伊藤忠商事とスカパーJSATが、内閣府主催「第6回宇宙開発利用大賞」環境大臣賞を受賞

2024年2月27日

(3月13日 下部更新) 「伊藤忠商事とスカパーJSATは、2024年3月12日に日経ホールで行われた表彰状授与式に参加しました。」

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伊藤忠商事株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長COO:石井 敬太、以下「伊藤忠商事」)と、スカパーJSAT株式会社(本社:東京都港区、代表取締役執行役員社長:米倉 英一、以下「スカパーJSAT」)は、内閣府が主催する「第6回宇宙開発利用大賞」の環境大臣賞を受賞しました。宇宙開発利用大賞は、内閣府が主催する宇宙開発利用の推進において大きな成果を収め、先導的な取組を行った企業やプロジェクトを表彰する制度です。
今般、伊藤忠商事とスカパーJSATが共同で、カタール環境省(Ministry of Environment and Climate Change、以下「カタールMECC」)に対して提供したSAR 1衛星画像を活用した海上オイル漏れ検知サービスが、海洋環境保護の視点から特に顕著な功績があったと認められました。

本検知サービスは、スカパーJSATの提携先である衛星事業者大手のKongsberg Satellite Services AS(本社:ノルウェー トロムソ)、および同社のパートナーが保有する地上局で取得したSAR衛星画像を用いて、海上のオイル漏れを検出します。その後、船舶から発信されるAIS(船舶自動識別装置)情報 2と組み合わせて解析することで、オイル漏れのあった船舶を特定できます。

全世界で、石油タンカーによるオイル流出事故は1970年代以降、約2,000件報告 3されており、特にカタールを含む、多国籍船舶が多く航行するペルシャ湾沿岸では、オイル流出対応策を長年検討しています。環境保護の観点からも、船舶から漏れ出したオイルが着岸する前に可能な限り早く検知し対処することが重要です。本検知サービスは、沿岸部の海水淡水化施設や発電所などの重要施設をオイル漏れによる被害から防ぎ、海洋環境の保護への活用が期待できます。

伊藤忠商事およびスカパーJSATは、今後も市場拡大が見込まれる宇宙からの観測データ等を活用し、社会と環境の持続可能性への貢献と健全な事業活動による社会課題の解決を通じて持続的な成長を目指していきます。

  • ※1SAR:合成開口レーダー(Synthetic Aperture Radar)の略。地表にマイクロ波を照射し、反射して返ってきた信号を分析することで地表の画像を得るレーダー。雲や噴煙を透過し、昼夜や天候に関係なく地表の状況を把握することができる点が特長です。
  • ※2AIS情報:船舶自動識別装置(Automatic Identification System)から発信する自船の識別符号、船名、位置、針路、船速、行き先などの情報。衝突防止等海洋安全の観点から、洋上を航行する船舶同士がこれらの航行情報を相互交換しており、SOLAS条約(海上人命安全条約)によって定められる対象船舶へのAIS搭載が義務化されています。AISは常に電源をオンにしておく必要があり、停船中であっても、自船の船舶情報を発信し続けることで、当該船の居場所の把握が可能です。
  • ※3International Tanker Owners Pollution Federationより引用。


(3月13日更新)
伊藤忠商事とスカパーJSATは、2024年3月12日に日経ホールで行われた表彰状授与式へ参加し、朝日健太郎・環境大臣政務官より「環境大臣賞」の賞状とトロフィーを贈呈いただきました。

尚、本件の受賞のポイントは下記の通りです。(選考委員講評より抜粋)
・日本として、戦略的・政策的に重要な地域である中東における良いサービス事例であり、カタール政府が本サービスを導入したことを契機として、他のペルシャ湾岸諸国からも問い合わせがあり、今後の契約数の伸びが期待できる。
・SAR衛星を利用し船舶からの海上のオイル漏れを特定することが可能となるものであり、すでにカタール環境省に提供を開始している。本サービスの普及によりオイル流出による海洋汚染への早期対処につながり、海洋環境の保全や資源の有効活用の効果が期待される。

表彰状授与式の様子


■第6回宇宙開発利用大賞
https://www.s-riyoutaishou.jp/

■カタールにおけるSAR衛星画像を用いた海上オイル漏れ検知サービスを提供開始(2023年6月19日)
https://www.itochu.co.jp/ja/news/press/2023/230619.html