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社名変更で“ゼロからのブランディング”を実践

「新たな方向へ、みんなで考え、みんなでつくる」

フクシマガリレイ株式会社 専務取締役 福島 豪氏
フクシマガリレイ株式会社 専務取締役
福島 豪

毎回、リレー形式で経営者にご登場いただいていますが、今回は株式会社ジャパネットホールディングス 髙田旭人代表取締役社長 兼 CEOからのバトンです。

髙田さんとは、若手経営者のネットワークで知り合って以来、勉強会などでご一緒させていただくなど、公私ともに親しくさせていただいています。その経営手法には学ぶべきことが多く、素晴らしい経営者のお一人として目が離せません。

2019年12月3日に「福島工業」から「フクシマガリレイ」に社名を変更されました。その狙いをお聞かせください。

弊社は1951年の創業以来、業界初の業務用規格冷蔵庫の開発・量産をはじめ、冷蔵・冷凍技術を核とした多彩な製品を開発し、フード機器の専門メーカーとして「食」のインフラを支えてきました。

近年、グループ経営にシフトする中で、食品の急速冷却・凍結装置「トンネルフリーザー®」のパイオニア企業や、スーパーなどのバックヤードを支える断熱パネルを製造する企業がグループに加わり、川上から川下まで「食」に関する事業フィールドが広がりつつあります。そこで、グループの強みを結集し、トータルソリューションとしてお客様にシナジーを提供するためにも、グループとしてのブランドをゼロからつくり上げる必要があると考えました。各部門から社員を募ってプロジェクトを発足し、そこで話し合う中で、思い切って社名を変更することで今後の旗印にしたいと考えたのです。

天文学者のガリレオ・ガリレイにちなんだインパクトのある社名には、どんな想いがあるのでしょう。

ガリレオ・ガリレイは天動説が当たり前だった時代に地動説を唱え、固定観念にとらわれない発想と強い信念でそれを貫き通しました。それは、当グループがこれまで培ってきた技術や実績をベースに、それらをリスペクトしながら、新たな発想で挑戦し続けるという私たちの今後の在り方を示しています。そこでグループブランドを「ガリレイ」に統一。新しい旗印の下にグループが結束し、永続的に挑戦、発展し続けるという想いを込めました。また、ブランドメッセージである「Be cool, Be alive.」では、冷やす技術で食の鮮度はもちろん、食を通して健康へ貢献することを表現し、「食と命の未来を拓く」という新たな方向性を示しました。ちなみに、当社の冷やす技術は、薬品保冷庫など医薬分野にも貢献しており、今後の注力分野の一つです。

新社屋も完成し、そこではグループの新しい方向を形にされています。

新社屋の1階には最先端の技術を体験する空間を、2階はベンチャー企業がオフィスを構えるイノベーション拠点を設け、8階には日本一を目指す社員食堂をつくるなど、それらの階を人や技術が自由に交流できるオープンイノベーション拠点「MILAB(ミラボ)」としています。こうした取り組みは、当グループがメーカーとしてだけでなく、「食と命の未来」のために新しい価値を生み出していきたいという想いを形にしていると言っていいでしょう。すでに、店舗・食品・設備・物流などの各企業がオープンイノベーションにより技術や経験を融合させ、AIを活用したスマートストアをつくるプロジェクトに参画するなど、AIファシリティ企業としても歩み始めました。

2020年は、私たちにとって「ガリレイ元年」です。今後は、全社員参加型のブランド浸透プロジェクトを毎年開催し、みんなで考え、みんなで実行する。そんな「みんなでつくる」ガリレイグループにしていきたいと考えています。

フクシマガリレイ株式会社新社屋1階の「MILABストア」
新社屋1階の「MILABストア」。最新のショーケースを配し、次世代の店舗システムの検証を行っている。
新社屋2階にある「MILABサロン」
新社屋2階にある「MILABサロン」は、オフィス入居者やガリレイグループ社員との交流の場に。