若者世代を中心に広がる「オタク」消費の現在

[対談]長田麻衣 × 小原直花 Z世代に見る「ヲタ活」「推し活」の消費動向 ③

若者を惹きつける「推し活」の魅力

小原:「推し活」をしている人たちはどんなお金や時間の使い方をしているのですか。

長田:CDやコンサート会場で販売されるグッズなどにお金を使っています。CDやグッズの売上が「推し」の評価につながるところがあるので、中には一人で数百枚ものCDを購入し、周囲の友人にまるで布教するかのように配っているような人までいます。

小原:「ヲタ活」をしている人たちは、同じ対象を好きな仲間がいることによる自己肯定感や帰属意識なども感じているのではないかと思いますが、そうした横のつながりについてはいかがですか。

長田:SNSを活用して「ヲタ友」をつくる人は多いですね。「#◯◯ヲタさんと繋がりたい」などのハッシュタグを検索し、自分と趣味が合いそうな人にダイレクトメッセージを送り、コンサート会場で会うという話はよく聞きます。また、特に10代の人たちは日常的にInstagramなどのライブ配信を行っていて、そこから「ヲタ友」の輪が広がることもあるようです。

小原:単に誰かを応援するだけではなく、同じ「推し」を応援している人たちとの関係を構築していくことも、「ヲタ活」をしている人たちのモチベーションになっているのかもしれないですね。

長田:周りの人とつながっていることが「推し」への愛をより深めていくところがあり、「ヲタ友」同士のコミュニケーションも「ヲタ活」の魅力の一つになっています。ただ、これは主に女性の「ヲタ活」に見られる特徴で、男性の場合は「ヲタ活」をしていても、それをSNSに投稿するようなことは少なく、自分一人が楽しむ傾向が強いといえます。拡散志向が強い女性に対して、男性は深掘りをしていくところがあり、消費のモチベーションも少し異なるように感じています。

小原:「ヲタ活」「推し活」を続けていくためにはお金も時間も必要になりますよね。最近は自分の「好き」や「こだわり」には積極的に投資する一方で、無駄なものにはなるべく時間やお金を使いたくないと考え、メリハリのある消費をする人が増えてきていると感じるのですが、このあたりについてはいかがですか。

長田:例えば、自分の「推し」がCDをリリースするときにはバイトなどで貯金したお金を使って何枚も買う一方で、歩ける距離はできるだけ歩いたり、カフェに行っても食事は家でするなど、交通費や食費など自分の行動次第で節約できる部分を削っているという話はよく聞きます。一方、時間については節約をしたり無駄をなくすという感覚はあまりなく、例えば、「推し」の配信を見ながら他のことをするなど、同時に複数のことをする傾向が強いように思います。

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