子どもと取り組むSDGs ~次世代が安心して暮らせる社会へ〜
CASE❶ KCJ GROUP 株式会社
学びと楽しさが一体化した体験を通じて企業と子どもをつなぐ橋渡しをする
楽しみながら社会のしくみを学ぶことができる“こどもが主役の街”、「キッザニア」。日本国内には東京・甲子園・福岡の3施設を展開。2021年に「キッザニアSDGsセンター」をオープンするなど、子どもたちがSDGsについて楽しみながら気づき、学べる取り組みを実施している。

佐々木 恵氏
KCJ GROUP 株式会社 企画管理本部 経営企画部 部長
子どもの主体的な行動を支援する
「キッザニア」は、Education(学び)とEntertainment(楽しさ)を組み合わせた造語「Edutainment(エデュテインメント)」をコンセプトに、学びと楽しさが一体となった体験の提供を通じて、子どもたちの生きる力を育むことを目指してきました。
「キッザニア」には「より良い世界のためにこども達が立ち上がって、自分たちが主役の国を創った」という建国ストーリーがあり、“Get Ready for a Better World”の理念を掲げています。これはSDGsの考えにも合致するものです。2021年12月には、子どもたちがSDGsについて学び、自分たちで行動を起こしてもらうことをゴールに据え、「世界を救う主役は、こども達だ。」を掲げたSDGs宣言を行いました。同時に、キッザニア東京・甲子園に「キッザニアSDGsセンター」をオープンしました(※)。
※キッザニア福岡は2022年7月開業と同時オープン
さまざまな課題をクイズ形式で考える
「キッザニアSDGsセンター」では、「未来を変える!アクションラリー」というコンテンツを用いて、食品ロスや服の大量廃棄などさまざまな課題に関するクイズについて考えてもらいます。クイズの回答と企業による課題の解決例が展示されたスポットを巡った後は、子どもたち自身が最も解決したい課題を選び、自分にできるアクションを宣言してもらいます。
オープンからの1年間で、東京・甲子園・福岡の3施設では計7万4,000人以上がアクション宣言をしてくれました。子どもたちのSDGsの知識や地球の未来に対する問題意識の高さ、そして大人には持ち得ない柔軟な発想には驚くものがあります。アクション宣言の内容はパートナー企業にもお届けしているのですが、子どもたちの考えや願いを社会に発信していくことは私たちの使命の一つです。

学校向けのSDGsプログラムも開発
社会を取り巻く課題や企業によるSDGsの取り組みを、子どもたちに伝えていくことも私たちの役割です。決して押し付けにならない形で、楽しみながら気づき、学べる機会を提供することを常に意識し、企業と子どもたちの橋渡し役を担っていきたいと考えています。
2022年4月からは、小中学校の先生方約200名の声をもとに開発した「学校団体向けSDGsプログラム」の提供を開始しました。「キッザニア」での職業・社会体験と併せて、小中学生へのキャリア教育やSDGsへの学びを深めるツールとしてご利用いただいています。
今後は、子ども向けアプリ「キッザニア オンラインカレッジ」においてもSDGsに関連するコースの追加を予定するなど、オンラインでの発信も強化していくほか、SDGsがテーマになっている2025年の大阪・関西万博との連携なども視野に入れ、子どもたちが自分事としてSDGsを捉え、アクションを起こしてもらえるように、「キッザニア」を進化させていきたいと思います。
