令和時代のサービス最前線
—Part1—
CASE❶ 株式会社キーザンキーザン
ユーザーの「衣」のパートナーとして生活の負荷を軽減するレンタルサービス
ユーザーの年齢、体型、属性からスタイリストが考えたコーディネートを毎月レンタルできる月額制サービス「leeap(リープ)」。生活における「衣」の負荷を担うパートナーになることを掲げ、LINEなどのコミュニケーションを通じてユーザー一人ひとりと親密な関係性を構築するサービスとして会員数を伸ばしている。同サービスを運営する株式会社キーザンキーザン 取締役COOの大堂氏に話を聞いた。
男性向けの月額制レンタルサービス
当社は以前に、ファッション感度が高い女性たちが古着をコーディネートし、オンラインで販売するというサービスを展開していたのですが、コーディネートを考える女性たちの間で、女性よりも男性の方がファッションに困っている人が多いのではないかという話が上がっていました。これが発端となり、ファッションに苦手意識があったり、生活における「衣」の優先順位が低い男性のためにコーディネートを考え、洋服をお届けするレンタルサービス「leeap」をスタートしました。
このサービスで我々が目指しているのは、ユーザーの「衣」のパートナーになることです。たとえファッションに興味があっても、仕事や家族などを優先し、洋服を選んだり買いに行ったりする時間がないという男性も少なくない中で、日々の生活における「衣」の負荷を継続的に担うための最適な形を考えた結果、月額制のレンタルサービスに行き着きました。
人と人とのつながりをつくりたい
「leeap」では、LINEを通じてスタイリストが利用シーンや体型、お好みのファッションなどをお聞きし、それをもとに最適なコーディネートをお届けしています。一人ずつ接客をしてコーディネートをつくることは、ビジネスとして考えると決して効率的ではありませんが、ユーザー一人ひとりの「衣」の課題を解決することで、「衣」のパートナーになるという目的を達成したいと考えています。
実際に、家族旅行のためのコーディネートを希望された方が、返送用のダンボールにお土産を同封してくださったり、奥様が旦那様に内緒で会員登録され、今ではご夫婦で「leeap」のサービスを楽しみにしてくださるようになり、一緒に外出される機会も増えたといううれしい反応も多く見られます。サービスを通じて日々の生活により良い変化を与えたり、人とのつながりをつくっていくことが我々の目指しているところであり、これらは合理化、効率化だけでは生み出せない価値だと考えています。
ユーザーの快適な体験を大切に
サービス開始当初は、IT業界関係者などいわゆるアーリーアダプターのご利用が多かったのですが、ここ2年ほどは一般職の会社員や公務員、学生などの会員が増えており、サブスクリプションやシェアリングといったサービスの浸透とともに、洋服は購入して着るものだという価値観が少しずつ変わってきているように感じています。
今後も我々は、生活における「衣」の負荷をさらに軽減していくためにサービスを改善していくつもりです。その一環として、LINEのボット開発なども進めていますが、効率化を目的にすべてを自動化するのではなく、あくまでもユーザーの快適な体験、負荷の軽減といった観点を大切にしています。今後はアパレルメーカーとの連携なども強化しながら、現在カバーしきれていない、さまざまな「衣」の課題解決にも取り組んでいきたいと考えています。