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品質を支える「TEAM J-TREC」の一体感

「縦と横のコミュニケーションを大切に」

株式会社総合車両製作所 代表取締役社長 西山隆雄氏
株式会社総合車両製作所 代表取締役社長
西山隆雄

この企画はリレー形式で展開していますが、今回は東急株式会社の取締役 専務執行役員を務める星野俊幸氏からのバトンとなりました。

星野さんとは10年以上前に社外研修でお会いして以来のお付き合いです。ゴルフなどプライベートでの交流を楽しむだけでなく、星野さんは人的ネットワークも豊富な方なので、仕事でもいろいろな場面でお世話になっています。

主力製品であるステンレス車両ブランド「sustina(サスティナ)」についてお聞かせください。

当社の前身は日本のステンレス車両メーカーのパイオニアである東急車輛製造株式会社で、2012年4月に現在の株式会社総合車両製作所が発足して以来、JR東日本グループの鉄道車両メーカーとして歩んできました。「sustina」は12年以降に約1,800両が製造され、JR東日本以外にも東急電鉄や京王電鉄、東京都交通局などにも納入されています。ステンレス車両は耐蝕性や耐火性に優れ、軽量化と強度を両立し、いつまでも表面が美しいことも特徴です。さらに車体構造や車両システムの最適化、共通プラットフォーム化により、設計や製造のコスト削減を実現しています。

車両製造というモノづくりについてはいかがでしょうか。

車両という大型製品でありながら製造工程の多くが手作業によるもので、熟練した技術者の勘と技が生きています。例えば、溶接では、溶け込み方や表面仕上げが非常に重要で、技術者のこだわりがあり、塗装では、光が当たってもムラが出ないよう、実際に手で触って微妙なムラを確かめながら何度も下塗りをするなど、丁寧な作業が行われています。つまり車両の見えない細部に至るまで美しく仕上げることが、強度や耐久性といった品質の高さにつながり、それがメンテナンスコストの削減にもつながっているのです。こうしたモノづくりを行う上で欠かせないのが、部門間の協力です。当社では設計から製造、検査の各部門から、部品などを手掛ける協力会社までを「TEAM J-TREC(チーム ジェイトレック)」と称し、人的交流を積極的に行うなどコミュニケーションを活性化して、チームの一体感を大切にしています。

海外戦略と国内戦略についてお聞かせください。

2016年にタイ・バンコクで開業した都市鉄道パープルラインに「sustina」を納入し、故障率の低さから現地での評価が高く、今後の海外戦略の貴重な礎となっています。現在は、フィリピン・マニラに新設される南北通勤鉄道向けに第一編成の車両を納入したところです。

一方国内では、今後の少子高齢化の影響で、車両のワンマン化や無人運転化などが進むと考えられ、特に安全面で対応していく必要があります。鉄道事業は線路や架線、信号機といった地上設備にかかるコストが大きいので、それらを少しでも軽減するため、JR東日本が進める、水素を燃料とする燃料電池ハイブリッド車両「HYBARI(ひばり)」の製造に携わっており、現在、鶴見地区で実証実験が行われています。これにより、CO₂削減など、地球環境保護にも貢献していきたいです。

マネジメントを行う上で大切にされていることはどんなことでしょうか。

やはり、コミュニケーションですね。社員同士の横方向だけではなく、社員と経営陣という縦方向の対話もとても重要です。製造業では、問題のほとんどは現場で起きています。問題の重要度を判断し、適切な対応を迅速に取るのが経営陣の役割です。日頃から現場の課題を拾い上げられるよう、社員と気軽に議論できる場を設け、風通しの良い風土づくりに努めています。「TEAM J-TREC」の一体感が品質を支える大きな力ですから、その力をより磨き上げるためにこれからも尽力したいですね。

ステンレス車両ブランド「sustina(サスティナ)」
共通プラットフォームによる量産効果で、品質に優れ、コストも低減できる「sustina」は、数多くの鉄道会社の通勤車両として採用されている。(写真は山手線E235系)
「TEAM J-TREC(チーム ジェイトレック)」
「TEAM J-TREC」が連携して車両を製造。チームプレーのサイクルを繰り返し回すことで効率的な生産を実現している。