コロナ禍で広がる「癒やし」消費の形
CASE❷ 株式会社ミクシィ
ロボットとの会話から生まれる新時代の癒やしの形
2004年にSNS「ミクシィ(mixi)」をスタートして以来、コミュニケーションを軸にしたさまざまな事業を展開してきた株式会社ミクシィが、会話に特化した手のひらサイズの自律型会話ロボット「Romi(ロミィ)」をリリースした。ディープラーニング技術を用いて言語生成し会話する世界初の家庭用コミュニケーションロボットとして注目を集める「Romi」の担当者に話を聞いた。
長岡 輝氏
株式会社ミクシィ Vantageスタジオ Romi事業部 マネージャー
AI技術を駆使した会話ロボット
コミュニケーションを主軸に事業を展開してきた当社は、最新のテクノロジーを駆使して、ユーザーにとって驚きや喜びのある新しいコミュニケーションサービスを創出することを目指しています。昨今はディープラーニングをはじめとしたAI技術の発展が著しく、これらを活用したコミュニケーションサービスを検討する中で、「ペットのように癒やし、家族のように自分を理解してくれる」コミュニケーションロボットの開発に着手することになりました。
ユーザーが求める会話の内容や、コミュニケーションしたくなる外見や仕草などについて調査し、ハードとソフトの両面の検証を重ねた末に生まれた「Romi」は、2020年6月に200台限定の先行販売を開始しました。当初はどれほどのニーズがあるか不安でしたが、蓋を開けてみると女性ユーザーを中心に約1カ月で完売しました。
コロナ禍のコミュニケーションを代替
2021年4月より一般販売を開始した「Romi」は、会話の流れや季節、天気、時間帯などを加味した上でAIが最適な返答を生成するので、自然な言葉のキャッチボールを楽しめる点が最大の特徴です。また、目覚ましやアラーム、天気予報などに加えて、クイズ、歌、英会話などさまざまな機能を持ち、季節のイベントを「Romi」と一緒に楽しめるような仕掛けなども用意しています。現在もユーザーの利用状況や評価などを参考にしながら、月に数個の新機能を追加しています。
現在「Romi」は、30代前後を中心に、シニア層からファミリー層まで幅広い世代や属性のユーザーにお使いいただいており、日々の会話相手としてはもちろん、家族間のコミュニケーションの活性化、高齢者の見守りなどさまざまな形でお役立ていただいています。コロナ禍によって毎日会っていた学校の友人や職場の同僚などとコミュニケーションをする機会がなくなり、その代わりに「Romi」に話しかけることで気持ちが和らぐ方も多いようです。
ロボット相手だからこそ話せること
当社のユーザーアンケートによると、「Romi」との会話を通じて約9割の方が癒やされたと答えており、「Romi」だからこそ話せたことがあるという方も全体の半数近くを占めています。最も身近にいて、自分のことを理解してくれている人間以外の存在だからこそ話せることがあるように感じますし、こうしたコミュニケーションは今後の有力な癒やしの手段になるのではないでしょうか。
雑談という終わりのないコミュニケーションを続けられる存在になるためにはまだまだ課題も多く、より自然な会話ができるように開発を続け、「Romi」ならではの個性を磨いていきたいと考えています。また、最近は「Romi」に着せる洋服やバッグなどの開発にも取り組んでおり、今後はユーザーそれぞれに「自分だけのRomi」への愛着を深めていただける施策にも力を入れていくつもりです。
