オランダ センサス社の水溶性食物繊維「イヌリン」の国内独占販売権取得について
大阪市内の全小中学校の給食用パンに採用
2025年6月16日
伊藤忠商事株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長COO:石井 敬太)は、Sensus B.V.社(本社:オランダ北ブラバント州、CEO:Herman Holtus、以下「センサス社」)と、水溶性食物繊維「イヌリン」(ブランド名:イヌリア®)の国内独占販売契約を締結しました。2025年5月以前は、帝人株式会社(本社:大阪市北区、代表取締役社長執行役員:内川 哲茂、以下「帝人」)がセンサス社のイヌリン独占販売権を保有していましたが、2025年6月より伊藤忠商事が本事業を引き継ぎます。
食物繊維・イヌリンについて
食物繊維は、水に溶けやすい水溶性と溶けにくい不溶性の2種類に分類され、水溶性と不溶性を1:2の割合で、1日当たり合計25g以上摂取することが理想とされています。国民の平均摂取量は18.1g※1にとどまっており、また、水溶性食物繊維の摂取量が不足しています。
イヌリンは、水溶性食物繊維の代表的な素材であり、水に溶け腸内でゼリー状になり、腸内環境を改善する効果があります。また、水に溶けやすい性質から食品や飲料に混ぜやすく調理しやすいのが特徴です。センサス社は、イヌリンの世界第2位のシェアを持つ食品素材メーカーであり、キク科の野菜であるチコリの根を原料としてイヌリンを製造しており、国内では「イヌリア®」のブランド名で販売されています。
イヌリア®の活用事例
2025年度より、大阪市内の全小中学校の給食用パンにイヌリア®が採用されました。パンの原材料にイヌリア®を使用することで、食物繊維量を増やすことが出来、文部科学省が定める給食1食あたりの食物繊維摂取基準の約75%※2が摂取可能です。また、パン生地の保形性が向上し、食塩添加量を減らしても製造が可能となりました。小学校中学年の給食1食あたりの食塩摂取量は2.0g未満と定められておりますが、イヌリア®を使用することで、パン1つ (小麦粉60g)あたり、食塩含有量を0.96gから0.60gまで削減出来ました。
当社の食物繊維事業
食物繊維の摂取不足や健康志向の高まりを背景に、国内の食物繊維市場は拡大しており、2033年には2024年比1.9倍の1,064百万ドル(約1,500億円)に達するとされています※3。当社は、2025年5月に食物繊維が豊富なスーパー大麦「バーリーマックス」の独占販売権を取得しました※4。今般、センサス社の「イヌリン」(ブランド名:イヌリア®)の独占販売権を取得し、また、食物繊維市場の拡大・研究開発推進の為、食物繊維のコンソーシアム「発酵性食物繊維普及プロジェクト」※5へ参画しました。今後は販売チャネルをさらに拡充し、食物繊維事業を拡大していきます。
- ※1 厚生労働省「令和 4年 国民健康・栄養調査結果の概要」
- ※2小麦重量60gの給食用パンに3%のイヌリア®を使用した場合、小学校中学年の食物繊維摂取基準の約75%を摂取可能。
- ※3 IMARC調査レポート
- ※4 スーパー大麦「バーリーマックス」の日本・台湾における商標権・独占販売権の取得について(2025年4月24日 当社公表)
- ※5 発酵性食物繊維普及プロジェクト
イヌリア® |
大阪市内の小中学校の給食用パン |
センサス社について
所在地 | オランダ北ブラバント州 |
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代表 | Herman Holtus |
設立 | 2010年3月 |
事業内容 | イヌリンの製造・販売 |
URL | https://www.inspiredbyinulin.com/ |