シンガポールにおける舶用アンモニア燃料サプライチェーン構築に向けた共同開発を加速

新たに商船三井、星港PAVILION ENERGY、仏TOTAL MARINE FUELの3社が参画決定

2021年5月17日

伊藤忠商事株式会社(本社:東京都港区、社長COO:石井 敬太、以下「伊藤忠商事」)と伊藤忠エネクス株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:岡田 賢二、以下「伊藤忠エネクス」)は、この度、VOPAK Terminal Singapore Pte Ltd (以下、「VOPAK社」)、 株式会社商船三井(以下「商船三井」)、Pavilion Energy Singapore Pte. Ltd. (以下「PAVILION ENERGY社」)、TOTAL MARINE FUELS PRIVATE LIMITED(以下「TOTAL社」)との間で、シンガポールにおける舶用アンモニア燃料供給に関する共同開発に取り組んでいくことに合意しました。

伊藤忠商事は、2020年6月にシンガポールにおいてアンモニア貯蔵タンク及び関連設備を保有運営するVOPAK社と同目的の覚書を締結しています。今回、各事業分野で高い専門性と経験を持ち、シンガポールでLNG燃料供給事業を展開している商船三井、PAVILION ENERGY社、TOTAL社を迎え、シンガポールにおける舶用アンモニア燃料サプライチェーン構築の更なる進展を目指します。同3社の参画により本プロジェクト実現に向けた貢献が期待されます。

2016年にパリ協定が発効し、脱炭素化の世界的な気運が高まる中、海運では、国際海事機関が2018年に温室効果ガス(GHG)削減戦略を採択し2030年までに2008年比40%効率改善、2050年までに2008年比50%総量削減、更には今世紀中できるだけ早期にGHG排出フェーズアウト(ゼロ・エミッション)を掲げています。これらの目標達成に向け、有望なゼロ・エミッション燃料であるアンモニアを舶用燃料として早期に社会実装することが重要となります。

今回の合意により、シンガポールにおける舶用アンモニア燃料のサプライチェーン(陸上・海上施設およびアンモニア燃料供給船)の共同開発を加速させます。本件は、伊藤忠商事が他パートナーと共同で推進しているアンモニア燃料船開発統合型プロジェクトの一環として位置付けており、国内外の各企業、関係省庁とも協力し、GHG削減に向けた取組を進めていきます。伊藤忠商事は、これらの取組を通じて持続可能なエネルギーシステム構築を加速し、新中期経営計画の基本方針である『「SDGs」への貢献・取組強化』を着実に実行し、低炭素化社会の実現を目指します。

各社役割

会社 役割
VOPAK社 在シンガポールのBanyanターミナルにおける既存アンモニア関連設備の保守運営の経験を生かし、アンモニア燃料の貯蔵/荷役に関連する陸上設備開発の研究。
商船三井 LNG燃料供給船の建造・保有の経験と知識を活用して、アンモニア燃料供給船、FSU(浮体式貯蔵設備)等のオフショア施設の開発、およびシンガポールでのアンモニア燃料供給の安全ガイドラインの策定を推進。
PAVILION ENERGY社 シンガポールにおける舶用LNG燃料供給事業に関する知見や経験を相互活用し、他のパートナーと共にシンガポールにおけるアンモニア燃料のサプライチェーン構築の推進やアンモニア燃料供給の安全ガイドラインの策定を推進。
TOTAL社 舶用LNG燃料事業における経験や専門性を活かし他のパートナーと共に、(i)シンガポールにおけるアンモニア燃料サプライチェーンと安全ガイドラインの開発、(ii)燃料供給インフラの開発を推進。
伊藤忠エネクス 日本とシンガポールにおける舶用燃料供給事業の知見と経験を活かし、シンガポールにおけるアンモニア燃料サプライチェーンの構築とアンモニア燃料供給の安全ガイドラインの策定を他の関係者と共に推進。
伊藤忠商事 多様な産業/企業とのネットワークを活かし、(i)シンガポールにおけるFSU(浮体式貯蔵設備)やアンモニア燃料供給船などの海上設備やアンモニア燃料供給の安全ガイドラインなどの開発を他のパートナーと共同で推進、(ii)舶用アンモニア燃料のサプライチェーンに関わる荷主、船会社、アンモニア製造業者等の様々な業界・企業とのネットワークを活用し、国内外でのパートナーシップ形成を主導し、アンモニア燃料船を保有・運航、舶用アンモニア燃料の供給拠点を共同で開発する統合型プロジェクトを推進。