Management Eye
モノを広めるFAST COMPANYとして
「PRの枠にとらわれず、モノと人をシンプルにつなぐ」
毎回リレー形式で展開しているこの企画、今回は株式会社ユニオンゲートグループ 代表取締役社長 CEOの中川有司氏からバトンが渡されました。
中川さんとは学校は異なりますが、同学年です。その縁も含めて仲間が集う同期会をよく催していて、食事をしたり、ゴルフをしたり、楽しんでいます。中川さんは、ファッション業界で商品開発はもちろん、クリエイティブも自社内で制作しているだけあって、センスがとてもいいと思っています。
PR事業に参入し、現在ではさまざまな事業ドメインがあります。現在のビジネスモデルについてお聞かせください。
当社の創業は1993年ですが、どんなビジネスを中心にしていくのか、手探りの状態からの出発でした。その後、PR会社に依頼した案件を自らやらざるを得なくなり、それがきっかけで2000年にPR事業に舵を切りました。
今はインターネットやSNSの普及によって、誰もが情報を発信できる時代です。宣伝やマーケティングについては、従来型の緻密な戦略でテレビや新聞へアプローチするという方法でなくても、動画やアドテクといったデジタルテクノロジーを活用すれば、届けたい情報を届けたい人に、 低コストでスピーディに届けることができるようになっています。当社は「モノを広める会社」ですから、クライアントの商品やサービスを確実に購買者に知ってもらうために、情報の整理・加工から、ターゲットに向けた配信までを一気通貫で行うというビジネスモデルを構築してきました。
2011年に中国進出を果たしたのを機に、アジアNo.1のPR会社になりました。
実は中国へ行って気がついたことがあります。中国のPR会社は、PRという業態にこだわらず、スピーディに方向転換します。僕もPR会社をずっとやる必要はなくて、「モノを広める」ために最適だと思うことをすればいい。そう考えられるようになったことが、アジアNo.1へ導いてくれたのだと思います。
そしてもう一つ、大事にしているのがクライアントや利用者の目線です。日本のPR業界は、ウェブ制作事業、広告企画事業など、PRに関わるさまざまな事業が手段ごとに縦割りで存在しています。そのため、企業側にとっては委託先が複雑になってしまいます。それをワンストップで提供できれば、その分コストもスピードも削減できる。当社にはグループ会社も含め多彩な事業ドメインがあるので、すべてを内製化できることが強みとなっています。
これからの展望をお聞かせください。
例えば、2021年に就活情報を提供する「JOBTV」というサービスを始めました。これは、誰でもアクセスが可能で、就活生はさまざまな会社説明動画が、企業側は就活生の自己PR動画が見放題で、しかも採用マッチングプラットフォームでもあるため、会社と就活生がスピーディにマッチングできるようになったと、たいへん好評を得ています。
このサービスからもわかるように、世の中はシンプルなものを求めていて、シンプルなものしか成功しないのではないかと思っています。これからも、PRの枠にとらわれず、テクノロジーを活用してモノと人をシンプルにつなぎ、「モノを広めるFAST COMPANY」としてさらなる成長を目指していきたいですね。