「シニア」とは呼ばせない! これからのリタイア世代を掴め
CASE❷ 株式会社ユーキャン
第二の人生に豊かさを与える体系的な「学び」の機会と「楽しさ」を提供
人生100年時代といわれる中、これからのリタイア世代にとって第二の人生は、余生を悠々自適に過ごすだけのものではなくなっている。その中で注目されているのが、人生の新しいステージを充実させるための「学び」の機会だ。「生涯学習」を掲げ、多彩な通信教育講座を提供する株式会社ユーキャンで、大人世代向けの講座開発を行っている担当者に、これからのリタイア世代の「学び」事情を聞いた。
野田明子氏
株式会社ユーキャン 開発部 大人学び開発課
新しい大人世代のニーズを満たす講座開発
「学ぶよろこびをあなたに」をモットーとする当社では、いくつになっても「学び」には楽しみや喜びがあり、生きる活力になるという考えのもと、「生涯学習」を掲げてきました。現在は150前後の通信教育講座を運営し、「医療事務」や「宅建士(宅地建物取引士)」などの資格系から、「実用ボールペン字」や楽器、絵画などの趣味実用系まで多岐にわたる講座を提供しています。
団塊の世代が定年を迎えた頃、大人世代のニーズを満たす講座の開発をミッションにした「大人学び開発課」が設置され、およそ8年の間に30前後の講座を開講してきました。反響が大きかったのは「終活アドバイザー」で、60代~70代以降の当事者だけでなく、親世代の老後の課題を抱える40代~50代まで幅広い年代の方々に学んでいただいています。また、ウクレレやピアノなどの音楽講座も人生をより豊かにするものとして大人世代から人気です。
人気上位を占める生活密着型の資格講座
心身ともに元気で、まだまだ人生を楽しみたいという欲求が強い60歳前後の世代には、「定年」、「リタイア」といった概念がなくなりつつあります。それとともに、何らかの手段で収入を得続けたいという欲求が切実なものになっています。その中で、自分が好きなこと、得意なこと、やってきたことなどを振り返り、第二の人生に生かそうとする機運が強くなっているように感じます。
人気ランキングを年代で比較すると、60歳前後の「ハナコ世代」には若い世代と同様に資格講座が人気です。きちんと学んだ経験から「自信」を得て新しい世界に踏み出したい意欲も感じられ、「体系的な学び」と知識が求められているといえます。また資格講座の中でも「整理収納アドバイザー」、「認知症介助士」など、生活密着型のお困り事を解決する講座が上位にくるのもこの年代の傾向です。
オンラインを活用した「学び」にも注力
現在の60歳前後の世代は感覚が若く、時代の変化にも敏感です。日頃からパソコンやスマートフォンを扱い、TwitterやLINEなどのSNSや電子マネーなども使える人が多いのが上の世代との大きな違いですが、それでもデジタルネイティブの若い世代とは感覚が異なることも事実です。そうした世代のデジタルリテラシーを高め、キャリアアップや「好き」を仕事につなげることをサポートする講座のシリーズ展開を検討しており、この春には「仕事で使えるエクセル入門」を開講する予定です。コロナ禍によってオンラインでの「学び」の選択肢は飛躍的に広がりましたが、今後はこの世代に向けてもスマートフォンのアプリなどを連携させた「学び」を充実させていきたいと考えています。
当社では、人生の第二ステージに向けて何かをやってみたいという気持ちが芽生えた際、最初に思い浮かべていただける存在になることを目指し、これからも「学び」の過程そのものに「楽しさ」や「喜び」が感じられるような教材を提供していきたいと考えています。
