新40代メンズ市場の今を視る
—座談会—
注目すべき新40代メンズ市場のムーブメント
小原:新40代男性の間で広がっているムーブメントなどで、注目しているものがあればお聞かせください。
松崎:最近は男性の間でもヨガへの関心が高まっていますが、自分らしく、等身大でいるために自らの内面と向き合いたいという欲求を持っている方が増えているのではないでしょうか。また、自分自身を整えたいという願望も強く、これは「食」などにも通じる話だと思いますし、マッサージなどをすることでリラックスをしたり、一時の瞑想感を味わったりということも同じような欲求がベースにあるのではないかと感じています。
小原:最近はヘッドマッサージなど、ビジネスマンが営業の合間などに利用できるように、オイルなどは使わず、短時間で純粋に目的を果たすようなメニューを用意するお店も増えていると聞きます。忙しい40代男性に向けたビジネスでは、コアな目的だけをしっかり満たしていくという考え方も必要になってくるのかもしれません。
伊藤:私の周りには、自分も含めフィットネスに通っている男性が多く、最近はプロテインを飲んでいる人の数も増えています。これは個人的な分析になりますが、40代男性の中には、会社でも家庭でもなかなか目に見える結果を出しづらい状況にある人が少なくない気がしています。その中で、鍛えれば鍛えるほど結果が出るフィットネスや筋トレに傾倒する人が多くなっているのではないでしょうか。
小原:効果や結果が目に見えるということは一つのポイントですね。ファッションにしても身に着けることでまったく違う自分になれたり、スキンケアにしても続けるうちに肌に潤いが感じられるようになる。自分の変化に気づくことで初めて価値を見出す、というのがこの世代の特徴かもしれません。また、40代くらいの男性というとアウトドアというキーワードも必ずと言っていいほど出てきますね。
浅尾:アウトドアという話では、公園内に「タニタカフェ」を出店する予定があり、ピクニックセットなどテイクアウト用のメニューを開発するとともに、公園で遊べる遊具の貸し出しも検討しています。こうした店舗ではファミリー向けのアプローチに力を入れており、お子様向けのメニューや食育につながる塗り絵などを用意するとともに、親御さんに対しては「食」と「運動」という観点から健康増進を促していきたいと考えています。