第2期の活動とその成果
第2期:セーブ・ザ・チルドレン・インドとの取組(2016年4月—2017年3月)
第1期でセーブ・ザ・チルドレン・ジャパンを通して基盤を構築したプロジェクトを、第2期では現地で実際に移動図書館(MLC:Mobile Learning Center)の運営にあたるセーブ・ザ・チルドレン・インドと直接取り組むことにより、現場の状況などの情報を直接入手し反応も見やすくなったことで、効率的に進めることができました。
第2期では、MLCを通じて多くの子どもたちに教育の機会の提供する活動を継続するとともに、子どもたちの正規の小学校への入学を増やすために幼児教育・保育に関する活動にも注力しました。
インドでは、小学校に入学する前の幼児教育・保育は子どもの知的・社会的発達を促し、初等教育段階のドロップアウトの減少や学習の質の向上に貢献するという調査結果もあり、近年、就学前教育センターでの活動に焦点があてられており、また、貧困層の子どもたちの教育参加を促進する効果をもつと期待されています。
第2期プロジェクト期間には、目標通り年間700人の子どもたちがMLCを通じて教育機会を得ることができ、210人子どもたちが正規の学校へ入学を果たしました。
活動1:就学前教育センターから小学校への進学の増加
目標とする結果 |
幼児教育・保育に対する保護者(年間200人)の意識を高め、就学前教育センターの職員(年間20人)の研修による質の向上を図り、子どもたちの就学前教育センターへの入所を促す |
---|---|
アウトカム |
戸別訪問等を通じ200人の保護者への意識向上を図った結果、100人の子どもたちが新たに就学前教育センターへ入所した。また80人の就学前教育センターの職員の研修を実施した |
活動内容 | 第2期の目標 成果指標 |
第2期の成果 |
---|---|---|
保護者やコミュニティの意識向上 |
200人の保護者やコミュニティメンバーの幼児教育・保育についての意識を高める |
戸別訪問や保護者会等を通じ200人(100%)の保護者やコミュニティメンバーが幼児教育・保育の重要性について意識を高め、結果、100人の幼児が就学前センターへ入所した |
就学前教育に関わる職員のトレーニング |
20人の就学前教育センターの職員に対し入学準備スキルについてトレーニングを実施 |
80人(400%)の就学前教育センターの職員に、幼児教育・保育と就学前教育センターの運営について安全で教育に適した環境を整えるためのトレーニングを実施した。 |
- ( )内の%は目標値に対する達成率
- 就学前教育センターの職員80人に対し、幼児教育・保育の必要性や目的についてや、安全で教育に適した就学前教育センターの運営について等のトレーニングを実施しました。
同研修では、センターでの活動計画の必要性についてもふれ、ワークショップ後に、科学キット・算数キットのニーズが確認されたので、就学前教育センター10か所に86の科学キット・42の算数キットが配布されました。 - 保護者会では、保護者の子どもの教育に対する責任や役割についてのワークショップを実施し、参加した保護者からは子どもの学習に対しての親の責任について全く認識していなかったので、今後は子どもの学習を見守っていきたいとの声も聞かれました。
- 保護者会や各家庭の戸別訪問により200人の保護者やコミュニティメンバーが幼児の総合的な発達についての意識を高め、その結果、幼児100人(男児47人、女児53人)が就学前センターへ入所しました。
![[写真]](/ja/img/cs_so_mlc02_img01.jpg)
![[写真]](/ja/img/cs_so_mlc02_img02.jpg)
![[写真]](/ja/img/cs_so_mlc02_img03.jpg)
![[写真]](/ja/img/cs_so_mlc02_img04.jpg)
活動2:移動図書館を通じた教育の機会の提供
目標とする結果 |
年間700人の子どもたちに移動図書館を通じて教育の機会を提供、200人が正規の学校へ入学する |
---|---|
アウトカム |
700人の子どもたちが移動図書館を通じて教育の機会を得て、210人の子どもたちが正規の学校に入学を果たした |
活動内容 | 第2期の目標 成果指標 |
第2期の成果 |
---|---|---|
移動図書館によるリーチ |
700人の子どもたちがMLCに参加 |
700人(男子311人 女子389人)(100%)がMLCに参加した |
正規の学校への入学 |
6-14歳の200人の子どもたちが正規の学校へ入学 |
210人(男子108人 女子102人)(105%)が正規の学校に入学した |
協働学習と交流プログラム MLCと私立学校の子どもたちの間で集団学習を実施 |
子どもたちが学習環境を理解し受容できるようにするために、
|
90人(300%)の子どもたちが3回の協同学習の機会に参加した
|
その他の活動・行事
|
|
|
- ( )内の%は目標値に対する達成率
- 上半期に442人(男子201人 女子241人)、下半期に258人(男子110人 女子148人)、合計700名(100%)が 移動図書館の活動に参加し、教育の機会を得ました。
- 210人(男子108人 女子102人)(105%)が正規の学校に入学を果たしました。
![[写真]](/ja/img/cs_so_mlc02_img05.jpg)
![[写真]](/ja/img/cs_so_mlc02_img06.jpg)
![[写真]](/ja/img/cs_so_mlc02_img07.jpg)
- 24回の路上劇を10のコミュニティで開催し、ドロップアウトや不登校、子どもの権利や教育を受ける権利、教育の大切さについての啓発に努めました。
- 12回の人形劇とstorytellingセッションに、367人(男子182人 女子185人)が参加しました。人形を使ったこの活動を通して、子どもたちは話す力、聞く力を磨き、自分の考えや感情を表現することに自信を持つようになったことが伺えました。
- 258人(男子110人 女子148人)がライフスキル、アート&クラフト活動に参加しました。
- 200人(男子111人 女子89人)が校外学習に参加、博物館や科学館、プラネタリウムなどを訪問し、非日常の空間で楽しく学習しました。
![[写真]](/ja/img/cs_so_mlc02_img08.jpg)
![[写真]](/ja/img/cs_so_mlc02_img09.jpg)
![[写真]](/ja/img/cs_so_mlc02_img10.jpg)
![[写真]](/ja/img/cs_so_mlc02_img11.jpg)
![[写真]](/ja/img/cs_so_mlc02_img12.jpg)
![[写真]](/ja/img/cs_so_mlc02_img13.jpg)
伊藤忠インド会社のボランティア
インドの「子どもの日」の翌日である2016年11月15日、伊藤忠インド会社から社員ボランティアは、ムンバイ郊外シバジ・ナガー区を訪れ、同区内の3地区の子どもたちと一緒に人形を制作し、人形劇を楽しみました。この訪問によって、子どもたちが学習への意欲を高め自分たちに教育を受ける権利があることに気づき、さらにやる気を出してもらえるように、伊藤忠インド会社の社員が子どもたちを精一杯サポートしました。
子どもたちはとても嬉しそうに独創的な人形をつくったり、それらの人形を使った劇を見せてくれました。プログラムの終わりにはすべての子どもたちが笑顔となり、伊藤忠インド会社のボランティアと友情の堅い握手を交わしました。
![[写真]](/ja/img/cs_so_mlc02_img14.jpg)
![[写真]](/ja/img/cs_so_mlc02_img15.jpg)
- 全ての写真はセーブ・ザ・チルドレンの提供によるものです。