2020年、さらなる飛躍の年に

—座談会—

ビッグイベントが開かれる特別な年に向けて

スポーツビジネスの深耕およびトレードの拡充

諸藤: 2020年は、言うまでもなく東京でスポーツのビッグイベントが開催される特別な年でもあります。インパクトのあるビッグイベントに絡めつつ、今年の抱負を聞かせてください。

清水: 東京の2年後の2022年には、北京での冬季大会も開かれ、アジアでスポーツ関連のビッグイベントが続きます。そのため、当部門では、最注力分野として、スポーツビジネスの深耕およびトレードの拡充に引き続き注力する方針です。特にデサントや安踏体育用品との協業による中国市場開拓を加速していきます。また、当部門の連結収益の大半は事業会社が占めており、さらなる収益拡大を図るため、積極的な人的サポートを行っていく予定です。特にデサント、エドウイン、ロイネ、伊藤忠モードパル株式会社へのサポートを強化していきます。さらに、当部門では、ITS、IPA、欧州プロミネントヨーロッパ、北米の伊藤忠プロミネントUSAなど、海外拠点とも強固に結びつきながら繊維ビジネスの大集団を形成しています。これら川上から川下までのバリューチェーンをフル活用して、マーケットインの発想で、2020年も、力強く成長していきたいと思います。

非繊維カテゴリーと中国市場にさらなる注力

福嶋義弘

福嶋義弘

執行役員 ブランドマーケティング第二部門長

中国でのブランディングで売れる商品をつくり世界へ広がる可能性を追求したい(福嶋)

三浦: やはり我々はブランドビジネスが生業ですから、今後も情報収集力を高めて、本当に価値のある欧米ブランドを発掘・育成し、さらに、冒頭にお話した“おにぎり”のように、消費を喚起できるような商品やサービスを提供していくことが大事になります。また、ブランドビジネスで培ったブランディングのノウハウをフル活用し、非繊維のカテゴリーにも注力したいと考えています。その一つが今、大変成長している分野であるコスメ・化粧品です。そこで昨年、イギリスのライフスタイルブランド「キャスキッドソン」のコスメ・化粧品分野における日本市場での独占輸入販売権を取得しました。これを契機に、2020年以降も、中国市場をにらみながらコスメ分野にも注力していきたいと考えています。私自身は、2020年は相反するものの融合が大事になると思いますので、アナログとデジタル、オンラインとオフライン、ベテランと若手といったものの融合による化学反応を期待したいですね。

福嶋: 2020年から2022年は、アジアで行われるビッグイベントに絡み、スポーツと中国が鍵になると思います。中国経済は減速してはいますが、それでもその影響力はまだまだ大きいのが現状です。昨今、中国で売れているブランドの商品が日本でも売れるという流れがあり、それが世界へと広がる可能性を秘めています。今後は、中国でしっかりとブランディングして売れる商品をつくり、それを的確にプレゼンテーションしていくことにも注力したいと思います。もちろん、既存の欧米ブランドの日本展開をブラッシュアップしていくことも引き続き重要ですので、2020年は、この2つに重点的に取り組みながら、事業を拡大していきたいと考えています。

デサント
新たな経営体制がスタートしたデサントは、スポーツビジネスにおける中国市場の開拓に今後の大きな期待がかかる。
キャス キッドソン
イギリスのライフスタイルブランド「キャス キッドソン」のコスメ・化粧品分野における日本市場での独占輸入販売権を取得。