米国における大型太陽光発電所3案件の開発完了について

日本企業初、北米で一貫した開発体制を構築

2024年2月6日

伊藤忠商事株式会社(本社:東京都港区、代表取締役COO:石井 敬太、以下「伊藤忠商事」)は、100%出資の事業会社で米国において再生可能エネルギーの開発を専業として取り組むTyr Energy Development Renewables, LLC(本社:カンザス州、以下「TED社」)を通じて、米国内の大型太陽光発電所3案件に関する建設開始に必要な一連の開発業務を完了(※)しました。

米国政府は「2035年までに電力部門のCO2排出ゼロ」、「2050年までにカーボンニュートラル」という環境目標を掲げています。2022年8月にInflation Reduction Act(IRA法)が成立し、10年間で3,960億ドルを再生可能エネルギー関連の支援に決定したことで、再生可能エネルギー市場の更なる成長が見込まれています。電源構成に占める太陽光発電容量は、2024年8%から2050年頃にかけて30%超に伸びていくと期待されています。

当社は2022年にTED社を設立し、日本企業で初めて北米で大型太陽光発電の建設開始に必要な一連の開発体制を構築しました。TED社は現在約4ギガワット(原子力発電所4基分に相当)の太陽光発電所を開発しています。本3案件(イリノイ州:2件、アーカンソー州:1件)は、TED社設立後、初めて大型太陽光発電所の建設開始に必要な一連の開発業務を行い、長期売電契約を組成した上で売却したものです。売却先は、世界的玩具メーカーのレゴ創業者グループで再生可能エネルギーを運営するAdapture Renewables, Inc.(アダプチャーリニューアブルズ、以下「アダプチャー社」)であり、今後アダプチャー社が当発電所を建設し電力供給を予定しています。尚、3案件の発電量は合計333メガワット(米国標準家庭約72,000世帯相当)、年間約60万トンのCO2排出削減が期待されます。

北米で同じく当社100%出資の事業会社であるNAES Corporation (本社:ワシントン州)は、約1,400箇所の太陽光発電所に運転保守サービスを提供しています。当社グループの力を結集し、今後一層再生可能エネルギー事業を推進、脱炭素社会・持続可能な地域社会の実現に向け貢献します。

  • 本件における開発完了とは、TEDが土地の選定と確保、電力系統接続、各種許認可取得、発電所設計・機器調達、長期売電契約の組成等の開発を一から手掛け、建設開始に必要な一連の業務を完了したことを指します。(本件の建設、運営は売却先のアダプチャー社により行われる予定です。)

取組みイメージ(オレンジ色部分が本件の開発スキーム)

TEDについて

伊藤忠商事100%出資の米国事業会社Tyr Energy, Inc.の傘下に設立し、再生可能エネルギーの開発を専業として行っています。

会社名 Tyr Energy Development Renewables, LLC
(ティアエナジーデベロップメントリニューアブルズ、略称TED、テッド)
代表者 Robert Shanklin (ロバート・シャンクリン)
本社所在地 アメリカ合衆国、カンザス州、オーバーランドパーク
設立年 2022年
事業内容 再生可能エネルギー関連ビジネス
URL https://www.tedrenewables.com/

(参考)2022年3月24日リリース
北米再生可能エネルギー開発事業会社の設立について
https://www.itochu.co.jp/ja/news/press/2022/220324.html

アダプチャー社