エイツーヘルスケア社、米・ボストン支店を設立、バイオテック企業の日本向け新薬開発を支援

2024年3月19日

伊藤忠商事株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長COO:石井 敬太、以下「伊藤忠商事」)の子会社であるエイツーヘルスケア株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役社長:神谷 均、以下「エイツーヘルスケア」)は、米国事業拡大のため、2024年3月1日付で国内大手CRO※1初となる米・ボストン支店を設立し、バイオテック企業の日本国内における新薬開発支援を開始しました。

現在、日本の厳しい薬事規制や治験関連手続きの煩雑さ、欧米と異なる薬価制度等を理由に、海外製薬企業が日本市場を敬遠し、新薬が入ってこない「ドラッグ・ロス」の拡大が指摘されています。欧米で承認されていながら、国内では承認されていない「国内未承認薬」の割合は増加傾向にあります(2016年:56%、2020年:72%)※2。また、国内未承認薬の半数以上は、海外のバイオテック企業が新薬開発を担っており※3、「ドラッグ・ロス」解消に向けて、海外企業に対して日本での開発意欲を高める仕組が求められています。

エイツーヘルスケアは、これまで様々な領域・疾患における企業主導治験や医師主導治験を数多く受託しており、業界トップクラスの新薬開発支援ノウハウを兼ね備えています。昨年10月には、「サイトライン・ファーマインテリジェンス・アワード・ジャパン2023※4」の「Best CRO/CDMO」カテゴリーにおいてアワードを受賞し、国内の効率的な治験の被験者募集のノウハウや、治験現場におけるIT活用の先進性等が評価されております。

今般、同社は1,000社以上のバイオテック企業が集結する世界最大規模のバイオテック・クラスターを形成するボストン都市圏に支店を設立し、海外企業との接点を確保し日本国内での新薬開発を支援します。具体的には、企業のパイプライン(新薬候補)開発を資金面からサポートするファイナンスプログラム“Pipeline Accelerator Program”を提供します。また、日本国内での新薬開発におけるCROサービスを一貫して提供し、国内患者のニーズが高い新薬の開発を支援してまいります。

伊藤忠商事は、中期経営計画の基本方針として「『マーケットイン』による事業変革」を掲げており、本取組はこれに合致するものです。当社とエイツーヘルスケアは、ヘルスケア領域を注力分野と位置付け、本取組を通じて、「ドラッグ・ロス」という社会課題の解決に尽力し、より良い医療が提供される社会に貢献してまいります。

  • ※1CROとは、Contract Research Organization(医薬品開発業務受託機関)の略であり、医薬品などの開発において必要となる業務(モニタリング、データマネジメント、統計解析業務等)のアウトソーシングビジネスのこと
  • ※2出典:一般社団法人 日本CRO協会 「Japan CRO Association Annual Report 2023」
  • ※3出典:医薬産業政策研究所 「ドラッグ・ラグ:国内未承認薬の状況とその特徴」

エイツーヘルスケア 米・ボストン支店(A2US)概要

名称(仮称) エイツーヘルスケア株式会社 USボストン支店 / A2 Healthcare Corporation US Boston Branch
所在地 One Broadway 14th Floor, Cambridge, MA 02142
支店長 松島宏樹

エイツーヘルスケア株式会社

所在地 東京都文京区小石川1-4-1 住友不動産後楽園ビル20F
代表 神谷均
設立 2003年7月
事業内容 医薬品・医療機器・再生医療等製品・ワクチン開発、製造販売後調査等、臨床研究受託事業
URL https://www.a2healthcare.com/