カネカグループとの兵庫県豊岡市における蓄電所事業、太陽光PPA事業、地域マイクログリッド事業について

2023年6月1日

伊藤忠商事株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長COO:石井 敬太、以下「伊藤忠商事」)は、カネカソーラー販売株式会社(本社:大阪府大阪市、代表取締役社長:南泉 喜行、以下「カネカソーラー販売」)と合弁で豊岡地域エネルギーサービス合同会社(本社:兵庫県豊岡市、以下「合同会社」)を設立し、2023年度より豊岡中核工業団地(兵庫県豊岡市)において、蓄電所事業、太陽光PPA*1事業、地域マイクログリッド*2事業を組み合わせた電力サービス事業を開始いたします。合同会社が中心となり、関西電力(株)、(株)アイ・グリッド・ソリューションズ、豊岡中核工業団地の入居企業各社が連携して各事業を推進いたします。

  • *1Power Purchase Agreement 電力購入契約
  • *2地域コミュニティの中で、太陽光発電等の再生可能エネルギー電力を、蓄電池などで需給調整しながら地産地消するシステム

EVリユース蓄電池を活用した蓄電所事業への参画

本事業では、伊藤忠商事が展開する商用EVの退役蓄電池をリユースした大型蓄電システムを活用します(定格出力1.9MW、定格容量6.0MWh)。需要増加が著しい蓄電池を確保する有効な手段として、EV蓄電池のリユース・リサイクルを含むライフサイクルマネジメントへの注目が高まっております。伊藤忠商事は、本事業でリユース蓄電池を活用することで、蓄電池製造時のCO2排出と廃棄費用の削減、レアメタルなどの希少資源の有効利用に貢献するものです。
本事業では、大型蓄電システムを3つの電力市場(卸電力市場、需給調整市場、容量市場)で活用することで、日本の電力市場の安定化に資する運用を行う予定です。

太陽光PPA事業と余剰電力循環モデルによる効率的な分散電源の実装

豊岡中核工業団地の入居企業各社の建物の屋根に設置する太陽光発電設備(発電出力計2.2MW)で発電された電力を各社に供給するPPA事業も展開します。また工業団地内の発電電力が余剰となる場合、伊藤忠商事グループのアイ・グリッド・ソリューションズが買い取り、周辺地域に電力供給を行うことで、より効率的な再生可能エネルギーの普及拡大に貢献いたします。

マイクログリッドによる災害時の高いレジリエンス体制の実現

災害等で電力供給が停止するような非常時に、上記の大型蓄電池と太陽光発電設備を連携させ、工業団地内の各企業や行政指定避難場所等へ電力を分配することで、電力の自給自足が可能なマイクログリッドを構築いたします。本事業では工業団地内の系統網をマイクログリッドに活用する先進的な取り組みであり、工業団地内に高いレジリエンス体制を構築いたします。本事業では、経済産業省の「令和4年度 地域共生型再生可能エネルギー等普及促進事業費補助金(地域マイクログリッド構築支援事業のうち、地域マイクログリッド構築事業)」を活用しております。

伊藤忠商事は、分散電源事業を積極的に展開しており、オンサイト・オフサイトPPA事業と、家庭用・産業用・蓄電所用までの幅広いラインナップでの蓄電池事業を組み合わせた展開を図っています。上記の取り組みを通じて蓄電所事業やマイクログリッド事業の知見を高め、国内電力市場での効率的且つ安定した電力供給モデルを実現し、分散電源を核とした脱炭素社会実現に向けて貢献してまいります。

豊岡地域エネルギーサービス合同会社

本社 兵庫県豊岡市
代表社員 奈須野 善之
出資比率 カネカソーラー販売株式会社 75%、
伊藤忠商事株式会社 25%