コロナ禍の経験を生かした新たな成長へ
INTERVIEW ❶
イニシアティブをとって潮流を本流に潮流を本流に
中西英雄
伊藤忠商事株式会社 ファッションアパレル部門長
筋肉質経営と消費者意識の変化
2021年は引き続き新型コロナウイルスによる市況の低迷はあったものの、前年度に主要事業会社で大幅な構造改革を断行し、筋肉質な経営を徹底したことで、その成果が表れてきています。特に、コロナ禍にあってもスポーツ関連の需要は好調を維持しており、主に日本事業における収益改善が進むデサントや、中国内販が好調な伊藤忠繊維貿易(中国)(ITS)などが堅調に推移したことも成果へつながったといえるでしょう。
コロナ禍の2年間では良い変化もありました。その一つが、消費者意識が確実に「SDGs」へ向かっていることです。当社が中期経営計画の基本方針に掲げる「マーケットインによる事業変革」と「SDGsへの貢献・取り組み強化」が、そうした意識の変化とリンクし始めたことは、ファッションアパレル部門が展開するサステナブル素材にとって、まさに追い風になっています。
サステナブル素材で攻勢をかける
今後の戦略は、サステナブル素材を起点に製品までのバリューチェーンを一層強化し、そのイニシアティブをとっていくことにあります。中核素材である、繊維由来の再生ポリエステル「レニュー(RENU)」では、すでに50以上のブランドや企業に採用されるなど手応えを感じています。30年来手掛けているインドのオーガニックコットンは、マーケットのニーズに対応すべく、トレーサビリティの管理ができる独自の仕組みを構築中です。フィンランドのメッツァ・グループと共同開発した針葉樹由来の革新的セルロース繊維「クウラ(Kuura)」は、欧州ラグジュアリーブランドから戦略的に仕掛けていく予定です。
欧米では、サステナブル素材の使用は当然で、製造工程においても国際基準の認証を取得することが求められており、近い将来、日本、そして中国やアジアでも同様の動きになるはずです。この潮流の波に乗り、やがては自らが本流をつくる勢いで、2022年は攻めの姿勢に転じていきたいと考えています。
