自然回帰のライフスタイルとワークスタイル
CASE❶ 株式会社アーバンリサーチ
ニーズに応じた自然の体験を提供し新しいライフスタイルを発信する施設
株式会社アーバンリサーチが2019年にオープンした「TINY GARDEN(タイニーガーデン)蓼科」は、温泉やカフェ、ショップなどを併設した滞在型の宿泊施設だ。都心から約2時間半という好立地にある長野県・蓼科湖畔の豊かな環境の中で、自然とともに過ごすライフスタイルを提案し、コロナ禍以降はワーケーションの拠点などとしても注目を集めている同施設について取材した。

中馬剛仁氏
株式会社アーバンリサーチ 第二事業部 TINY GARDEN事業 ブランドディレクター
粟野龍亮氏
株式会社アーバンリサーチ 「TINY GARDEN 蓼科」店長 企画・地域コーディネーター
湖畔と日常の新しい過ごし方を提案
「TINY GARDEN 蓼科」は、キャンプ、ロッジ、キャビンの3タイプからなる宿泊施設に加え、リモートワークなどに使えるワークステーション、地元の方もご利用いただけるカフェ、オリジナルブランド「EKAL(エカル)」などを扱うショップを備えた施設です。当社が展開する「URBAN RESEARCH DOORS(アーバンリサーチドアーズ)」では、10周年を迎えた2013年より「TINY GARDEN FESTIVAL」というキャンプイベントを継続してきました。2019年までは群馬県のキャンプ場で開催していたのですが、イベントで提供してきたものを通年で体験していただける施設をつくりたいとの思いから、「TINY GARDEN 蓼科」をオープンすることになりました。
「湖畔と日常の新しい過ごし方」の提案を掲げている当施設では、お客様に豊かな自然の中での非日常の体験と、カフェやショッピングなど日常の体験をストレスなく行き来できる場所にすることを目指しています。
コロナ禍で広がった施設のニーズ
当施設は30代後半から40代のファミリー層を中心に、多様なお客様にご利用いただいており、自然の中でゆっくりキャンプを楽しまれたり、八ヶ岳登山の拠点としてお使いいただくなど用途もさまざまです。
オープンから約半年後に国内で新型コロナウイルス感染症が拡大し、予約の大半がキャンセルとなってしまった時期もありましたが、行動が制限されたことによるキャンプ需要の高まりやリモートワークの浸透などによって、施設でのお客様の過ごし方は多様化しました。コロナ禍以降は3泊以上の長期滞在をされる方も多く、ワーケーションや企業研修の拠点として使われるケースも増えています。コロナ禍の厳しい日常の中で、人々が本質的に求めるものがここにはあるのだと思いますし、施設の役割も広がっていると感じています。
施設と商品の両輪で伝える豊かな暮らし
施設と同様に「湖畔と日常の新しい過ごし方」を提案するオリジナルブランド「EKAL」は、湖畔のみならず、ご自宅の庭や近くの公園などでもお使いいただける商品を展開しており、全国の「URBAN RESEARCH DOORS」やECサイトなどでも販売しています。今後は、「EKAL」を通じて「TINY GARDEN 蓼科」の魅力を伝えていくとともに、逆に施設で「EKAL」を知っていただき、最寄りのお店でも手に取っていただけるような状況をつくっていきたいと考えています。
当社は、時代のニーズに合わせてさまざまな商品を展開してきましたが、単に「モノを提案する」だけではなく、「どんなシーンで使っていただきたいのか」という出口の部分までしっかり示すことが大切だと考えています。その一つの形が「TINY GARDEN 蓼科」と「EKAL」の事業であり、これからも自然の中で五感を開き、毎日を豊かに過ごすライフスタイルを提案していきたいと思います。


