ファッションを再定義する新時代のセレクトショップ
CASE❶ 株式会社アイディーランドカンパニー
明確なスタイルを一貫して発信し唯一無二のポジションを確立
2008年に東京・中目黒にオープンして以来、ベーシックで上質なリアルクローズを軸としたラインナップで20歳から30歳代を中心に支持されてきた「1LDK(ワンエルディーケー)」。時代を体現する新進ブランドを発掘する審美眼、リリース直後に完売することも少なくない別注アイテム、日常に寄り添う上質なオリジナルブランドによって、ファッション通から信頼を得ている「1LDK」PR担当者を取材した。

吉池 優氏
株式会社アイディーランドカンパニー 「1LDK」 PR担当
中目黒から新たなスタイルを提案
「1LDK」は、メンズアパレルのセレクトショップとして、2008年に東京・中目黒にオープンしました。当初から、「日常の中の非日常」をコンセプトに、ベーシックで上質なファッションを提案していましたが、こうしたスタイルは当時のトレンドとは一線を画すものでした。また、中目黒というエリアも現在ほど多くのショップがあったわけではなく、そうした場所から新しいスタイルを発信していたことも新鮮だったのではないかと思います。
現在は、メンズ商品のみを取り扱う旗艦店の「1LDK」と、レディス商品が7割ほどを占め、カフェも併設する「1LDK apartments.(ワンエルディーケー アパートメンツ)」をはじめ、東京・青山、京都、名古屋に店舗を展開し、それぞれのエリア特性に合わせて、店舗のコンセプトや雰囲気、商品のセレクトを変えています。
「1LDK」らしさを伝える商品構成
ブランドや商品の選定においては、既存の取り扱いブランドとの親和性や、新しいスタイルの提案という観点を意識しながら、「1LDK」らしいバランスを保てるものであることを基準にしています。最近では、アウトドアに対する世間の関心が高まる中、フィッシングからタウンユースにまで広く対応するブランド「DAIWA PIER39(ダイワピア39)」の発信を強化しており、別注アイテムのお問い合わせなども多くいただいています。同ブランドに限らず、別注アイテムの展開に取り組んでおり、それぞれのブランドの世界観を維持しながら、「1LDK」のエッセンスを加え、「ありそうでなかったもの」を形にしていくことを意識しています。
また、「UNIVERSAL PRODUCTS.(ユニバーサル プロダクツ)」をはじめとするハウスブランドについては、当社が仕入れているブランドには手が届かないという若いお客様にも、しっかりとしたコンセプトやクオリティを持たせることで、「1LDK」の雰囲気を感じていただけると考えています。
スタッフ一人ひとりのファンを増やす
コロナ禍によるオンラインへのシフトが進む中、当社もデジタル施策に力を入れていますが、同時にいかにお客様に店舗に足を運んでいただくかということが大きな課題になっています。国内のどこにいても、好きなブランドの洋服をECサイトで購入できる時代だからこそ、店舗に足を運んでいただくためにはスタッフのファンを増やしていくことが大切ですし、実際に特定のスタッフが目当てで来店されるお客様も少なくありません。そうした中で顧客管理のデジタル化を進め、お客様のデータをしっかりストックするなど、一人ひとりのお客様に寄り添った接客・提案を行うための環境を整えています。
以前はインバウンドのお客様も増えつつありましたが、コロナ禍前に戻ることはないと感じています。そのため、今後は国内ブランドや「1LDK」のハウスブランドを、オンラインを通じてアジアを中心とした海外に発信していくことにも力を入れていきたいと思います。

