南アフリカ共和国での白金族金属(*1)探鉱・開発事業への参画

-白金族金属の安定確保に向け、先行投資-

2011年6月3日

伊藤忠商事株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:岡藤正広、以下「伊藤忠商事」)は、南アフリカ共和国にてIvanhoe Nickel & Platinum Ltd.(以下「Ivanplats社」)が推進中のプラットリーフ(Platreef)白金族金属・ニッケル探鉱開発事業(以下「本事業」)を推進する開発会社の株式8%を224億円の対価で獲得することに合意し、共同運営契約を締結致しました。伊藤忠商事は、2010年9月に同株式2%を10百万米ドル(約8.5億円)にて先行的に取得しており、これと合わせ、今般本事業の合計10%を保有することになります。

本事業は、世界の白金族金属の8割超の埋蔵と7割超の産出量で知られているブッシュフェルト地域の北部に位置しており、1999年からの探鉱で、ニッケル・銅硫化物及び金を伴う有望な白金族金属の鉱徴と、更なる鉱量増加のポテンシャルを確認しております。伊藤忠商事は、将来的に本事業が、白金族金属生産最大手であるアングロ・プラチナ社が本事業に隣接して操業しているモハラクウェナ(Mogalakwena)白金族金属鉱山(*2)に匹敵するかそれを凌ぐ世界最大級の白金族鉱山として開発されると期待しております。今回伊藤忠商事が投じる資金は、本事業の追加探鉱、事業化可能性評価及び開発準備資金に充当されることを双方合意しており、早期の開発・生産着手を目指します。

白金族金属は、需要の5割近くが自動車の排気ガスを浄化する触媒に使用され、我が国の産業の競争力維持と強化に不可欠な金属である為、日本の資源確保政策の中で、最重要鉱種の一つに位置付けられております。伊藤忠商事は本事業に参入することで、事業の生産品をオフテイクする権利を獲得し、日本の資源確保に貢献すると同時に、資源権益の拡充を目指します。今後の事業推進にあたっては、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)の金融支援制度の活用を検討しております。

伊藤忠商事は、5月2日に全額出資子会社である伊藤忠鉱物資源開発株式会社を新設し、金属鉱物資源分野での探鉱・開発案件を手がけ、同分野での活動領域を一層拡大し、発展に努める次第です。本プラットリーフ案件も伊藤忠商事と同新設会社間で新たに強化された連携の下で、開発実現に向け推進する案件の一つとなります。

伊藤忠商事は、今後もベースメタル・レアメタル等の探鉱・開発案件に積極的に取り組み、更なる資源権益の拡充・収益の拡大を目指します。

対象鉱区概要について

プロジェクト プラットリーフ(Platreef)白金族・ニッケル探鉱開発事業
所在地 南アフリカ共和国ブッシュフェルト地域北部 ヨハネスブルグ北東約280km
鉱区保有者 Ivanhoe Nickel & Platinum Ltd.及び伊藤忠商事の共同探鉱会社
鉱区面積 約107km2
探鉱経緯 Ivanplats社が1999年より探鉱開始し、更に2007年より坑内採掘対象の本格探鉱を開始、2010年の探鉱で非常に良好な探鉱結果を得ております。
資源量 Ivanplats社が現在、カナダ証券法取引基準(NI43-101)に基づく資源量・技術報告書を作成中であり、伊藤忠商事は坑内採掘対象となる資源量が更に拡大することを期待しております。Ivanplats社は同技術報告の近い将来の公開を予定しています。

Ivanplats社について

Ivanplats社は、銅、プラチナ、金、ニッケル、鉄鉱石を始めとした金属資源の探鉱及び開発をアフリカにて手掛ける非公開企業です。

会社名 Ivanhoe Nickel & Platinum Ltd.
代表者 Robert M. Friedland
本社所在地 カナダ バンクーバー
設立 1993年

伊藤忠鉱物資源開発について

伊藤忠商事の全額出資子会社で金属部門金属資源技術・開発室を分離して新設致しました。同社は金属鉱物資源分野での探鉱・開発案件を手がけ、同分野での活動領域を一層拡大し、発展に努めます。

会社名 伊藤忠鉱物資源開発株式会社
代表者 近藤 敏
本社所在地 伊藤忠商事東京本社内
設立 2011年5月
  1. 白金族金属について
    プラチナ、パラジウム、ルテニウム、ロジウム、オスミウム、イリジウムの総称。物理的性質や
    化学的性質が互いに類似しており、地質的にも纏まって存在し同時に産出されることで
    知られております。
  2. モハラクウェナ(Mogalakwena)白金族金属鉱山について
    白金族生産メジャーであるアングロ・プラチナ社がブッシュフェルト北部で操業中の白金族・
    ニッケル鉱山。年間約10百万トンの鉱石(白金族金属含有量 約20トン)を産出し、規模・
    競争力ともに世界最大級の白金族金属鉱山として知られております。

対象鉱区位置と探鉱現場

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