北米再生可能エネルギー開発事業会社の設立について

2022年3月24日

伊藤忠商事株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長COO:石井 敬太、以下「伊藤忠商事」)は、米国において再生可能エネルギーの開発を専業として取り組むTyr Energy Development Renewables, LLC(本社:カンザス州、以下「TED」)を設立いたしました。今後大きな成長が見込める北米再生可能エネルギー事業の開発を加速します。

米国では、環境問題や異常気象の増加等を背景に、政府が「2035年までに電力部門のCO2排出ゼロ」、「2050年までにカーボンニュートラル」という環境目標を掲げていますが、2021年時点の発電に占める再生可能エネルギーの割合は全体の約20%に留まっており、目標達成に向けては再生可能エネルギー分野の成長が加速することが見込まれます。

これまで伊藤忠商事は、米国子会社であるTyr Energy, Inc.(本社:カンザス州、以下「Tyr」)を通じて再生可能エネルギーへの投資、開発を進め、現在、約300万キロワット(原子力発電所3基分に相当)の太陽光発電所開発を進めてきました。この度、TEDを新たに設立し、土地確保、電力系統接続、各種許認可取得、主要機器・建設工事事業者の選定・交渉、売電契約の交渉・締結、ファイナンス組成等、再生可能エネルギーの開発に必要な一連の業務を一社で完結出来る体制を構築しました。これにより、複数の大規模開発を同時に進めることが可能となり、収益規模拡大・効率の向上を実現、開発プラットフォームとしての企業価値向上を目指します。

伊藤忠商事は、本件と共に、Tyr の米国における20年以上に亘る電力事業の経験や、子会社で世界最大の独立系発電所運転・保守サービス会社であるNAES Corporation (本社:ワシントン州)の再生可能エネルギー発電所における知見を活用し、北米における再生可能エネルギービジネスの展開拡大を行います。

伊藤忠商事は中期経営計画「Brand-new Deal 2023」の基本方針の1つとして「『SDGs』への貢献・取組強化」を掲げ、その一環として再生可能エネルギー関連ビジネスを推進しています。本件を通じ、大規模なエネルギー転換が必要な北米マーケットの需要に応え、循環型社会の実現に向け貢献します。

新会社概要

会社名 Tyr Energy Development Renewables, LLC
(ティアエナジーデベロップメントリニューアブルズ、略称「TED(テッド)」)
代表者 Robert Shanklin (ロバート・シャンクリン)
本社所在地 アメリカ合衆国、カンザス州、オーバーランドパーク
設立 2022年
事業内容 再生可能エネルギー関連ビジネス

Tyrについて

Tyr社は伊藤忠商事100%出資の米国事業会社で、発電所の開発、投資、運営・資産管理を担っています。現在、世界最大の電力市場である北米で、再生可能エネルギー発電所の権益を含む、合計530万キロワット相当の発電資産への投資を行っています。

会社名 Tyr Energy, Inc.(ティアエナジー、略称「ティア」)
代表者 Garrick Venteicher (ギャリック・バンタイカー)
本社所在地 アメリカ合衆国、カンザス州、オーバーランドパーク
設立 2002年
URL https://tyrenergy.com/

NAESについて

NAES社は伊藤忠商事100%出資の米国事業会社で、北米における発電所・石油ガス・化学関連設備向けに運転・保守サービスを提供しています。また、エンジニアリング、建設マネジメント、発電所・送電線遠隔運転、資産管理、業界規制コンプライアンス、定期点検工事、電気設備工事等のサービスも手掛け、主要エネルギーインフラの安全性・信頼性向上に貢献しています。

会社名 NAES Corporation(ネイスコーポレーション、略称「ネイス」)
代表者 Norm Escover (ノーム・エスカバー)
本社所在地 アメリカ合衆国、ワシントン州、シアトル
設立 1980年
URL https://www.naes.com/