会長CEO挨拶


代表取締役会長CEOの岡藤正広です。
5月2日に、2024年度決算および2025年度の経営計画を公表いたしました。
2024年度は4月に出した伊藤忠の行き先を示す羅針盤となる経営方針『The Brand-new Deal』の下、企業価値を持続的に向上するため、「業績の向上」、「企業ブランド価値の向上」、「株主還元」を3つの柱として掲げましたが、それぞれ着実に成果をお示しできた1年となりました。
2024年度決算は、インフレによる原料高や資源価格下落等もあり、厳しい経営環境ではございましたが、過去3年連続での連結純利益8,000億円のステージから、再びギアチェンジの上、右肩上がりの成長となる10%増益、かつ過去最高となる8,803億円を達成いたしました。また、株価につきましては、2024年7月11日は8,245円を付け上場来最高値を更新し、企業価値を計る重要な指標の一つであり、「企業経営の通信簿」とも言われている時価総額はついに13兆円を突破しました。その後も株価は堅調に推移し、時価総額は昨年10月以降、他社に一度も譲ることなく総合商社トップの地位を維持し続けております。
2025年度の経営計画については、目まぐるしいトランプ政権の方針転換やそれに伴う世界経済の先行き等、不透明な経営環境が見込まれますが、どのような状況でも結果に拘って来た当社としましては、連結純利益は2年連続過去最高、かつ新たなステージとなる9,000億円としました。厳しい環境だからこそ、伊藤忠グループ一丸となって「低重心経営」を改めて徹底の上、計画達成に向けて邁進していく所存です。加えて、業績の持続的向上と高効率経営継続のための資産入替も実行しながら、「投資なくして成長なし」の旗印の下、2024年度に引続き1兆円を上限として将来布石となる成長投資も着実に実行してまいります。
また当社は定量面のみならず、定性面での取組みにも力を入れておりますが、世間の皆様から就職人気企業ランキングを始めとした高い評価を頂けていることに対しまして、この場をお借りして心より感謝申し上げます。近江商人にルーツを持つ我々は「商人は水であれ」という言葉も大切にしています。お客様のニーズという器に合わせて、水のように自分の形を変えることが商人の真髄です。引続きビジネスのみならず、定性面の取組みにおいても、「マーケットインの発想」に基づいて全ての組織・社員が顧客・社会の声に耳を傾け、ニーズに応えていくことで、信頼の構築と企業ブランド価値の向上に努めてまいります。
最後に、株主の皆様への還元ですが、経営方針で総還元性向40%以上を掲げている中で、2025年度も昨年度と同水準となる総還元性向50%を目途とする株主還元を予定し、成長投資の継続と株主還元の拡充を同時に実現していきます。
今後も何卒変わらぬご支援とご鞭撻を賜りたくよろしくお願い申し上げます。


代表取締役会長CEO 岡藤 正広
2025年5月2日