サステナビリティ上の重要課題(マテリアリティ)

2018年4月、伊藤忠商事は環境・社会・ガバナンス(ESG)の視点を取り入れたサステナビリティ上の重要課題を特定しました。これらの重要課題に本業を通して取組むことは、Brand-new Deal 2020の目指す「新時代“三方よし”による持続的成長」に通じています。
社会の今と未来に責任を果たす当社のサステナビリティへの取組みは、2015年に国連で採択された、「持続可能な開発目標(SDGs)」達成にも寄与しています。

  • SDGs(Sustainable Development Goals):国連加盟国が2015年9月に採択した2030年までの持続可能な開発目標。

サステナビリティ上の重要課題

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マテリアリティ:技術革新による商いの次世代化
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新技術へ積極的に取組み、産業構造の変化に既存ビジネスの枠組みを超えて挑戦することにより、新たな価値創造を行います

取組事業例AI、IoT、フィンテックの活用

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ユニー・ファミリーマートホールディングス(UFHD)を起点としたグループバリューチェーンの次世代化に取組んでいます。2017年にUFHDとフィンテック関連ビジネスを推進する事業会社を発足。グループ各社を含めた電子マネー、クレジットカード、ポイント、ID等を含むフィンテック関連ビジネスの推進を図っています。

マテリアリティ:気候変動への取組(低炭素社会への寄与)
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気候変動による事業影響への適応に努めると共に、低炭素社会へ寄与する事業活動の推進や、温室効果ガス排出量削減に取組みます

取組事業例ドイツ北海沖の洋上風力発電

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再生可能エネルギーの需要が高まる中、ドイツ北海沖で稼働中の洋上風力発電所としては最大級(288MW)の発電事業に、戦略的業務・資本提携を締結しているCITICグループと共同参画しています。ドイツ標準家庭の約37万世帯分の電力を供給しており、低炭素社会への移行に貢献しています。

マテリアリティ:働きがいのある職場環境の整備
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社員一人ひとりが誇りとやりがいを持ち、多様性を活かして、能力を最大限発揮できる環境を整備します

取組事業例がんとの両立支援

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2017年よりがんとの両立支援を開始。民間企業で初の国立がん研究センターとの提携によるがん特化検診の実施、社内における両立支援コーディネーターをはじめとした体制構築等、健康経営を推進することですべての社員がやる気とやりがいを持ち、能力を最大限発揮することのできる職場を実現します。

マテリアリティ:人権の尊重・配慮
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事業活動を通じた人権の尊重と配慮に取組み、事業の安定化を実現すると共に、地域社会の発展に寄与します

取組事業例オーストラリアでの海水淡水化事業

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伊藤忠商事は、豪州最大規模かつ世界で最も環境に優しいプラントの一つであるヴィクトリア州海水淡水化事業に出資参画しています。雨水に頼らない水供給源として年間で最大1,500億リットルの高品質な飲料水供給が可能で、エネルギー効率が高いRO膜方式によって海水から飲料水を生成しています。主要機器の設計寿命は最低100年であり、干ばつ時も持続的・長期的に水を供給することができます。また、プラントの運転に必要な電力は全て再生可能エネルギーによって賄っており、環境的に持続可能な設計となっています。プラント周辺には砂丘・再生林・湿地が広がっており、敷地面積225ヘクタールの生態保護区の中に建設されています。

マテリアリティ:健康で豊かな生活への貢献
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すべての人のクオリティ・オブ・ライフの向上を目指し、健康で豊かな生活の実現に貢献します

取組事業例人々の健康増進への取組み

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先進国において高齢化社会の進行等が社会問題化する中、高度医療機器販売、地域拠点病院運営サポートビジネス、医薬品開発やICTを利用した健康管理支援事業を通じて、人々の健康増進に寄与すると共に、活力ある社会形成へ貢献しています。

マテリアリティ:安定的な調達・供給
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生物多様性等、環境に配慮し、各国の需要に合わせた資源の有効利用と安定的な調達・供給に取組むことで、循環型社会を目指します

取組事業例フィンランドでのパルプ事業

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事業投資先である、フィンランドの世界最大級の針葉樹パルプメーカーMETSA FIBRE社は、持続可能な森林資源利用を推進しています。また、同社はパルプ製造工程で電力も創出しており、自社使用分以外の余剰分を地域へ供給し、地域環境保全に貢献しています。

マテリアリティ:確固たるガバナンス体制の堅持
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取締役会は独立した客観的な立場から経営に対する実効性の高い監督を行うと共に、意思決定の透明性を高めることにより、適正かつ効率的な業務執行を確保します

取組事例コーポレートガバナンスの機能強化

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適正かつ効率的な業務執行を確保する為、実効性の伴った取締役会のモニタリング機能強化と運営改善をすすめています。

マテリアリティの選定・レビュープロセス

2013年に伊藤忠商事として初めてマテリアリティを特定して以降、国際社会の動向やステークホルダーからの期待等を踏まえ定期的に見直しを実施しており、昨今のSDGsの採択、パリ協定の発効等の社会状況および事業変化を踏まえて、2018年度スタートの中期経営計画を機に、7つの重要課題を新たに特定しました。

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マテリアリティごとのリスクと機会

マテリアリティ リスク 機会
技術革新による商いの次世代化
  • IoT、AI等、新技術の台頭に伴う既存ビジネスモデルの陳腐化
  • 先進国での人手不足や、効率化が遅れている事業での優秀な人材の流出 等
  • 新市場の創出や、革新性のあるサービスの提供
  • 新技術の活用による、人的資源や物流の最適化、働き方改革推進による競争力強化 等
気候変動への取組(低炭素社会への寄与)
  • 温室効果ガス排出に対する事業規制等による、化石燃料需要の減少
  • 異常気象(干ばつ、洪水、台風、ハリケーン等)発生増加による事業被害 等
  • 気候変動の緩和に寄与する、再生可能エネルギーなどの事業機会の増加
  • 異常気象に適応できる供給体制強化等による顧客維持・獲得 等
働きがいのある職場環境の整備
  • 適切な対応を実施しない場合の、労働生産性の低下、優秀な人材の流出、ビジネスチャンスの逸失、健康関連費用の増加 等
  • 働きがいのある職場環境の整備により、労働生産性の向上、健康力・モチベーションの向上、優秀な人材の確保、変化やビジネスチャンスへの対応力強化 等
人権の尊重・配慮
  • 広域化する事業活動での人権問題発生に伴う事業遅延や継続リスク
  • 提供する社会インフラサービスの不備による、信用力低下 等
  • 地域社会との共生による、事業の安定化や優秀な人材確保
  • サプライチェーン人権への配慮、労働環境の改善に伴う、安全かつ安定的な商品供給体制の構築 等
健康で豊かな生活への貢献
  • 消費者やサービス利用者の安全や健康問題発生時の信用力低下
  • 政策変更に基づく、市場や社会保障制度の不安定化による事業影響 等
  • 食の安全・安心や健康増進の需要増加
  • 個人消費の拡大やインターネットの普及に伴う情報・金融・物流サービスの拡大 等
安定的な調達・供給
  • 環境問題の発生及び地域社会と関係悪化に伴う、反対運動の発生による影響
  • 主に生活消費分野での低価格化競争の発生による、産業全体の構造的な疲弊 等
  • 新興国の人口増及び生活水準向上による資源需要の増加
  • 環境に配慮した資源や素材の安定供給による、顧客の信頼獲得や新規事業創出 等
確固たるガバナンス体制の堅持
  • コーポレートガバナンス・内部統制の機能不全に伴う事業継続リスク、予期せぬ損失の発生 等
  • 強固なガバナンス体制の確立による意思決定の透明性の向上、変化への適切な対応、安定的な成長基盤の確立 等