パークイノベーション〜公園が変える地域・暮らし・ビジネス〜

【INTERVIEW】

オールエイジで「あそび」が生活の一部になる公園や場づくりを

「あそびから未来をかえる」というスローガンのもと、世界の「あそび道具」の提供から「あそび環境」の創造、メンテナンスまで、子どもの健やかな成長に寄与することを目指し、長年「あそび」を核とした事業活動に総合的に取り組んできた株式会社ボーネルンド。ここでは「あそび」の考え方や「あそび場の運営」などについて同社の取り組みや今後の展望などを取材した。

株式会社ボーネルンド 遊環境事業部 部長 美和竜秀氏

美和竜秀

株式会社ボーネルンド 遊環境事業部 部長

「あそび」は子どもの成長を促す

当社は1981年に、日本でも子どもの成長のために考えられた優れた遊具が必要であると考え、ヨーロッパの玩具を輸入販売することからスタートし、以来、「あそび」は子どもの健やかな成長に欠かせないと考えて事業を展開してきました。本来「あそび」とは、子ども自身の好奇心から自発的に始めるリアルな体験であり、想像力や創造性、気づきや理解、コミュニケーション能力などを育むことができる行為と考えています。

その考え方のもと、現在では「あそび」を核に3つの事業体制で取り組んでいます。「あそび環境づくり」では、保育園から医療施設まで約3万5,000件以上の施設に「あそび」ができる環境を提供。また、百貨店など全国に64店舗で世界15カ国から厳選した約100社の「あそび道具を販売」し、さらに有料の「あそび場の運営」も始めました。

3つの業態で「あそび場」を運営

中でも昨今は、「あそび場の運営」に注力しており、3つの業態で全国25カ所に展開しています。2004年に運営を開始した「キドキド(KID-O-KID)」は室内型のあそび場です。2015年には、「キドキド」に屋外遊び場を組み合わせた公園スタイルの「プレイヴィル(Playville)」と、6カ月~6歳の子どもが安全に遊べる屋内施設「トット・ガーデン(tot Garden)」の提供を開始しました。

こうした取り組みの背景には、1990年代後半から起こり始めた子どもの遊び場の減少や遊具の安全性への懸念、子どもの体力やコミュニケーション能力の低下などが問題視されるようになったことが挙げられます。特にここ10年は「時間・空間・仲間」という3つの「間」が失われつつあるといわれ、これらの課題を「あそび」を通じて解決し、子どもや親に貢献したいと考えたのが始まりです。

公園を核にオールエイジで

当社の活動においては、子どもの行動、運動能力、発達段階、事故事例の分析などを行い、子どもの「あそび」の可能性と安全性を最大限に追求しています。その中で、“あそびのプロ”である「プレイリーダー」が「あそび」の幅を広げ、親子をサポートしているのも当社の特徴の一つです。「プレイリーダー」は遊ぶ力を引き出したり、子ども同士や親子をつないだり、大きなケガに至らないよう未然に危険を回避したり、親子で安心して遊んでいただけるようお手伝いします。当社では自らこの「プレイリーダー」を育成しており、現在200人を超える人材を送り出しています。

当社の活動を通して、子どもにとっての「あそびの価値」についてご理解いただけるようになり、特に昨今では行政側にも、禁止事項が必要のない遊び場をつくろうと共に取り組んでいただけるようになりました。運動公園は、スポーツを楽しみ体力向上を目的にしており、当社も「あそび」と「スポーツ」を掛け合わせ、楽しく体を動かす機会を提供したいと、スポーツ団体との協業も進めているところです。公園を核とした地域的な取り組みは、シニア世代や子育てが終わった世代など多彩な人材を活用できるうえ世代間交流も育み、大人も共に健康になる可能性を秘めています。そんなオールエイジで「あそび」を生活の一部にできる公園や場づくり、コンテンツづくりを考えていきたいと思っています。

子どもが安全に遊べる屋内施設「トット・ガーデン」
室内型の遊び場「キドキド」
親子で心・頭・体の全部を使って思いきり遊べる室内型の「キドキド」。
「キドキド」に屋外遊び場を組み合わせた「プレイヴィル」
「キドキド」に屋外遊び場を組み合わせた「プレイヴィル」は、自然とも触れ合うことができ、子どもたちにも大人気。
子どもが安全に遊べる屋内施設「トット・ガーデン」
「トット・ガーデン」では、お母さんとのワークショップも開催。