子どもと取り組むSDGs ~次世代が安心して暮らせる社会へ〜
| 取材先 (社名50音順) |
KCJ GROUP 株式会社 企画管理本部 経営企画部 部長 | 佐々木 恵氏 |
|---|---|---|
| 佐川急便株式会社 CSR推進部 CSR推進課 課長 | 竹下博士氏 | |
| ソニーグループ株式会社 サステナビリティ推進部 CSRグループ ソーシャルイノベーションチーム統括課長 | 森 悠介氏 | |
| COLUMN | 一般社団法人SDGs支援機構 事務局長 | 深井宣光氏 |
| 取材先(社名50音順) | |
| KCJ GROUP 株式会社 企画管理本部 経営企画部 部長 | 佐々木 恵氏 |
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| 佐川急便株式会社 CSR推進部 CSR推進課 課長 | 竹下博士氏 |
| ソニーグループ株式会社 サステナビリティ推進部 CSRグループ ソーシャルイノベーションチーム統括課長 | 森 悠介氏 |
| COLUMN | |
| 一般社団法人SDGs支援機構 事務局長 | 深井宣光氏 |
2015年に国連サミットで採択された持続可能な開発のための17の国際目標「SDGs」は、いまや多くの企業にとって重要な活動指針となっている。SDGsが目指す社会の実現には、未来を担う子どもたちの力が不可欠であることから、近年では子どもたちを対象にしたSDGs関連のプログラムや施設を展開する企業も少なくない。本号では、これらを重要な企業活動として位置づけ、独自の施策を展開している企業や有識者への取材を通じて、持続的な社会の発展のために企業が果たすべき役割について改めて考える。
子どもたちを共創の パートナーとして認識する
社会課題の解決に貢献する
現在、企業が子どもに向けて実施しているSDGs関連の取り組みは、長年取り組んできたCSRの一環で行われているものが多い。1990年代後半から環境対策をCSRの軸に据えてきた佐川急便株式会社では、2007年より東京都八王子市の社有林「高尾100年の森」で森林保全活動を行い、自然体験学習の場として子どもたちに開放してきた歴史がある。同プロジェクトに長年携わってきたCSR推進部の竹下博士氏は、「当社が注力してきた環境分野をはじめ、あらゆる社会の課題やニーズは時代とともに変化、多様化する。これらに対して企業としてどんな貢献ができるかを常に考え、当社自身も変わっていかなければならない」と語り、環境対策において近年重視されている脱炭素、生物多様性、資源循環などに重点を置いた体験の機会づくりに力を入れている。
ソニーグループ株式会社による子どもに向けた教育支援活動もSDGsが定められる前から行われてきたが、2018年にスタートした「感動体験プログラム」は「教育格差」、「子どもの貧困」といった国内の社会課題にフォーカスした取り組みだ。サステナビリティ推進部の森 悠介氏は、「当社の重要なドライバであるクリエイティビティとテクノロジーを用いて社会に貢献していくことが、サステナブルな企業活動には不可欠だ。しかし、社会課題の解決は一社では実現できないため、さまざまなステークホルダーを巻き込んでいく必要がある」と語る。そのため、行政、企業、NPO、学校などとの連携によって、相乗的に価値を高めていくコレクティブ・インパクトによる社会課題の解決を目指している。
自社の強みを生かした発信を
子どもを対象とした職業・社会体験施設「キッザニア」では、SDGsをテーマにした初のパビリオン「キッザニアSDGsセンター」を2021年にオープンさせた。同施設を運営するKCJ GROUP 株式会社 経営企画部の佐々木 恵氏は、「SDGsの取り組みを子どもたちに伝える場として『キッザニア』を活用してくださる企業が増えている。パートナー企業の力をお借りしながら、子どもたちが自分たちの力で未来を変えていくために役立つものを提供していきたい」と話す。同施設では、子どもたちのリアルな反応が得られる場としての強みを生かし、SDGsに関する興味や関心に応じた夏休みイベントを企画するなど、子どもたちが楽しみながら学ぶことができ、一人ひとりの主体的な行動につながるような体験の設計に努めている。
子どもたちにSDGsを発信するにあたり、自社のアセットや強みを生かすことの重要性は、今回取材した各社に共通する認識だ。佐川急便の竹下氏が、「子どもたちへのアプローチや伝えられる内容は企業によって異なり、当社にとってそれは物流にほかならない。SDGsを企業の特色としっかり紐付けて発信していくことが大切であり、そこでは専門的な知識と技術を持つ部署との連携が必要になる」と語るように、同社では各地の営業所で働くドライバーや社員らが講師を務める交通安全教室なども実施している。こうした子どもたちに向けた活動への参加を希望する従業員の声なども多く、社内のエンゲージメント強化という面でも良い影響がもたらされているようだ。
子どもたちの声に耳を傾ける
子どもに向けた取り組みに限らず、企業のCSRやSDGs関連の施策は効果検証が難しく、コストセンターと捉えられることも少なくない。こうした課題に対して、2020年度より「感動体験プログラム」における「社会的インパクト評価」を行っているソニーグループの森氏は、「プログラムに参加した子どもたちに満足してもらうことは大切だが、彼らの成長や変化にどれだけ貢献できたかということを評価することも重要。それを社内外にしっかり発信していくことが継続的な活動につながっていく」と話す。同社では、教育支援活動の「社会的インパクト評価」を報告するフォーラムも開催しているが、対外的な発信を通じて、多くのステークホルダーに社会課題の解決に向けた行動を促すことが主たる目的になっているようだ。
「世界を救う主役は、こども達だ。」をスローガンにSDGs宣言を行った「キッザニア」では、子どもたちの声に耳を傾け、対等な立場でコミュニケーションを行うことを大切にしている。「子どもたちはさまざまな課題を自分事として捉え、前向きに行動を起こそうとしている。柔軟な発想を持つ子どもたちと、発信力や資金力、組織力を持つ企業をつなぐことで、社会にインパクトを与えるブレークスルーやイノベーションが起こることを期待している」と語るKCJ GROUPの佐々木氏。大人目線の一方的な発信に陥るのではなく、子どもたちを共創のパートナーとして認識し、SDGsが目指す持続可能な開発の実現につながる社会的インパクトをともに創り出していくことが、目指すべきゴールの一つなのかもしれない。
