若い消費者の心をくすぐる「韓流」の秘密

座談会 [出席者]
*社名50音順
株式会社アイスタイル @cosme リサーチプランナー 西原羽衣子氏 原田彩子氏
株式会社ZOZOテクノロジーズ WEAR プロダクトマネージャー 齋藤春奈氏
[司 会] 伊藤忠ファッションシステム株式会社 ナレッジ開発室 室長 小原直花氏
COLUMN ラジオDJ/テレビVJ K-POP評論家 韓国大衆文化ジャーナリスト 韓国観光名誉広報大使 古家正亨氏

新型コロナウイルスの感染が拡大した2020年、『愛の不時着』や『梨泰院クラス』などの韓国ドラマが大ヒットを記録した。2003年の『冬のソナタ』に端を発する韓流ブームはさまざまな形で広がり、現在は「第4次韓流ブーム」ともいわれている。韓国ドラマやK-POPなどのエンターテインメントコンテンツに加え、近年はファッション、ビューティ、グルメなどにも興味の対象が広がり、特に10代、20代の消費者にとって「韓国」は最新トレンドの一つであり、憧れの対象にもなっている。本号では、韓国のファッションやビューティ、エンターテインメント業界の消費動向に詳しい関係者の座談会や取材を通して、韓流ブームの秘密とその背後にある消費喚起のヒントを探る。

ファッション・コスメ市場の調査・分析と情報を発信

西原羽衣子氏、原田彩子氏、齋藤春奈氏、小原直花氏

上左/西原羽衣子氏、上右/原田彩子氏、下左/齋藤春奈氏、下右/小原直花氏

韓国のファッションやビューティに関心が高いインスタ世代

伊藤忠ファッションシステム株式会社(ifs)ナレッジ開発室 室長 小原直花氏(以下、小原):私が室長を務めるナレッジ開発室では、20代から70代までの生活者の価値観や消費行動の変化を追っているのですが、今回のテーマである「韓流ブーム」の受け止め方は世代によって異なります。私は、2003年に放映された『冬のソナタ』から始まる第1次ブームの世代ですが、今の30歳前後の生活者にとっての韓流ブームは、ドラマやK-POPなどのエンターテインメントコンテンツのみならず、美容や食などの領域も含まれ、さらに10代、20代に関しては対象がファッションなどにも広がっている印象があります。第4次韓流ブーム?ともいわれる中、本日は主にファッションとビューティ領域における韓流人気の背景について、改めてお伺いしたいと思います。まずは、各社の事業概要や皆様の業務内容についてご紹介ください。

株式会社アイスタイル @cosme リサーチプランナー 西原羽衣子氏(以下、西原):当社は、美容系の総合サイト「@cosme(アットコスメ)」を運営していますが、私たちはリサーチプランナーとして、ユーザーの消費分析や、生活者へのインタビューなどを通じて、美容分野における生活者のニーズの調査・分析を主な仕事としています。

株式会社アイスタイル @cosme リサーチプランナー 原田彩子氏(以下、原田):同じくリサーチプランナーを務める原田です。私たちが行っている調査・分析は、クライアント企業からの依頼を受けて行われるケースが多いのですが、同時に「@cosme for BUSINESS」という化粧品マーケティングに特化した企業向けサイト内のコラム執筆、社内外のセミナーやイベントなどを通じた情報発信などにも取り組んでいます。

株式会社ZOZOテクノロジーズ WEAR プロダクトマネージャー 齋藤春奈氏(以下、齋藤):現在、私はファッションコーディネートアプリ「WEAR(ウェア)」のプロダクトマネージャーとして、サービスの機能リリースや企画に携わっています。また、個人的にも関心を持っている韓国のファッションやカルチャーの調査なども行っていて、社内オウンドメディアである「ZOZO FashionTechNews」をはじめ、「MarkeZine」など各種媒体に寄稿しています。

韓国のファッションやビューティに関心が高いインスタ世代
西原羽衣子氏、原田彩子氏、齋藤春奈氏、小原直花氏

上左/西原羽衣子氏、上右/原田彩子氏、下左/齋藤春奈氏、下右/小原直花氏

株式会社ZOZOのファッションコーディネートアプリ「WEAR」
株式会社ZOZOの「WEAR」は日本最大級のファッションコーディネートアプリ。ZOZOTOWNと連携されているアイテムはそのまま購入も可能だ。
クチコミ件数1,600万件以上にのぼる「@cosme」の公式アプリ
クチコミ件数1,600万件以上にのぼる「@cosme」の公式アプリでは、購入はもちろん、美容の最新トレンドもチェックできる。