コロナ禍で進むファッション業界のデジタル化
Afterコロナ時代を見据えた展望

森本匡史
JOOR, Inc.(出向)Business Development Manager
決済や物流面でも利便性の高いシステムを構築する(森本)
浅沼:最後に、Afterコロナ時代を見据えた今後の展望や意気込みなどをお聞かせください。
植木:ピンチはチャンスでもあります。コロナ禍による消費者のニーズの変化に応じて、弊社からの発信も変えていく必要があると思っています。また、デジタル化により、リモートで複数のお取引先にも提案が可能ですし、例えばSNSを活用すれば、対面の商談よりも正確かつスピーディに不特定多数に発信ができます。既存のお取引先様への対応はもちろんですが、「JOOR」の導入を契機に、今後はデジタル技術を活用して、新規のお取引先様にもアプローチしていきたいと考えています。
細川:弊社の顧客には60、70代の方も多くいらっしゃいますが、日頃からスマートフォンを使い、オンラインでの買い物を楽しまれている方も少なくありません。我々も遅れをとらないように、デジタルツールを活用した接客などさまざまなチャネルを用意し、お客様にご満足いただくとともに、新たな感動を提供できるような取り組みをしていきたいと考えています。また、本日非常に希望のあるお話を伺うことができた海外進出についても、しっかり実現させていきたいですね。
渡部:まずは、「JOOR」が備える360度画像や「JOOR PASSPORT」などの機能を使いこなしたいですね。「MAGIC STICK」にはデジタルネイティブな若年層のお客様も多く、今後は、アパレル業界ではまだ一般的ではないVRなどを利用した発信方法にも挑戦していきたいと思います。対面での接客は今後も大切ではありますが、デジタルでもわかりやすく、格好よく、クリエイティブな見せ方を追求することで、お客様とのコミュニケーションを図っていきたいと思います。
森本:これまでも「JOOR」では、世界各国のブランドや小売店のニーズに合わせ、サービスの改良を続けてきました。今後は日本市場においても、戦略パートナーの伊藤忠商事とともに先に話した生地B2Bのデジタル化のみならず、決済や物流面においても利便性の高いシステムを構築していきたいと考えています。また、国内市場が縮小する中、海外に販路を求める日本ブランドも増えていますので、この辺りもしっかりサポートしていきたいですね。
浅沼:本日お話を伺う中で、皆様がお客様視点で真摯にデジタル化の取り組みを進められていることがよくわかりましたし、自ら革新を促していく姿勢が大切なのだと感じました。コロナ禍において今後も困難な状況が続くことが予想されますが、こうした時期だからこそ苦難を乗り越えていくための挑戦が企業には求められますし、デジタル化に向けた価値のある投資をしていくことが未来につながるのだと思います。本日はありがとうございました。

