資源循環

方針・基本的な考え方

伊藤忠商事は、2018年に改訂した伊藤忠グループ「サステナビリティ推進基本指針」の中で、事業投資先や取扱商品のサプライチェーン上の資源(大気、水、土地、食糧、鉱物、化石燃料、動植物等)の利用状況及び人権・労働への配慮状況の把握に努め、取引先に当社のサステナビリティに対する考え方への理解と実践を求め、持続可能なバリューチェーン構築を目指すと定めています。また、2018年4月に環境・社会・ガバナンス(ESG)の視点を取り入れたサステナビリティ上の重要課題を特定し、「安定的な調達・供給」を重要課題の一つと掲げ、生物多様性等、環境に配慮し、各国の需要に合わせた資源(水を含む)の有効利用と安定的な調達・供給に取組むことで、循環型社会を目指します。
さらに、水資源については、地球上にある水の約97.5%は海水であり、人間が利用できる水は0.01%に過ぎません。一方で、新興国を中心とした経済発展や人口増加、気候変動による降水パターンの変化により、世界の水需要は増加の一途を辿っています。伊藤忠商事は、水関連ビジネスを重点分野と位置付け、世界各地の水問題の解決に貢献すべく、海水淡水化事業や水処理事業、2014年から取組んでいるコンセッション事業等、グローバルに展開しています。

目標

伊藤忠商事では、廃棄物の排出量削減とリサイクル促進、紙、水の使用量削減に関し、目標数値を設定しています。

水資源関連では、水インフラや衛生環境の整備、水・廃棄物の適切な処理及び有効利用を通じて、衛生環境の向上、経済活動の発展、及び地球環境保全に寄与します。また水・環境事業の拡大を通じ、水の適切な利用・処理及び資源の有効活用を促進し、環境負荷の低減等に取組みます。
目標数値は以下の通りです。

  2018年度実績 単年目標 2021年3月期目標
東京・大阪本社、国内支社・支店その他の事業用施設の電力使用量

2017年度比0.6%減

年平均1%以上減

2010年度比30%減

2010年度比43%減

東京本社の廃棄物等排出量

2010年度比35%減

2010年度比10%減

2010年度比20%減

東京本社のリサイクル率

93%

90%

90%

東京本社の紙の使用量

2010年度比16%減

2010年度比3%減

2010年度比3%減

東京本社の水の使用量(上水)

2010年度比14.1%減

2010年度比10%減

2010年度比15%減

不動産ポートフォリオにおける目標
項目 削減目標 短期目標 長期目標
水使用量

増加させない

毎年度/原単位ベース

5年間(2017年度~2021年度)/原単位ベースで増加させない

廃棄物重量

増加させない

毎年度/原単位ベース

5年間(2017年度~2021年度)/原単位ベースで増加させない

体制・システム

伊藤忠商事及び国内子会社が取組む日本国内・海外の事業投資案件については、その案件が市場、社会、環境等に与える影響を「投資等に関わるESGチェックリスト」(評価項目には気候変動リスクに関連し、エネルギー使用量やCO2排出量の把握状況も含まれている)により事前に評価しています。2013年度から、このチェックリストを、ISO26000の7つの中核主題(組織統治、人権、労働慣行、環境、公正な事業慣行、消費者課題、コミュニティ参画及び開発)の要素を含む33のチェック項目となるよう改訂を行い、運用を開始しています。専門的な見地を必要とする案件については外部専門機関に事前の調査を依頼し、調査の結果、問題がないことを確認したうえで、着手することにしています。
伊藤忠商事は、2018年4月より「環境方針」と同様に、「環境管理体制」を「サステナビリティ推進体制」に整理・統合し、新たな「サステナビリティ推進体制」を定めました。こちらよりご覧いただけます。
伊藤忠商事は、「安定的な調達・供給」を重要課題の一つと掲げ、生物多様性等、環境に配慮し、各国の需要に合わせた資源(水を含む)の有効利用と安定的な調達・供給に取組むことで、循環型社会を目指します。
安定的な調達・供給に係るリスクとして、資源循環を含む環境問題の発生及び地域社会と関係悪化に伴う反対運動の発生による影響、主に生活消費分野での低価格化競争の発生による産業全体の構造的な疲弊等を認識しています。また、安定的な調達・供給に係る機会として、新興国の人口増及び生活水準向上による資源需要の増加、環境に配慮した資源や素材の安定供給による顧客の信頼獲得や新規事業創出等を認識しています。

取組み

環境会計にて開示している環境保全コストのうち、水に関連するコストは以下の通りです。

  • 水質汚濁防止のためのコスト 排水処理費、中水製造費、監視測定費及び管理人件費 4,510千円
  • 水リスク回避のための研究開発費(東京大学大気海洋研究所気候システム研究系への寄付) 500千円

不動産ポートフォリオにおける水総使用量、廃棄物排出量は以下の通りです。

項目 単位 2014年度 2015年度 2016年度 2017年度(基準年) カバー率(%、2017年度)
水使用量

総量
(単位:m3

140,987

154,546

193,347

199,285

24.7%

原単位
(単位:m3/m2

0.1557

0.1628

0.2027

0.2048

廃棄物重量

総量
(単位:t)

2

5,934

6,436

64.9%

原単位
(単位:t/m2

0.0000

0.0062

0.0066

リサイクル率
(単位:%)

0.0

13.4

17.7

  • 集計期間
    集計期間は、各4月~3月とし、原則として年次で実績を更新します。
  • 算出方法について
    1. 原単位の計算方法は、(水使用量、廃棄物重量)÷ 原単位分母(延べ床面積(m2))として計算します。
    2. カバー率の計算は、以下の通りです。
      カバー率(%)= ①データ取得範囲(m2)÷ ②データ取得可能な最大範囲(m2
      ①データ取得範囲とは、データの取得出来た範囲を指します。
      ②データ取得可能な最大範囲とは、当該物件の延べ床面積を指します。

食品リサイクル

食品リサイクル法対応として、単体の食品廃棄物排出量、再生利用量等の定期報告を行い、基準実施率(再生利用等の実施率目標)に沿って廃棄物の発生抑制、飼料化等のリサイクル促進に努めています。

食品リサイクル率
2015年度 2016年度 2017年度 参考:2017年度(火災参入しない場合)
リサイクルしている数量

廃棄物等の発生量(単位:t)

959.9

828.2

1,816.9

815.9

再生利用実施量(単位:t)

567.7

544.9

620.6

620.6

廃棄処分実施量(単位:t)

392.2

283.3

1,196.3

195.3

目標(個々の食品関連事業者ごとの再生利用等の実施率の目標)

基準実施率

74.8%

75.8%

76.8%

76.8%

リサイクルしているパーセンテージ

再生利用実施率

64.3%

70.6%

34.2%

76.1%

  • 2017年度は、倉庫の火災により、米麦卸売業・雑穀卸売業に関して1,001.0トンが廃棄となっており、この火災の影響を除いた場合の数値も、参考として掲載しています。
  • 2018年度 リサイクル率目標 77.8%

セメント代替品「高炉スラグ」の世界No.1トレーダー

[写真]
高炉スラグを使った建造物

「高炉スラグ」とは、鉄鋼の製造工程の副産物です。セメント代替品としてセメントと混合して利用することで、セメントの原料である石灰石等の天然資源の節約が可能となり、更にセメントのみでコンクリートを作る場合に比べ製造時のCO2発生を4割程度削減できる環境に優しい商品です。
また、海水等への耐久性が高く、長期に亘り中の鋼材が腐食しにくいため、港湾の大型土木工事等に広く使われています。
当社は20年程前から国内外の「高炉スラグ」を約10ヵ国に販売、世界No.1スラグトレーダーとしての取扱量を誇ります。今後も、継続的・安定的な商流を構築し、スラグ事業への出資・参画を検討していきます。

※ セメントと高炉スラグを55:45で混合して使用した場合で試算

水ストレス地域での取組み

環境保全型ビジネスの取組みにあるように、オーストラリアヴィクトリア州、オマーンにて海水淡水化事業に参画、また、サウジアラビアでは海水淡水化プラント及び浸透膜の製造・販売を行っています。

ステークホルダーとの協働

容器リサイクル法への対応

伊藤忠商事は、容器リサイクル法が定める特定事業者として、循環型社会形成の推進に寄与することを目的として、容器包装の再商品化のために、毎年容器包装の自社製造・輸入量等を把握し、再商品化委託料を公益財団法人日本容器包装リサイクル協会に収めています。

過年度の委託料は以下の通りです。

(単位:円)

年度 実施委託料/拠出委託料 ガラスびん PETボトル 紙製容器包装 プラスチック製容器包装 合計
無色 茶色 その他の色
2016年度

実施

814,414

708

18,306

631,798

1,465,226

拠出

0

68

168

47,052

47,288

総額

814,414

776

18,474

678,850

1,512,514

2015年度

実施

770,179

158,548

30,825

292,375

1,251,927

拠出

0

0

315

13,395

13,710

総額

770,179

158,548

31,140

305,770

1,265,637

2014年度

実施

754,732

16,016

25,416

339,157

1,135,321

拠出

0

0

107

11,896

12,003

総額

754,732

16,016

25,523

351,053

1,147,324

イニシアチブへの参画(財界・業界団体を通じた活動)

当社は、日本経済団体連合会の環境・エネルギー関係の委員会である「環境安全委員会地球環境部会」に参加し、自主行動計画の推進、温暖化、廃棄物・リサイクル、水を含む環境リスク対策など、経済と両立する環境政策の実現に取組んでいます。また、日本貿易会の「地球環境委員会」に参加し、低炭素社会の構築、循環型社会の構築、環境関連法規への対応などに取組んでいます。

CDPへの参加

当社は世界中の様々なステークホルダーに対し、ESGに関する取組みについて積極的な情報発信を行っています。その一環として、企業の水関連対策等の環境情報に関して世界で最大のデータベースを有するNGOであるCDPに参加。2014年3月期から、企業のサプライチェーン上の水マネジメントを評価するCDP Water Securityの質問書に回答しています。

パフォーマンスデータ

2017年度グループ全体の燃料使用量は以下の通りです。

2017年4月~
2018年3月実績
灯油(単位:kL)

4,001.145

軽油(単位:kL)

35,577.67

ガソリン(単位:kL)

10,774.21

A重油(単位:kL)

25,699.25

B・C重油(単位:kL)

11,711.7

石炭(単位:t)

341,192.93

石油ガス 液化石油ガス(LPG)(単位:t)

6,321.939

液化石油ガス(LPG)(単位:千m3

2,454.347

石油系炭化水素ガス(単位:千m3

2,247.578

可燃性天然ガス 液化天然ガス(LNG)(単位:t)

1,645.845

その他可燃性天然ガス(単位:千m3

5,762.7

都市ガスなど 都市ガス(単位:千m3

204,481.7

その他ガス(単位:千m3

0.017

水の使用量及び排水量

2015年度~2018年度の東京本社ビルの水使用量、中水製造量及び排水量、国内事業会社、海外現地法人、海外事業会社の排水量は下記の通りです。東京本社ビルは、水の使用量2010年度比10%削減を目標に掲げ、中水を使用出来るトイレ洗浄水の節水装置を導入するなど、水の使用量の削減を推進しています。

(単位:m3

  2015年度 2016年度 2017年度 2018年度
東京本社水道水使用量★

46,922

52,248

43,039

46,573

東京本社中水使用量★

35,729

30,736

33,830

31,225

東京本社排水量★

62,857

63,446

58,129

58,779

国内事業会社排水量

981,549

846,700

14,628,762

集計中

海外現地法人排水量

5,932

5,722

5,863

集計中

海外事業会社排水量

205,394

207,267

11,831,598

集計中

  • 排水量の把握をしていない場合は水道水使用量と同じと仮定し算出

集計範囲

○:集計対象

  電力使用量 事業用施設
起因のCO2
排出量
廃棄物等
排出量
紙の使用量 水使用量
及び
排水量
東京本社

大阪本社

国内支社※1

国内支店及び
その他の
事業用施設※2

国内事業会社※3

海外現地法人※4

海外事業会社※5

  1. 国内支社は、全5支社(北海道、東北、中部、中四国及び九州)を集計対象としています。
  2. 「その他の事業用施設」は伊藤忠商事が所有または賃借している事業用施設(居住用施設除く)を対象としています。支店含む事業所数: 2015年度8事業所、2016年度8事業所、2017年度6事業所、2018年度8事業所
  3. 国内事業会社は2015年度から2016年度までは伊藤忠商事が直接出資する連結子会社(2017年3月31日時点)を集計対象としています。対象社数: 2015年度70社、2016年度65社。2017年度は連結子会社全て(100%)を対象としています。対象者数 208社
  4. 海外現地法人は、海外の主要事業所を集計対象としています。事業所数: 2015年度16事業所、2016年度16事業所、2017年度15事業所
  5. 海外事業会社は2015年度から2016年度までは伊藤忠商事が直接出資する連結子会社(2017年3月31日時点)を集計対象としています。対象社数: 2015年度44社、2016年度46社。2017年度は連結子会社全て(100%)を対象としています。対象者数 299社

ただし、投資運用目的で保有する会社であり、今後5年以内に売却する見込みのある会社は、集計対象に含みません。また、従業員が10人以下である、非製造拠点の事業所のCO2排出量は、量的に僅少であるため、集計対象としていません。

水資源の有効利用

東京本社ビルでは、水資源を有効利用するために1980年の竣工時より厨房排水、雨水、湧水、及び洗面並びに給湯室等からの雑排水を原水とする中水製造設備を設置し、トイレの洗浄水に利用しています。
雨量によって中水の確保量に毎年変化が生じるため、雨量が少ない場合には水道水の使用量は増える傾向にあります。このため、トイレ内の洗面台手洗い水シャワー節水器や、トイレ洗浄水の自動節水器を新たに設置して水道水の節約に努めています。

紙の使用量

2015年度~2018年度の紙の使用量は下記の通りです(2015年度 東京本社ビル、2016~2018年度 伊藤忠商事国内拠点合計)。東京本社ビルは、紙の使用量2010年度比3%削減を目標に掲げ、ペーパーレス化や無駄な紙の使用を抑えることにより、紙の使用量の削減を推進しています。

(単位:千枚(A4換算))

  2015年度 2016年度 2017年度 2018年度
コピー用紙使用量

31,896

34,940

32,949

30,711

廃棄物

廃棄物等排出量

2015年度~2018年度の東京本社ビル、国内事業会社、海外現地法人及び海外事業会社の廃棄物等排出量は下記の通りです。伊藤忠商事ではゴミの分別等を推進しています。東京本社ビルは、2010年度比10%削減を単年目標として掲げ、印刷時の2in1や両面印刷等の工夫により廃棄物量の削減を推進しており、2014年度は、東京本社ビルにて「港区ごみ減量事業者表彰」を受賞しました。

  2015年度 2016年度 2017年度 2018年度
東京本社ビル★ 廃棄物等排出量
(単位:t)

711

674

698

680

リサイクル率
(単位:%)

95

94.3

93.8

92.9

国内事業会社 廃棄物等排出量
(単位:t)

23,470

21,947

177,526

集計中

海外現地法人 廃棄物等排出量
(単位:t)

9

33

5

集計中

海外事業会社 廃棄物等排出量
(単位:t)

14,569

10,016

141,392

集計中

  • 東京本社ビルの廃棄物等排出量には有価物売却量を含みます。

当社における水質、水量に関する許可、標準、規制に関する違反はありませんでした。