コロナ禍で進むファッション業界のデジタル化
[出席者] *社名50音順 | 株式会社トータルパッケージ 「MAGIC STICK」 Domestic Sales / Store Manager | 渡部 陸氏 |
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ブルーミング中西株式会社 ホールセール事業部 東日本第2部 部長 | 植木鋭治氏 | |
株式会社レリアン 企画部門キャラオクルス企画部 副部長 | 細川立子氏 | |
JOOR, Inc.(出向)Business Development Manager | 森本匡史 | |
[司 会] | 伊藤忠商事株式会社 繊維デジタル戦略室長 | 浅沼孝信 |
新型コロナウイルスの感染拡大により、さまざまな職場や業界でデジタルトランスフォーメーション(DX)が進んでいる。これまで、独自の商慣習やサプライチェーンの多重化などによってDXが難しいとされてきたファッション業界においても、 昨今のコロナ禍を受けて展示会やファッションショーのオンライン化をはじめ、生産、流通、販売などさまざまなフェーズにおいてデジタル化が加速しようとしている。 本号では、さまざまなツールを活用しながら業務のデジタライゼーションを推し進める各社担当者の座談会を通じて、コロナ禍で改めて顕在化した業界の課題や、今後求められるファッション企業の姿勢などについて考える。
伊藤忠商事株式会社 繊維デジタル戦略室長 浅沼孝信(以下、浅沼):私が室長を務める伊藤忠商事 繊維デジタル戦略室は、繊維カンパニーのデジタル化を推進するために7月に設立されたプレジデントの直轄組織です。私は6月まで、ファッションブランドの輸入販売などを行うコロネット株式会社の社長を務めており、コロナ禍におけるデジタル化の重要性を痛感しました。本日はこのデジタル化をテーマにお話ししたく、業界のみなさまにお集まりいただきました。まずは自己紹介を兼ねて、各社の事業についてお話しください。
ブルーミング中西株式会社 ホールセール事業部 東日本第2部 部長 植木鋭治 氏(以下、植木):ブルーミング中西では、ハンカチーフやテーブルクロスなどの繊維製品の企画・販売を行っており、全国の百貨店や専門店、チェーンストア、コンビニエンスストアなどが主な取引先になります。現在私は、ホールセール事業部 東日本第2部の部長を務めており、専門店やバラエティショップ、コンビニエンスストア、ドラッグストア、ホームセンターなどへの卸を担当しています。
株式会社レリアン 企画部門キャラオクルス企画部 副部長 細川立子 氏(以下、細川):婦人服の企画・販売を行うレリアンは、現在「レリアン」、「ネミカ」、「キャラオクルス」、「アン レクレ」、「ランバン コレクション」、「ランバン オン ブルー」などのブランドを展開しています。販路は百貨店を中心に、ファッションビル、路面店、ECにも展開しています。私は販売職として入社した後、人事部を経て、20年ほど営業部で働いてきました。今年の3月にキャラオクルス企画部に異動となり、現在は副部長としてMD業務に従事しています。
株式会社トータルパッケージ 「MAGIC STICK」 Domestic Sales / Store Manager 渡部 陸 氏(以下、渡部):我々トータルパッケージは、「MAGIC STICK(マジックスティック)」というメンズアパレルブランドの企画・販売を行っている会社です。「MAGIC STICK」は2011年にデザイナーの今野直隆によって設立され、現在は東京・原宿にあるフラッグシップストアの他、国内外合わせて45店舗ほどの卸先があり、その中で私は主に国内のセールスを担当しています。
JOOR, Inc. (出向) Business Development Manager 森本匡史(以下、森本):「JOOR(ジョア)」は、アメリカに本社を置く世界最大級のB2Bマーケットプレイスです。ファッションブランドの受発注業務の効率化、ブランドと小売店のマッチングなどを行う「JOOR」には、欧米を中心にすでに8,600以上のブランド、およそ20万の小売店が登録しています。私は昨年度まで、伊藤忠商事のブランドマーケティング第三部でJOOR社への出資案件を担当しており、2019年6月にニューヨークに駐在し、「JOOR」の日本市場展開や新規事業開拓などの業務にあたっています。