2023年、攻めによる「変革」の年に
INTERVIEW ❷
部門一丸となって「面」での「攻め」を

武内秀人
伊藤忠商事株式会社 執行役員ブランドマーケティング部門長
「攻め」への種を蒔いた2022年
2022年7月、ブランドマーケティング分野での総合力をより発揮するために、ブランドマーケティング第一部門とブランドマーケティング第二部門を統合しました。当部門には繊維資材・ライフスタイル分野とブランドマーケティング分野がありますが、2022年は両分野ともにコロナ禍および世界情勢という外部要因に悩まされた年でした。
とはいえ、低重心経営と既存事業の磨き上げだけではなく、「守りから攻めへ」転じるべく新たな取り組みにもチャレンジしてきました。たとえば、2つの異なる分野を掛け合わせることでシナジー効果を生み出す取り組みとして、ウェルネス&ライフスタイルブランド「LALACA(ララカ)」を立ち上げました。その第一弾として、温度調節機能付きブランケットをEC・蔦屋書店等で展開しています。
ブランドマーケティング分野では、レリアン、ジョイックスコーポレーション、コロネットという主軸の事業会社が消費活動の活性化により売上も回復しており、低重心経営の効果もあり、業績が改善しています。また、国内旅行の活発化で「LeSportsac(レスポートサック)」はコロナ禍以前を超える売上となり、「OUTDOOR PRODUCTS(アウトドアプロダクツ)」や「HUNTING WORLD(ハンティング・ワールド)」も好調を維持しています。さらに、「Reebok(リーボック)」を株式会社ロコンドと、「FOREVER 21(フォーエバートゥエンティーワン)」を株式会社アダストリアと、韓国コスメブランド「JUNG SAEM MOOL(ジョンセンムル)」を株式会社あらたと組むなど、小売りに近い新規のお取引先様との協業も実現しました。
加えて、英国のライフスタイルブランド「Barbour(バブアー)」の独占輸入販売権、米国のアウトドアブランド「Eddie Bauer(エディ・バウアー)」のマスターライセンス権および独占販売権、更に米国のアウトドアブランド「L.L.Bean(エルエルビーン)」のマスターライセンス権および卸売販売権を取得しました。
垣根を越えて「面」で攻める
2023年は、ここ数年で種を蒔いてきたビジネスを開花させ、さらに「攻め」へと転じる必要があります。例えば、「シューズ」、「バッグ」、「中高級品(アパレル)」は、ブランドや組織の垣根を越えて「面」で攻めていきたいと考えています。
マーケットインとは、消費者の日々変化するニーズを敏感に嗅ぎ取って、求める商品を供給し、新たなビジネスを構築することです。そのためにはできる限り消費者に近いところで情報を集め、マーケットの変化を肌で感じ取らなければなりません。当部門には海外に40名近い駐在員がいますので、彼らにリサーチ機能を持たせ、海外進出を狙う商材やブランドに対してコンサルティング的な役割を果たすことも期待できると考えております。
引き続き、新たなビジネスチャンスを探るとともに、投資も視野に入れながら業界を盛り上げていきます。

