脱炭素社会実現を目指した南アフリカ サソール社とのグリーンアンモニアビジネスでの協業に関するMOU締結について

2022年9月2日

伊藤忠商事株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長COO:石井 敬太、以下「伊藤忠商事」)は、南アフリカのエネルギー大手企業であるSasol Limited(本社:南アフリカ共和国、President and CEO:Fleetwood Grobler、以下「サソール社」)と、脱炭素社会の実現を目指したグリーンアンモニア分野での協業に関するMOUを締結いたしました。

本MOUはこのほどチュニジアにて開催されたTICAD8(アフリカ開発会議)で調印されたもので、今後両社は南アフリカ北ケープ州、ブハベイ(Boegoebaai)におけるグリーンアンモニアのサプライチェーン構築に向けた調査及び開発を共同で検討してまいります。本調査では発電用燃料や、舶用燃料、その他既存用途を含めた輸出型プロジェクトの検討を実施します。また、両社による共同事業化への調査をはじめ、各金融機関と連携した金融支援等についても共同で検討していくものです。

アンモニアは低コストで効率よく輸送・貯蔵できる水素キャリアであり、アンモニア既存用途の大半を占める肥料の原料、火力発電所や船舶でのCO2フリー燃料として、温室効果ガスの排出削減効果が期待されています。両社で検討するグリーンアンモニアは、従来のガスや石炭といった化石燃料由来の製法とは違い、再生可能エネルギー(太陽光や風力)を資源とし、電気分解プロセスを経て得られるグリーン水素から生産されます。グリーンアンモニアは、CO2排出ネットゼロに近づける上で、次世代の持続可能なエネルギー資源として注目されています。

伊藤忠商事は中期経営計画の基本方針のひとつに「『SDGs』への貢献・取組強化」を掲げ、安定的なアンモニア供給のためのサプライチェーンの構築に向けた取組を強化しており、カナダでのブルーアンモニア(※)製造販売事業プロジェクト、アンモニア燃料船の開発と舶用アンモニア燃料の国際バリューチェーン構築、ブルーアンモニアの肥料用途における利用等を推進しています。

サソール社は南アフリカの豊富な太陽光や風力資源、また豊富な希少金属資源を活用し、脱炭素に向けたエネルギー転換をリードし、世界を代表するグリーン水素やSAF(持続可能な航空燃料)等のクリーン燃料の生産拠点の構築を目指します。

伊藤忠商事は、サソール社と共に、本MOUをプラットフォームに、低炭素化社会の実現に向けて、南アフリカの競争力のある資源を活用したグリーンアンモニアのサプライチェーン構築を目指します。

  • ブルーアンモニア:従来の化石燃料由来のアンモニア製造プロセスによって生成される二酸化炭素を地中深くに貯留・圧入するCCS(二酸化炭素回収・貯留)等の工程を加えることで製造されるアンモニア。