいずれの課題にも積極的に取組んでいます。特に従業員に対する施策は、教育訓練プログラムや福祉制度、積極的なダイアログの実施など、常に革新的な取組みを行い、また、工場における環境配慮にも熱心で傘下の複数の工場で当社のEco-Factory statusを取得しています。世界ではますます透明性が重視され、企業は事業規模にみあった責任が求められています。Quantum社及び伊藤忠グループには、業界をリードする先進企業として、日々のビジネスにおいてサステナビリティに繋がるイノベーションを追求し続けていただき、それが企業文化そのものとなることを強く期待しています。