子どもと取り組むSDGs ~次世代が安心して暮らせる社会へ〜
【COLUMN】一般社団法人SDGs支援機構
企業ならではの発信を行い社会課題を子どもたちとともに解決する
子どもたちに向けてSDGsを発信する企業の活動において、求められることとは何か。YouTubeチャンネルの運営や書籍の発刊など、さまざまな媒体を通じたSDGsの発信、SDGs実践企業の支援などに取り組んできた専門家に、持続可能な社会の実現に向けた企業のあるべき姿や、子どもたちと一緒にSDGsに取り組むことへの可能性などを聞いた。
深井宣光氏
一般社団法人SDGs支援機構 事務局長
企業がSDGsに取り組む意義とは
「誰一人取り残さない」という印象的な言葉とともに日本に広がっていったSDGsには、弱者の救済や施しの視点が持ち込まれがちです。しかし、SDGsが目指しているのは誰一人「取り残されない」世界であり、そこに自分自身が含まれていることを忘れてはいけません。日本企業のSDGsの取り組みにおいても、社会貢献型のアプローチが圧倒的に多いのが現状です。社会貢献自体は悪いことではありませんが、SDGsにおいて着目すべきは社会課題であり、それらを解決し、持続可能な社会をつくっていくことが本来の目的です。従来の社会貢献活動をSDGsの項目に当てはめて発信するだけではなく、目の前にある社会課題を好機と捉え、これを解決することでビジネスの成長につなげるという好循環を生み出していくことが大切なのです。
近年、社会貢献型のSDGsの取り組みを続けてきた企業の中には、ゴールが見えずに疲弊してきているところが少なくありません。社会課題解決市場が広がっていることを認識し、SDGsを企業の成長のために活用していくような、社会課題解決型の取り組みが日本企業には求められています。
SDGsを通じた子どもたちとの共創
SDGsを子どもたちに伝える上で大切なことは、社会課題やその解決に向けた現在の取り組みを知ってもらうことはもちろん、一人ひとりの意識や行動の変容を促すことです。子どもたちにSDGsを伝える取り組みにおいてポイントとなるのは、エンターテインメント性、行動を促す発信、継続できることの3つです。エンターテインメント性のある発信によって社会課題に興味関心を持ってもらうとともに、子どもたちから意見やアイデアを募るなど具体的な行動を促し、それを継続していくことが重要です。また、そのリアクションをデータとして計測することで、社会的インパクトを強めていくことができるのです。
SDGs教育が進んでいる中、教育機関との役割の違いを認識し、企業ならではの発信をしていくことも大切です。教育機関には、SDGsが掲げる社会課題を子どもたちに伝え、その解決のために自由にアイデアを出せる環境をつくる役割があります。一方、企業には特定の分野でビジネスをしているからこそ、気づくことができる社会課題が必ずあります。そのような課題を発信し、資金や技術、ネットワークなどあらゆるリソースを用いて、子どもたちの自由なアイデアを形にしていく。こうした3者のトライアングルを構築することで、大人と子どもによる次世代型のオープンイノベーションが実現できるのではないでしょうか。
