Management Eye

デザインを主軸にチェンジメイクを目指す

「より良い未来のために世の中の変化を起こしたい」

Takram Japan株式会社 代表取締役 田川欣哉氏
Takram Japan株式会社 代表取締役
田川欣哉

毎回、リレー形式で展開しているこの企画、今回はカフェ・カンパニー株式会社の代表取締役社長 楠本修二郎氏からバトンが渡されました。

初めて楠本さんにお会いしたのは、2019年の内閣府による「クールジャパン戦略会議」でした。その後もさまざまなカンファレンスでお会いするようになり、現在では、楠本さんが進めるプロジェクトのビジネスパートナーとしてお手伝いしています。楠本さんは明確なビジョンをお持ちなので、ご一緒する時間がとても楽しいですし、お役に立てることがあれば素直にうれしいと感じています。

御社を表す「デザイン・イノベーション・ファーム」について教えていただけますか。

Takramは、2006年の創業当初から、世の中の変化を促してより良い未来へつながるための仕事をしたいと考え、分野や業態を問わず、企業や組織、社会に点在する「チェンジメーカー」と協働し、これまでになかった価値を創る多彩なプロジェクトに関わってきました。

現在は大きく3つを柱にチェンジメイクのお手伝いをしています。1つ目はイノベーションのためのデザインです。企業内での新規事業やスタートアップを軌道に乗せるのはものすごく大変ですが、それらを成長に導くためにサポートするというもの。2つ目はブランド構築のためのデザインで、マーケティングのサポート施策としてのブランディングではなく、デザインを切り口にしたブランド構築を提案しています。そして3つ目が、デザインを司る組織などをどう経営の力にビルトインさせていくかといった経営戦略や組織開発を考える、ビジネスのためのデザインです。

デザインの役割や可能性についてお聞かせください。

私たちがデザインを主軸にしているのは、B to Cビジネスにおいては特に、デジタル化によってビジネスの潮流が変化してきているからです。例えば、これまでのメーカーは「買ってもらう」ことが最も重要で、そのために何と向き合ってきたかというと、顧客ではなくマーケットやバイヤーでした。ところが商流のデジタル化が進み、サブスクリプションサービスなどが導入されるようになると、「買う」だけでなく、「使う」ことも重要な要素になってきました。つまり、「ユーザー」が喜んで「使い続けられる」プロダクツやサービスでなければ、メーカーは収益を上げることができなくなったのです。だからこそ、「ユーザー」の体験や行動にダイレクトにアクセスできるデザインは、これからのビジネスには欠かせないのです。

「チェンジメーカー」としての人材育成についてもお聞かせください。

私自身はエンジニアリングという領域からスタートしましたが、やがて「チェンジメーカー」を目指すには、それだけでは足りないことに気づき、デザインという領域に越境するようになりました。ですから、Takramにはテクノロジー系やクリエイティブ系だけでなく、コンサルティングファーム出身などさまざまなバックグラウンドを持っているメンバーが揃い、それぞれの得意分野を掛け合わせることで強みを発揮しています。

これからは、一人ひとりが他の領域のスキルも身に付け、それらを自在に使いこなせるクロススタック型の人材を育てていくことも考えていきたいと思います。そして、プロジェクトのビジョンを具現化することにやり甲斐を見出してくれるアスピレーションを持つことも大切にしたい。それがTakramにとっての貴重な人「財」になってくれると期待しています。

「H3 Flight Status Indication System for Public(H3 FIP)」
Takramがデザインと開発をしたH3ロケットの飛行状況をリアルタイムで可視化するシステム「H3 Flight Status Indication System for Public(H3 FIP)」。宇宙航空研究開発機構(JAXA) の種子島宇宙センターに設置され、H3ロケットの打上げライブ中継に使用される予定だ。
ハンカチ専門ブランド「motta(モッタ)」
株式会社中川政七商店とTakramが合同で立ち上げたジョイントベンチャーPARADE株式会社のパイロット事例として手掛けた、中川政七商店のハンカチ専門ブランド「motta(モッタ)」のリブランディング。