社員の活躍を支える労働安全衛生の取組

伊藤忠商事にとって、社員は財産であり、社員がその能力を最大限に発揮するためにも社員の職場での安全・健康を確保することは、会社の重要な責任のひとつです。日本及び世界のさまざまな地域で活躍する社員とその家族が、安全かつ健康で社員が安心して働けるよう、事件・事故・災害等の緊急事態のみならず、健康管理に対する万全な体制を構築しています。

社員の安全対策

グローバルにビジネスを展開する伊藤忠商事では海外駐在員は約800人、年間海外出張者は延べ1万人に及びます。
海外安全対策については、現地と日本側の密な連携が重要であるとの考えから、本社に海外安全専任者を置き、世界8ブロックに配置された担当と、政治や経済、治安等に関する情報を安全対策連絡協議会や治安セミナー等も通じて常に交換し、社内へ対策を発信しています。また、専門のセキュリティー会社との契約を通じて、情報を集めにくい地域についてもカバーできる体制を構築しています。
医療面では、専門医療サービス会社と提携し、現地の病院の紹介、感染症等の予防策、病気やけがの際のアドバイス、緊急時の搬送も含め、予防と事後対策のための支援体制を整えています。
また、海外赴任前の社員・家族には、現地の安全や医療への対応などの講習を徹底する一方、赴任後においても家族を含めた安全セミナーを開く等、注意喚起を行っています。

国内安全対策については、国内で発生する恐れのある地震等の大規模災害への対策として、災害対策マニュアルの作成、飲料水・食料・トイレなどの備蓄品の整備や防災訓練、安否確認サービス応答訓練等の対策を講じており、グループ会社においても個々に各種対策を立てています。社員へは、家族との連絡手段の確保や歩きやすい靴の準備、徒歩での帰宅ルートの確認など、日頃から大規模災害への備えを呼びかけています。

健康経営

社員一人ひとりが最大成果を発揮するためには、社員の能力開発と共に「健康力」増強こそがコーポレートメッセージである「ひとりの商人、無数の使命」を果たす人材力強化の礎であるという考えに基づき、健康経営における会社の方針を『伊藤忠健康憲章』(2016年6月制定)において明文化しました。この『伊藤忠健康憲章』を核として様々な取り組みを推進し健康経営を強化しています。

東京本社内の診療所でもある健康管理室には、合計20数名の専門医が所属する他、エックス線技師や薬剤師も所属しており、国内外問わず各社員にそれぞれの生活習慣病の専門医との緊密な連携のもとで保健師が社員の状態に合わせて個別的に健康指導をするいわば「国境なき医療コンシェルジュ」を30年以上に渡り実施しており、社員一人ひとりの健康管理を通じて伊藤忠商事の健康経営を後押ししています。具体的には、上記の専門疾病管理に加えて、一般診療(内科、整形外科、歯科)、健康診断(定期健康診断、半日ドック、海外渡航者・一時帰国者・帰国者の健康診断)、各種予防接種、検診(VDT検診、生活習慣病検診)、さらには医療相談、情報提供等を行っています。2016年度の国内勤務者の定期健康診断の受診率はほぼ100%になっています。

また、2017年4月には全社員がPC及びスマートフォン上で健康診断結果閲覧や歩数、体重・体脂肪率、摂取カロリーなどの生活習慣データを一元管理できる「健康マイページ」を導入し、社員1人ひとりの健康意識の向上を図っています。若手社員の生活習慣病予備軍に対しては、健康ウェアラブル端末を配布し、運動・睡眠データの収集や食事データも管理することを通じ、ヘルスコーチ・管理栄養士によるオンライン上の食事・運動指導が毎日受けられる個別指導プログラムも導入しています。

健康保健組合においては国内2か所の保養所運営の他、健康管理室と連携し禁煙治療費の全額補助化なども実施しています。

『伊藤忠健康憲章』の詳細は、こちらをご覧ください。

メンタルヘルス

メンタルヘルスについては、社内にストレスマネジメントルームを設置し、臨床心理士によるカウンセリングを実施しています。また産業医への相談や社内で精神科医の受診も可能です。健康保健組合では健康相談WEBサイト「健康・こころのオンライン」を設置しており、WEBや電話での相談がが出来る体制となっています。また、2015年12月1日に改正労働安全衛生法が施行され、年に1回、ストレスチェックを実施することが事業者の義務となりました。伊藤忠商事は健康管理室が中心となり、2015年10月に試験的に1年前倒しでストレスチェックを導入し、2016年度から本格的に実施しています。

労働時間管理/朝型勤務

36協定など法令順守はもちろんのこと、働き方改革を通じて総労働時間の削減にも注力しています。より効率的な働き方の実現に向けて、他社に先駆けて2013年10月に導入した朝型勤務制度は、残業ありきの働き方を見直し、所定勤務時間内での勤務を基本とした上で夜型の残業体質から朝型の勤務へと改めるものです。この取組を通じて、総労働時間は年々削減されており、社員の健康の保持・増進のみならず、女性社員の活躍支援、社員の仕事と家庭の両立にも繋がっています。社員一人ひとりの「働き方」に対する意識改革と併せて業務改革をバランスよく推進していく事により、常にお客様視点で、企業理念である「豊かさを担う責任」を果たしていきます。

こうした取組が評価され、2015年度には株式会社日本政策投資銀行(DBJ)の「DBJ健康管理(ヘルスマネジメント)格付け」において、総合商社では初となる最高ランクの取得、更には経済産業省・東京証券取引所が選定する「健康経営銘柄」に2015年度・2016年度と2年連続で選定されました。

これは、当社が「働き方改革」「健康経営」を重要な経営戦略と位置付け、他社に先駆けての朝型勤務制度の導入や、産業医や健康保険組合と協働しながら全社横断的に「積極的健康増進策」を推進している点が評価されたものです。