Managemant Eye

「ビジネスエコシステム」でイノベーションを創出

「DNAを伝え、磨きをかけることで持続可能な社会に貢献」

日本ユニシス株式会社 代表取締役 専務執行役員 CMO・CSO・CCO 齊藤 昇氏
日本ユニシス株式会社 代表取締役 専務執行役員 CMO・CSO・CCO
齊藤 昇

リレー形式のこの企画、今回は株式会社ユーグレナの代表取締役社長 出雲 充氏からバトンが渡されました。

出雲さんとは2014年以来の長いお付き合いです。現在は経団連スタートアップ委員会活動において出雲さんとよく話をします。ユーグレナで世界の子どもを救い、さらにはジェット機を飛ばすというその想いには大変感動しました。日本が競争力を取り戻すには、起業家精神がより必要になると考えていますので、これからも出雲さんと志を一つにして委員会の活動を続けていきたいですね。

御社でも、積極的にスタートアップをサポートされています。

日本ユニシスグループは、もともと米国ユニシスのメインフレームを国内のお客様に導入していましたが、日本で最も早く銀行勘定系システムをオープン化した歴史があります。その際、自社製品にこだわらず、お客様に最適なハードウェアやソフトウェアを組み合わせて提供するマインドが生まれました。このDNAが現在においても生かされており、山積する社会課題を前に、1社単独ではなく、さまざまな企業、とりわけ社会課題に対する意識が高いスタートアップとの連携で「ビジネスエコシステム」を創り、その解決に向けて取り組んでいるわけです。スタートアップとの連携によるイノベーション創出を加速するためにCVC(コーポレートベンチャーキャピタル)を設立し、多彩なアクセラレーションプログラムにも参加しています。

注力されている「ビジネスエコシステム」について、お聞かせください。

持続可能な社会システムを構築するには、企業が技術や強みを生かして連携し、共存・共栄する、いわばビジネス上の生態系ともいえる社会の連携、「ビジネスエコシステム」を創っていかなくてはなりません。幸い、当社にはこれまで培ってきた多様な企業とのネットワークがありますので、ICTというデジタルテクノロジー分野の知見を活用して企業をつなぐ革新的なサービスを提供することで、「ビジネスエコシステム」を構築し、社会課題解決に貢献していきたいと考えています。

人財育成の一環として「モーニングチャレンジ」という朝活を続けられているそうですね。

現在のコロナ禍で、多くの企業が変革を余儀なくされています。先ほど申し上げたように、当社も、いち早くオープン系に舵を切ったことで大変な苦労を重ねながら歩んできました。その中で学んだのは、激変する環境に応じて自らを変化させ、新しいイノベーションを創ることができるかどうかが生き残りの条件になるということです。人財育成の面では、投資先である国内外のVCに社員を出向させ、実際に経験を通して学んでもらうということも進めています。また、イノベーティブな発想とマインドを醸成するために「モーニングチャレンジ」という毎月1回の朝会を始めました。

当社1階にあるカフェで、多彩な分野の起業家などをお招きして講演していただき、これを機会に社員同士の議論を深めたり、実際のビジネスの相談ができる場を提供したりするのが狙いです。マーケティング部の社員が根気よく開催してくれているお陰で、この3月で40回目を迎えました。コロナ禍ではオンラインで開催していますが、約700人の参加があり、日頃参加が難しい社員にも好評でした。火曜日の朝の開催ですので、ライバルは「NHKの朝ドラ」です(笑)。これまで培ってきた当社のDNAをグループ全体に浸透させ、持続可能な社会の実現に寄与していきたいと思います。

日本ユニシスのブランドブック
日本ユニシスのコーポレートステートメント「Foresight in sight」の世界観を視覚的に表現したブランドブック。
日本ユニシスグループのデジタルメディア「CU」
日本ユニシスグループのデジタルメディア「CU」。企業経営に対する新たな視点やデジタルの可能性を提案するとともに、「ビジネスエコシステム」による社会課題への取り組み事例などを紹介している。
2017年にスタートの「モーニングチャレンジ」
2017年にスタートした「モーニングチャレンジ」。役員も参加し、現在はオンラインで全国約700人が参加。