2017年 社長年頭挨拶

2017年1月4日

本日9:00より、東京本社1Fロビーにて、新年祝賀式が開催され、約2,000人の社員が参加しました。社長挨拶に引き続き、長野県真田十万石の城下町・松代(まつしろ)に伝わる郷土芸能として受け継がれている『真田勝鬨太鼓』が披露されました。最後は恒例となった元応援団員が有志で結成した伊藤忠グループ応援団によるエールの披露など、盛りだくさんの内容で今年一年の門出を祝しました。当社社長 岡藤正広による「2017年年頭挨拶」を下記の通りお知らせします。

明けましておめでとうございます。
年末年始の休暇で十分にリフレッシュされ、新たな気持ちで本日を迎えられたと思います。年頭にあたり、日本および世界の伊藤忠グループの皆さまへ、一言ご挨拶を申し上げます。

昨年は日銀のマイナス金利導入、英国のEU離脱決定、米国でのトランプ新大統領の選出など国内外で想定外の出来事が続きました。商社業界においても三菱、三井が大幅な赤字決算となる等、大規模な減損損失計上が相次ぎ、伊藤忠にとっては米国空売りファンドのグラウカス社によるずさんな調査レポートの公表というものもありました。それら想定外の出来事に反応し、為替、株価などは大きく変動しました。

さて、今年も大きな政治イベントが目白押しです。先ずは1月20日にトランプ新大統領が就任します。選挙後、減税や財政支出拡大などの政策期待を背景に米金利・ドル高が進行し、年末まで株価は大幅に高騰を続けてきました。今後トランプ政権の具体的な政策内容が明らかになるにつれて、今のドル高基調や株価高騰が続くのか、それとも反落するのか予断を許さない状況です。このまま米金利、ドルの上昇が続けば、新興国よりの資金流出にも繋がり、財政基盤の脆弱な新興国のリスク管理にも留意が必要となります。

欧州では3月のオランダ総選挙に始まり、4月から6月にかけてフランスの大統領選挙、国民議会選挙が行われ、9月にはドイツの連邦議会選挙が予定されています。欧州各国で存在感を増す大衆迎合的で保護主義の政党が台頭すれば、政治的なリスクは一段と高まり、欧州連合の枠組みは正念場を迎える可能性があります。

又、伊藤忠にとって最重要市場となる中国では秋に5年に一度の党大会、第19回中国共産党大会が開催されます。党大会の開催に向け、人事を巡る権力闘争が激化する見込みで、その動向を中国の全国民が固唾を飲んで見守っている状況が続いています。今後の中国経済に大きな影響を与える可能性があり、引続き状況を注視することが必要です。

これら各々の結果によっては先行きに不透明感が増し、市場に大きな影響を与えることになります。商社にとって変化は大きなチャンスですが、逆に一歩間違えると取り返しのつかないことになるリスクをはらんでいます。今日から気を引き締め、大きな変化が予測される1年に臨まなければなりません。

今年は酉年ですが、客先や運気を取込み、商売繁盛に繋がる年とされ、商人の集まりである伊藤忠にとってより実りの多い1年となることが期待されます。史上最高益となる今年度予算の連結純利益 3,500億円を達成し、更なる飛躍に繋がる伊藤忠の歴史に残る1年にしたいと考えています。

最後に、今年1年の伊藤忠グループの商売繁盛、そして世界で活躍する伊藤忠グループの社員とそのご家族の健康と幸せを祈念し、新年の挨拶と致します。

社長挨拶

真田勝鬨太鼓