ダイバーシティ&インクルージョン 2023~多様な「個」が自分らしく働くために~
CASE❶ サイボウズ株式会社
社員の自律的な選択を促し「100人100通りの働き方」を実現する
社員一人ひとりが希望する働き方に合わせて、勤務する曜日や時間帯、場所などを決めることができる「働き方宣言制度」を2018年より運用しているサイボウズ株式会社。多様な個性を重視することを会社のカルチャーの一つに掲げ、ソフトウェア企業らしくITツールなども駆使しながら「100人100通りの働き方」を実現させている同社に話を聞いた。
髙木一史氏
サイボウズ株式会社 人事労務部 ワークスタイルデザインチーム
多様な個性を重視する人事制度
当社では、一人ひとりが自分らしく働ける環境をつくることが社員のモチベーションを高め、生産性の向上、優秀な人材の採用・定着にもつながるという考えにより、15年以上かけて人事制度の改革を行ってきました。2018年には「働き方宣言制度」の運用をスタートし、一人ひとりが個別合意によって雇用形態や給与、勤務時間、場所などを決めるようになりました。
ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)は、「女性」、「外国人」、「障がい者」などをカテゴライズして議論されることが多いですが、当社では一人ひとりが多様な個であるという前提のもと、「100人100通りの働き方」があるべきだと考えています。
制度・風土・ツールの三位一体
この人事制度を運用していくためにはいくつかのポイントがあり、まずはその働き方を選んだ上で、会社の理想実現にどのように貢献できるかということを一人ひとりが考えられるような意識付けと、制度を実際に活用できる職場風土の形成です。また、働き方の希望に応じて給与などの具体的な提案を行う現場のマネージャーの存在が肝になるため、彼らに対する解像度の高い情報共有や研修などにも力を注いでいます。さらに、社員のさまざまな働き方に関するマネジメント事例を当社が開発しているグループウェア上に蓄積することなど、ITツールを駆使し、コミュニケーションコストの削減を図っています。
このように当社では、「100人100通りの働き方」を可能にするために、制度・風土・ツールを三位一体で考えることを大切にしています。
カギとなるのは社員の自律性
コロナ禍によりリモートワークが当たり前になったことで勤務形態の概念が大きく変わるなど、働く上でのさまざまな前提が問い直されていると感じます。こうした中でますます多様になる働き方を受け入れ、会社としての理想も実現するために頭を悩ませながら人事制度のアップデートに努めています。そこでは、単に選択肢を増やすだけではなく、従業員に自律的な選択をしてもらうことが何よりも大事だと考えています。そのために、自分らしい理想の働き方を明確に言語化してもらうなど自己認識を促進すること、具体的な働き方や給与の事例など選択に必要な情報を共有していくことなどに努めています。
今後、会社の規模が拡大したときにも、多様な個性を重視する働き方を続けていくために、従業員を信頼し、一人ひとりの自律的な判断に委ねていけるような、環境や仕組みづくりにチャレンジしていきたいですね。
