「共創」で実現するファッション業界の業務改革
[出席者] | アビームコンサルティング株式会社 執行役員 プリンシパル コンシューマービジネスユニット長 | 水野美歩氏 |
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株式会社リンクス 代表取締役社長 | 小橋重信氏 | |
伊藤忠商事株式会社 IT・デジタル戦略部長代行 兼 DXプロジェクト推進室長 | 浦上善一郎 | |
[司 会] | 伊藤忠商事株式会社 繊維経営企画部長 | 大室良磨 |
[出席者] | |
アビームコンサルティング株式会社 執行役員 プリンシパル コンシューマービジネスユニット長 | 水野美歩氏 |
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株式会社リンクス 代表取締役社長 | 小橋重信氏 |
伊藤忠商事株式会社 IT・デジタル戦略部長代行 兼 DXプロジェクト推進室長 | 浦上善一郎 |
[司 会] | |
伊藤忠商事株式会社 繊維経営企画部長 | 大室良磨 |
消費者の価値観やニーズの多様化、コロナ禍によるEC市場の拡大などによってビジネス環境が急変している昨今、ファッション業界ではITや物流など業務インフラの改革が喫緊の課題となっている。複雑かつ非効率的なバリューチェーン、高度な業務知識が必要とされる ITや物流人材の慢性的な不足など多くの障壁が立ちはだかる中で、今、注目を集めているのはさまざまなステークホルダーとの協力体制のもとで、業務インフラの改革や新たなビジネスの創出を目指す「共創」の考え方だ。本号では、ファッション業界の「共創」に向けた支援で、数多くの成果をあげているメンバーの座談会を通じて、ファッション業界の未来を考える。
デジタル改革を促進する

伊藤忠商事株式会社 繊維経営企画部長 大室良磨(以下、大室):現在、伊藤忠商事ではITや物流など業務インフラの改革を進めており、ここにお集まりいただいた皆様にもご支援を賜っています。本日は皆様とともにファッション業界における業務改革の在り方などについてお話ができたらと考えております。まずは改めて、それぞれの自己紹介をお願いいたします。
アビームコンサルティング株式会社 執行役員 プリンシパル コンシューマービジネスユニット長 水野美歩氏(以下、水野):私は新卒で伊藤忠商事の機械カンパニーに入社し、建設機械の輸出や事業会社の管理などを担当していました。当時からすでにデジタル化の波が押し寄せていたのですが、20歳代のうちに新しいチャレンジをしようとアビームコンサルティングに転職し、それ以来、およそ20年にわたってさまざまなお客様のデジタル変革を支援してまいりました。現在は主に食品・飲料、消費財・アパレル、流通関係のお客様を担当するコンシューマービジネスユニットの責任者を務めています。アビームは社員約7,000名の総合コンサルティングファームですが、私自身の専門性はCRMやCXなど顧客接点領域にあり、昨今は主にデジタルコマースや次世代型店舗、顧客データ活用などをテーマにしたコンサルティングを行っています。
株式会社リンクス 代表取締役社長 小橋重信氏(以下、小橋):私は新卒でアパレル企業に入ったのですが、10年ほど勤務した後に会社が倒産するという憂き目に遭いました。それを機に法人のネットワークシステムの構築などを生業とする企業に転職しました。その後、アパレル物流を手がける会社に移り、携帯電話向けファッションコマースサイトの物流を担当することとなり、その後オムニチャネル化の流れが加速していく中で、アパレル大手の物流拠点の統合を支援する仕事などをしてきました。こうした経験をもとに、2018年にファッション、IT、物流という3つの要素に精通するコンサルティング会社を立ち上げ、大手アパレルメーカーのEC立ち上げやオムニチャネル物流などの支援をしています。
伊藤忠商事株式会社 IT・デジタル戦略部長代行 兼 DXプロジェクト推進室長 浦上善一郎(以下、浦上):1991年に伊藤忠商事に入社して以来、一貫して、自ら希望した情報システム部門の仕事に従事しています。入社当時は自らプログラミングをしてのシステム開発から維持・運用と一連のシステム関連業務を担当。その後、約25カ国・40拠点の海外現地法人向け基幹システム(SAP)の導入・展開、全社業務改革、海外ブロックのITガバナンス強化のための新組織立ち上げなど、大規模プロジェクトを中心にリードしてまいりました。伊藤忠テクノソリューションズ株式会社への出向を経て、現在はIT・デジタル戦略部長代行兼DXプロジェクト推進室長として、複数のグループ会社のDX推進支援を積極的に行っております。繊維カンパニーについては、グループ会社のシステム化構想策定支援をしております。
