急伸するメンズビューティ市場

CASE❶ 資生堂ジャパン株式会社

世代を超えて高まるニーズに応え男性のメイクを日常的な営みに

時代とともに変わる男性の美意識に寄り添い、ヘアスタイリング剤や洗顔料をはじめ、スマートな大人の男性を演出する数々の商品をリリースしてきた資生堂。資生堂ジャパン株式会社の主幹メンズブランド「ウーノ」から2019年にリリースされ、幅広い世代から支持される人気商品となったのが、「ウーノ フェイスカラークリエイター」だ。同商品の開発背景や、ヒットの要因となった男性の美容意識などについて聞いた。

資生堂ジャパン株式会社 メンズ・ヘア・ボディマーケティング部 アシスタントブランドマネージャー 松尾慈幸氏

松尾慈幸

資生堂ジャパン株式会社 メンズ・ヘア・ボディマーケティング部 アシスタントブランドマネージャー

高まる男性の美容意識

資生堂では、爽やかな香りによって支持された1960年代のヘアリキッドから始まり、男性が「見た目の美しさ」を追求するようになった1980年代後半以降はムースやヘアワックス、アイブローキットの展開を開始するなど、男性の美意識の変遷に合わせて展開商品を拡充してきました。男性のスキンケア意識が高まり始めた2000年代以降には、肌トラブルにフォーカスしたスキンケア商品なども展開。その延長として、肌色補正効果、紫外線防止効果、スキンケア効果などの機能が一体になったBBクリーム「ウーノ フェイスカラークリエイター」を2019年にリリースしました。当時、すでに韓国では、身だしなみの一環としてメイクをする若い男性が増えており、日本においても韓国の男性アイドル、俳優に象徴される美しい男性像が受け入れられつつあるなど、メンズメイク領域の変化を感じたことが、商品開発の動機になりました。

想像を超えるメンズメイク需要

開発にあたって調査を重ねる中で、スキンケアをする男性が増えていることを再認識するとともに、商談やデートなど大事な場面を前に、日々のスキンケアでは隠しきれないクマやくすみに対して即効性がある対策を求めている方が一定数いることが見えてきました。一方で、肌に色をつけたり、メイクをすることに恥ずかしさを感じる方も多かったため、白いクリームが徐々に肌の色になじむようにしたり、「メイクをしている」と感じさせない自然な色味にこだわるなど、男性の心情に寄り添った開発を心がけました。

「ウーノ フェイスカラークリエイター」は発売当初、一部の小売店で限定発売すると品切れ寸前になるほど反響があり、我々の想像以上に「肌の印象をより良くしたい」という男性の要望があることを実感しました。一方で、肌の色を補正することに抵抗を感じる男性も多い中、商品の使い方や効果を実感していただくためのセミナーも積極的に開催し、ポジティブな反応を多く得ることができました。

自分の印象を良くしたいそんな期待に応える

当社では2018年頃から、「美ジネスマン改革」を掲げたスキンケアセミナーなどを企業向けに行ってきました。この背景には、「ウーノ」のメインターゲットである20~30代のビジネスマンの方たちに、毎朝の洗顔やひげ剃り、ヘアスタイリングと同じ身だしなみの一環として、スキンケアやメイクを捉えていただきたいという思いがあります。また、年齢を重ねた男性の間でも若々しい印象でいたいという声は多く、スキンケアやメイクのニーズは若者だけのものではないことを感じています。

スキンケアやメイク用品はヘアスタイリング剤などに比べると男性の使用率がまだまだ低く、伸びしろがある市場です。自分の印象をより良くしたいというご要望を持ちながら、その方法がわからないという悩みを抱える男性たちに対して貢献できることはたくさんあるはずですし、そのための取り組みに今後も力を入れていきたいと考えています。

男性版BBクリーム「ウーノ フェイスカラークリエイター」
発売以来、反響の大きい男性版BBクリーム「ウーノ フェイスカラークリエイター」。肌悩みに合わせて3種類から選べる。
商品サイト
商品サイトでは、YouTubeで使い方も詳しく紹介している。